規約・契約書の抽出

利用規約の解約・返金・免責をAIで抜き出す検証

全10条とプロンプト

結論(先に)規約から解約・返金・免責を条番号つきで抽出し、否定形も正確でした。ただし要約であって法的解釈ではなく、重要な契約は専門家の確認が要ります。

利用規約や契約書は長く、知りたいのはたいてい「解約・返金・免責はどうなっているか」の数か所だけ。ここをAIに抜き出させられたら速い。ただし条文は否定形や「〜を上限とする」といった独特の言い回しが多く、要点を取り違えると危険です。全10条の架空の規約で、抽出の正確さを確かめました。

4項目◎
解約・返金・免責・禁止を抽出
条番号も◎
正しい条を指して特定
否定形も◎
「返金しない」を取り違えず

検証方法

料金・禁止事項・解約・返金・免責などを含む全10条の利用規約(架空)を用意し、AIに「解約条件/返金規定/免責/禁止事項」を、該当条番号つきで抜き出させ、元の条文と照合しました。

入力:利用規約の一部(架空) 第5条(禁止事項) 利用者は、本サービスの再販売、リバースエンジニアリング等を行ってはならない。 第7条(解約) 利用者は、解約希望日の1か月前までに書面により通知することで、本契約を解約できる。 第8条(返金) 既に支払われた月額利用料は、月の途中で解約した場合でも日割りによる返金を行わない。 第9条(免責) 当社の責任は、債務不履行・不法行為を問わず、当該事象が発生した月の利用料金を上限とする。

結果:条番号つきで、要点を曲げずに抽出

知りたいこと該当AIが抜き出した要点
解約条件第7条解約希望日の1か月前までに書面で通知すれば解約できる
返金規定第8条支払済みの月額料金は、途中解約でも日割り返金しない
免責第9条当社の賠償責任は、発生した月の利用料金が上限
禁止事項第5条再販売、リバースエンジニアリング等の禁止

特に第8条の「日割り返金を行わない」という否定形を、「返金できる」と逆に取り違えることなく抽出できました。第9条の「〜を上限とする」という責任制限の表現も、金額の上限として正しく要約しています。

わかったこと

  • 知りたい条項を条番号つきで特定できる。「解約は第7条」と根拠を示して抜き出した。
  • 否定形・責任制限の言い回しを正しく捉える。「返金しない」「上限とする」を取り違えなかった。
  • 長文の中から必要な箇所だけ拾える。全文を読まずに要点に当たれる。

この検証と、同じ規約系の別の検証の違い

この記事の結果は、1つの規約に対する1回分です。同じ規約系で、モデルとプロンプトの有無を変えて4条件で採点した検証は、利用規約の要点の抜き出しにあります。採点は正解表の7項目です。

条件(約800字の架空の規約・各1回)得点減点の内容
Opus 5.5・プロンプトあり7/7なし
Opus 5.5・ただ頼んだ7/7なし
Haiku 4.5・プロンプトあり7/7なし
Haiku 4.5・ただ頼んだ6/7規約から読み取れない点を3つ付けた(規約に無い評価として×)

この記事の規約は全10条で、抜き出す項目も解約・返金・免責・禁止事項と異なります。2つの表の得点を直接比べることはできません。

契約書と同じく、法人の登記の書類でも「今も有効な記載か」の取り違えが起こります。履歴事項全部証明書の読み取りでは、現任の役員・退任者・目的・本店の4つの点を確かめています。

正直な限界(重要):AIの抽出は「要約」であって「法的な解釈・助言」ではありません。①「合理的な範囲で」のような曖昧条項の意味、②複数の条文が相互に参照・準用しあう場合の効果、③その条項が法的に有効かどうか(消費者契約法等に照らした判断)は、AIだけで結論を出すべきではありません。重要な契約判断では、抽出結果を出発点として使い、最終的には弁護士など専門家の確認を取るのが安全です。

利用規約・契約書の条項抽出プロンプト(コピーして使えます)

ChatGPT・Gemini・Claudeなどのチャットに、規約の全文と一緒に貼り付けて使う形です。当社が結果を確かめたのはClaudeだけで、ChatGPT・Geminiでの結果は検証していません。

次の利用規約から、以下の4点に当たる条項を探してください。
解約条件/返金の規定/事業者の責任の範囲(免責・賠償の上限)/禁止事項

出力(1項目1行の表):知りたいこと/条番号/原文の引用/要約

ルール:
- 原文の引用は、規約の文をそのまま抜き出し、言い換えない
- 「〜しない」「〜を上限とする」などの否定・制限の言い回しは、要約でも意味が逆にならないようにする
- 該当する条項が無い項目は「該当なし」とする
- 他の条を参照している条項(「第◯条に定める」など)は、参照先の条番号も書く
- 法的に有効かどうかの判断はしない

[ここに規約の全文を貼り付け]

2026年9月の再確認(Claude Opus 5.5)

上のプロンプトで、この記事の規約をもう一度処理させました。

  • 4項目の条番号(第7条・第8条・第9条・第5条)と要点は、6月の結果と同じでした。
  • 原文の引用と要約を並べたことで、第8条の「日割りによる返金を行わない」を要約でも「返金しない」と正しく保ったことが、引用と見比べて確かめられます。
  • 第7条の「書面により通知」について、メールが書面に当たるかは規約からは分からない、と補足した。判断はせず、確認が要る点として示しています。

答えを知っている同じサンプルでの再確認なので、初めて見る規約での精度を示すものではありません。

使うときのコツ

  • 原文の引用を必ず並べさせる。要約だけだと、否定の取り違えに気づけません。引用があれば、読む人がその場で確かめられます。
  • 「該当なし」を許す。無い条項を、似た条文から無理に拾ってくることを防げます。
  • 判断は専門家に回す。抜き出しは読む手間を減らすためのもので、条項が有効かどうか、どう解釈するかは弁護士などに確認します。

まとめ

「解約は第7条」のように条番号つきの根拠で抜き出し、「返金しない」「上限とする」といった否定形・責任制限も取り違えませんでした。長文の下調べが速くなります。ただしこれは「要約」であって「法的解釈」ではありません。曖昧条項の意味や条文の有効性はAIだけで結論を出さず、重要な契約は最終的に専門家の確認を取る前提で使うのが安全です。

よくある質問

契約書や利用規約の「返金しない」のような否定形を、AIは逆に取り違えませんか?

当社の検証(架空の全10条の規約)では、第8条の「日割りによる返金を行わない」を「返金できる」と取り違えず、第9条の「〜を上限とする」も金額の上限として正しく要約しました。9月の再確認では、原文の引用と要約を並べて出させたため、要約が元の意味を保っているかを引用と見比べて確かめられました。ただし答えを知っている同じ規約での確認です。

AIの抽出結果だけで、契約の判断をしてよいですか?

いいえ。AIの抽出は要約で、法的な解釈や助言ではありません。「合理的な範囲で」のような曖昧な条項の意味、複数の条文が互いに参照しあう場合の効果、条項が法的に有効かどうかは、AIだけで結論を出さず、弁護士など専門家に確認します。抽出結果は、確認すべき条項を探す出発点として使います。

「書面により通知」にメールは当たりますか?

9月の再確認で、AIは第7条の「書面により通知」について、メールが書面に当たるかは規約からは分からないと補足し、判断はせず確認が要る点として示しました。当たるかどうかは規約の定めや専門家への確認で決める事柄で、AIの答えを結論にしません。

この検証について
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)が2026年6月に実施した一次検証です。2026年9月25日に、同じサンプルをClaude(Opus 5.5)で再確認し、使ったプロンプトと結果を追記しました。マルチモーダル生成AI(Claudeを使用)に実際のサンプルを処理させ、結果を自社で記録しました。当社は「今日の一皿」「LLM News」「資格問題ドリル」などのAIプロダクトを自社開発・本番運用しています。会社の詳細はトップページをご覧ください。
検証の進め方は実測の進め方をご覧ください。

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