文章校正・チェック

AI校正は誤字を見つけ、正しい固有名詞を「直しすぎない」か

結論(先に)校正は仕込んだ誤り4個を全検出しつつ、正しい固有名詞・専門用語は過剰指摘ゼロでした。手がかりのない裸の社名は誤判定もありえます。

AIに文章校正をさせると、誤字脱字はかなり見つけてくれます。でも実務でいちばん困るのは、正しいのに「誤り」と指摘してくる“過剰指摘”です。固有名詞や専門用語を毎回直されると、かえって手間が増えます。そこで、本当の誤り紛らわしいが正しい表現を意図的に混ぜたビジネス文書を作り、生成AIに校正させて両面から検証しました。

誤り4個
仕込んだ誤りを全部検出
過剰指摘0
正しい固有名詞・専門用語は直さず
2種の罠
誤り+“正しいのに紛らわしい”を混在

検証方法

架空のお知らせ文を作り、本当の誤り(赤)を4箇所と、紛らわしいが正しい表現(青)を2箇所、意図的に仕込みました。これを生成AIに「校正して」と渡し、正しく直せるか・余計な指摘をしないかを見ます。

入力:校正させた文章(架空) お客様各位
平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。さて、弊社のクラウド請求サービス「カイテキ請求」は、以外と多くのお客様にご利用いただいており、この度、機能を大幅に拡張する運びとなりした。つきましては、下記のとおりバージョンアップを実施いたします。なお、メンテナンス中はサービスをを一時停止いたします。新機能では、AIが入力内容の整合性を担保し、転記作業を削減します。ご不明な点は、サポートデスクまでお問合せください。なお、操作方法のお問い合わせは平日のみの対応です。今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

結果:AIの校正

仕込んだ誤り4個を、すべて正しく検出・修正できました。

箇所種類AIの指摘
以外と誤変換→ 意外と
運びとなりした脱字→ 運びとなりました
サービスをを助詞の重複→ サービスを
お問合せ/お問い合わせ表記ゆれ→ どちらかに統一を提案

そして重要なのが過剰指摘がゼロだったこと。紛らわしい2箇所を、正しく「直さない」と判断しました。

  • 「カイテキ請求」(固有名詞)→「快適」の誤記とは扱わず、サービス名として保持。
  • 「担保(する)」(専門用語)→「保証/保障」に直さず、「整合性を担保」という正しい用法と判断。

わかったこと

  • 明らかな誤りの検出は強い。誤変換・脱字・助詞の重複・表記ゆれを取りこぼさなかった。
  • 文脈があれば過剰指摘を避けられる。「弊社サービス『〜』」という手がかりから固有名詞と判断し、専門用語も用法を理解して直さなかった。
正直な限界:過剰指摘を避けられたのは、文中に固有名詞だと分かる手がかり(カギ括弧・「弊社サービス」)があったからです。手がかりなく裸で書かれた社名・商品名・人名は、誤字と誤判定されるリスクがあります。また、表記ゆれは「どちらが正しいか」を文章だけでは決められません(社内ルール依存)。実運用では、固有名詞の辞書登録や表記ルールをAIに与えると、精度と一貫性が上がります。

まとめ

生成AIの校正は、誤字脱字の検出だけでなく、正しい固有名詞・専門用語を“直しすぎない”バランスも取れていました。AI校正で実用上の鍵になるのは、この過剰指摘をどう抑えるか。固有名詞辞書や表記ルールをセットで渡す設計が効きます。

この検証について
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)が2026年6月に実施した一次検証です。マルチモーダル生成AI(Claudeを使用)に実際のサンプルを処理させ、結果を自社で記録しました。当社は「今日の一皿」「LLM News」「資格問題ドリル」などのAIプロダクトを自社開発・本番運用しています。会社の詳細はトップページをご覧ください。

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