議事録・ToDoの整理

議事録をAIで作る精度

5人の定例会議でToDo・決定・見込みの書き分けを実測・プロンプト付き

結論(先に)議事録は散らばったToDoを担当・期限つきで集約し、又依頼も検出、雑談は除外できました。曖昧な期限は勝手に日付に変換しない安全側の挙動でした。

会議の文字起こしは、雑談も脱線も言いっぱなしも全部混じった「ぐちゃぐちゃ」のまま手元に残ります。そこから決定事項とToDoだけを、誰がいつまでにの形で抜き出せたら、議事録づくりは一気に片付く。複数話者・脱線・あちこちに散ったタスク依頼を含む架空の議事録で、どこまで整理できるか試しました。

ToDo 5件
担当・期限つきで正しく抽出
間接依頼も◎
「Aさん経由でBへ」も拾えた
雑談は除外
脱線(雑談)は混入しなかった

検証方法

新機能リリースの定例会議を想定した架空の文字起こし(すべて創作)を作り、AIに「要約・決定事項・ToDo(担当/期限)」を抽出させ、元の発言と照合しました。意図的に、雑談での脱線、間接的なタスク依頼、曖昧な期限表現を混ぜています。

入力:会議の文字起こし(抜粋・架空) 田中:来月7月10日のリリースに向けて。佐藤さん、開発の進捗は?
佐藤:8割がた終わっています。ただ決済まわりのテストがまだで、来週いっぱいかかりそうです。
鈴木:ベータのフィードバック、今週金曜にはまとめます。
田中:リリースノートは?/佐藤:私が3日前までに。
田中:そういえば昨日のカレー美味しかったね/鈴木:駅前の新しいとこですよね(※雑談)
田中:マーケ告知は?/佐藤:マーケの山田さんに振っておきます。告知は当日朝で。
鈴木:価格表の更新も。前回揉めたので。/田中:それは私がリリースまでに。

結果:AIの抽出

要約:7月10日の新機能リリースに向けた進捗確認。開発は8割完了、決済まわりのテストが来週まで。ベータFB・リリースノート・マーケ告知・価格表更新の担当と期限を整理した。

決定事項:リリース日は7月10日/マーケ告知はリリース当日の朝に実施。

担当タスク期限
佐藤決済まわりのテスト来週いっぱい
鈴木ベータ版フィードバックのまとめ今週金曜
佐藤リリースノート作成リリースの3日前まで
佐藤マーケ(山田)へ告知を依頼告知はリリース当日朝
田中価格表の更新リリースまで

わかったこと

  • 散らばったToDoを担当・期限つきで集約できた。会話のあちこちに散った依頼を、5件の表に整理。
  • 間接的な依頼も拾えた。「佐藤さんから山田さんに連絡」という“又依頼”を、佐藤のタスクとして正しく抽出。
  • 雑談を除外できた。カレーの脱線はToDoにも要約にも混入しなかった。
  • 曖昧な期限を勝手に確定しない。6月の検証では「来週いっぱい」「今週金曜」を無理に日付変換せず、原文の表現を保持した(誤った日付を作らない点で安全)。9月に追加したプロンプトでは、原文の表現を残したうえで「推定:◯月◯日」を括弧で添える形にしています。

長い文書を字数に収めたときに要点が落ちる様子はAIの要約で落ちる要点の実測、会議後に残ったホワイトボードの写真を文字にする場合はホワイトボードの写真の文字起こしで確かめています。

正直な限界:今回は担当が比較的はっきり発言される議事録でした。「誰かやっといて」のように担当が曖昧な発言、暗黙の前提、聞き取れない箇所(音声文字起こしの誤変換)が多いと、AIが担当を取り違えたり、推測で埋めたりするリスクがあります。実運用では、抽出結果を会議参加者が最後に確認するフローとセットで使うのが安全です。

追加検証:5人の定例会議の議事録(4条件)

2026年9月25日、もう少し紛らわしい会議で確かめ直しました。ToDoが5件(うち1件は担当が決まらなかったもの)あり、いったん賛成されて撤回された決定、済んでいる報告、「早くて〜になりそう」という見込み、雑談を混ぜています。これを答えを知らない状態のClaudeに、モデル(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)と依頼の仕方(「議事録を作ってください」とだけ頼む/下の議事録プロンプトを使う)の4条件で1回ずつ作らせました。

石井:では定例を始めます。今日は10月5日です。まず展示会の件から。
大野:11月20日の展示会、ブースの申し込みは済みました。パンフレットの原稿は私が今週中に作ります。
石井:印刷はどうする?
大野:印刷会社への発注は小林さんにお願いできますか。
小林:はい、原稿をもらったら翌営業日に発注します。
石井:デモ機は?
川口:新バージョンを載せる予定ですが、テストが終わるのは早くて11月第2週になりそうです。
石井:間に合わなければ現行版でいこう。それで決定で。
森:来場者リストの管理は、去年はExcelでしたが、今年はCRMに直接入れたいです。
石井:いいね。……いや、やっぱりCRMは来年にしよう。今年は去年と同じExcelで。
森:わかりました。じゃあExcelのひな形は私が来週月曜までに用意します。
川口:そういえば、昨日の台風で駅が大変でしたね。
小林:電車が1時間止まってました。
石井:話を戻そう。ノベルティは?
大野:予算次第です。誰か見積もりを取ってもらえると助かるんですが。
石井:じゃあ見積もりは……後で決めよう。
森:あと、先方の田中様から、デモの日程を前倒しできないかと連絡がありました。
石井:川口さん、テストの状況を見て、今週金曜までに田中様へ返事してもらえる?
川口:了解です。
石井:次回の定例は10月19日。以上です。
担当ToDo(正解)期限(発言)
大野パンフレットの原稿作成今週中
小林印刷会社への発注原稿を受け取った翌営業日
森来場者リストのExcelのひな形来週月曜まで(10月12日)
川口デモ日程について田中様へ返事今週金曜まで(10月9日)
担当未定ノベルティの見積もり未定(「後で決めよう」)

文字起こしには、議事録に入れてはいけない話が4つ混ざっています。1つ目は撤回されたCRM(顧客管理システム)への切り替えで、決定にもToDoにも入れません。2つ目は大野さんが「誰か」に頼んだノベルティの見積もりで、大野さんの担当にはしません。3つ目は済んでいるブースの申し込みで、ToDoにも決定にもしません。4つ目は台風の雑談です。

条件ToDo(担当・期限)ひっかけの扱い見込みの区別期限の日付
Opus 5.5・プロンプトあり5 / 54つとも正しい。撤回の経緯も決定事項に注記「見込み」として分けた10月9日・10月12日と推定。年が書かれていない前提も明記
Opus 5.5・ただ頼んだだけ5 / 5(ノベルティは「未決事項」)4つとも正しいデモ機の項目の中で「見込み」と明記した日付には直さなかった
Haiku 4.5・プロンプトあり5 / 5済んでいるブースの申し込みを決定事項に入れた「早くて」が落ち、決定事項の中に混ざったルールで求めたのに推定日付を付けなかった
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ4件+ノベルティは「後日決定」と記載4つとも決定・ToDoに入れなかった(ノベルティは担当を割り当てず)「早くて」が落ち、「完了予定は11月第2週」になった日付には直さなかった
  • ToDoの担当と期限は、4条件すべてでほぼ正しかった。撤回されたCRMをToDoに入れた条件も、ノベルティの見積もりを大野さんに割り当てた条件もありませんでした。
  • 差が出たのは「見込み」の扱い。Haiku 4.5は2条件とも「早くて〜になりそう」を「予定」に言い換え、決定と見込みの区別が消えました。
  • 今回の1回では、Haiku 4.5がルールを2つ守らなかった。プロンプトの「見込みを分ける」「日付を推定で添える」が出力に反映されませんでした。どのモデルでも、ルールが守られたかは出力を見て確かめる必要があります。

項目ごとの要点(4条件・各1回の実測)

確かめた項目Opus 5.5(2条件)Haiku 4.5(2条件)
ToDoの担当と期限2条件とも5 / 5プロンプトありは5 / 5、ただ頼んだだけは4件+ノベルティは「後日決定」
撤回されたCRMの扱い2条件とも決定・ToDoに入れなかった2条件とも決定・ToDoに入れなかった
済んでいるブースの申し込み2条件とも正しく扱ったプロンプトありは決定事項に入れた
「早くて〜」の見込み2条件とも「見込み」と区別した2条件とも落ち、予定・決定に混ざった

取り違えた例と、直せた例の対比

上の4条件の採点記録から、議事録に残してはいけない形になった2か所と、正しく扱えた同じ場面を並べます。この検証は回答の原文を保存していないため、右の2列は採点記録の要約で、回答のかぎかっこ引用ではありません。

文字起こしの発言取り違えた例(悪い例)正しく扱えた例(直した形)
「テストが終わるのは早くて11月第2週になりそうです」(川口さん)Haiku 4.5は2条件とも「早くて」を落とし、決定事項や予定に混ぜた。ただ頼んだ条件では「完了予定は11月第2週」と書いたOpus 5.5は2条件とも「見込み」と区別した(ただ頼んだ条件ではデモ機の項目の中で「見込み」と明記した)
「ブースの申し込みは済みました」(大野さん)Haiku 4.5のプロンプトありは、済んでいる報告を決定事項に入れたOpus 5.5の2条件と、Haiku 4.5のただ頼んだ条件は、決定にもToDoにも入れなかった

どちらも、読んだだけでは気づきにくい形です。見込みが予定に変わると、後から「11月第2週に終わると決まっていた」と受け取られます。送る前に、決定事項の欄へ「見込み」「済んだ報告」が入っていないかを、文字起こしの発言と照らして確かめてください。

人が直す確認の順番(4ステップ)

  1. 決定事項の欄だけを先に読む。「早くて」「〜になりそう」「〜の予定」が元の発言にある項目は、見込みの欄へ移します。
  2. 「済みました」「終わりました」の報告が入っていないか見る。済んだ報告は、決定にもToDoにも残しません。
  3. ToDoの担当を発言と照らす。「誰か」に頼んだだけの項目は担当未定に戻します。
  4. 撤回された話が残っていないか見る。経緯を残すなら、決定ではなく注記にします。
直す前(この検証で出た形)直した後
「完了予定は11月第2週」(決定・予定の欄)見込み:テストの完了は早くて11月第2週(川口さんの発言)
決定事項:ブースの申し込み決定事項から削除(大野さんの「済みました」は報告)

1つの会議・各条件1回の結果で、精度を保証する数字ではありません。文字起こしと正解は当社が作り、ChatGPT・Geminiでは試していません。

議事録の要約・ToDo抽出プロンプト(コピーして使えます)

ChatGPT・Gemini・Claudeなどのチャットに、会議の文字起こしと一緒に貼り付けて使う形です。当社が結果を確かめたのはClaudeだけで、ChatGPT・Geminiでの結果は検証していません。

次の会議の文字起こしから、議事録を作ってください。

出力:
1. 要約(3文以内)
2. 決定事項(会議で合意されたことだけ)
3. ToDo表:担当/やること/期限/根拠になった発言

ルール:
- 雑談や本題と関係ない発言は、要約にもToDoにも入れない
- 「〜さんに振っておきます」のような又頼みは、振る人のToDoとして書き、振られる人は備考に書く
- 期限は発言の言葉をそのまま書く。日付に直せる場合だけ、括弧で「推定:◯月◯日」と添える
- 「〜かかりそう」「〜の予定」のような見込みは、決定事項と分けて「見込み」と書く
- 担当がはっきりしないタスクは「担当未定」とし、推測で人を割り当てない

[ここに文字起こしを貼り付け]

2026年9月の再確認(Claude Opus 5.5)

上のプロンプトを使い、この記事で見せた会議の文字起こしを、もう一度AIに処理させて議事録を作らせました。

  • ToDo 5件と担当は、6月の結果と同じでした。又頼み(佐藤さんから山田さんへの告知依頼)も佐藤さんのToDoとして出ています。
  • 「決済まわりのテスト(来週いっぱい)」を「見込み」と区別した。発言は「かかりそう」で、締め切りの約束ではないためです。
  • リリースノートの期限に「推定:7月7日」を添えた。リリース日7月10日の3日前として計算したもので、日付に直した根拠も示しました。
  • カレーの雑談は、要約にもToDoにも入りませんでした。

答えを知っている同じサンプルでの再確認なので、初めて見る会議での精度を示すものではありません。

議事録テンプレート(上のプロンプトの出力の形)

AIに作らせる場合も、手で書く場合も使える形です。この記事の検証で分かった「決定と見込みを分ける」「ToDoに根拠の発言を添える」の2点を、欄として入れています。

議事録

会議名:
日時:  年 月 日( ) : 〜 :
場所・方法:
参加者:
記録者:

1. 要約(3文以内)


2. 決定事項(会議で合意されたことだけ)
・

3. 見込み・未確定のこと(「〜かかりそう」「〜の予定」など)
・

4. ToDo
| 担当 | やること | 期限(発言のまま) | 根拠になった発言 |
|  |  |  |  |

5. 次回の予定
日時:
議題:

使うときのコツ

  • 決定と見込みを分けさせる。「かかりそう」を締め切りとして議事録に残すと、後で言った・言わないの原因になります。
  • 根拠の発言を並べさせる。ToDoの横に元の発言があれば、参加者が確認するときに文字起こしを読み直さずに済みます。
  • 日付への変換は「推定」と明示させる。「3日前」のような相対的な期限は、元の日付が変わると一緒にずれます。

よくある質問

議事録には何を書けばよいですか?

このページのテンプレートでは、会議名・日時・場所・参加者・記録者のほか、要約、決定事項、見込み・未確定のこと、ToDo(担当・やること・期限・根拠になった発言)、次回の予定を書きます。決まったことと見込みを別の欄に分けておくと、後で言った・言わないの行き違いを防げます。

AIに議事録を作らせると、ToDoの担当と期限は間違えますか?

当社の検証(5人の定例会議・各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、ToDoの担当と期限はほぼ正しく抜き出せました。撤回された決定をToDoに入れた条件も、担当が決まっていないノベルティの見積もりを特定の人に割り当てた条件もありませんでした。ただし1回ずつの結果で、精度を保証するものではありません。

AIの議事録で、決定と見込みは区別されますか?

区別されないことがありました。Haiku 4.5は2条件とも、「テストが終わるのは早くて11月第2週になりそう」という見込みを予定や決定に言い換えました。Opus 5.5は2条件とも「見込み」として区別しました。見込みを別の欄に分けるプロンプトを使っても、Haiku 4.5では守られなかったため、出力で確かめる必要があります。

議事録の期限は、AIに日付へ直させてよいですか?

原文の表現(「今週金曜まで」など)を残したうえで、日付は「推定」と明示させるのが安全です。今回の検証では、プロンプトを使ったOpus 5.5は10月9日・10月12日と推定し、年が書かれていない前提も添えました。Haiku 4.5はルールで求めたのに推定日付を付けませんでした。

ChatGPTやGeminiでも同じ結果になりますか?

分かりません。当社の検証はClaude(Opus 5.5・Haiku 4.5)だけで、ChatGPTとGeminiでは試していません。文字起こしと正解も当社が作ったもので、実際の会議では担当が曖昧な発言や聞き取れない箇所が増えるため、最後に参加者が確認する流れとセットで使うのが安全です。

この検証について
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)が2026年6月に実施した一次検証です。2026年9月25日に、同じサンプルをClaude(Opus 5.5)で再確認し、使ったプロンプトと結果を追記しました。マルチモーダル生成AI(Claudeを使用)に実際のサンプルを処理させ、結果を自社で記録しました。当社は「今日の一皿」「LLM News」「資格問題ドリル」などのAIプロダクトを自社開発・本番運用しています。会社の詳細はトップページをご覧ください。
検証の進め方は実測の進め方をご覧ください。

会社法にもとづく決議を記録する議事録は、ふつうの会議の議事録とは書くべき事項が変わります。取締役会議事録の書き方と株主総会議事録の書き方は、要点メモをAIに書かせた実測とあわせて別の記事にまとめています。

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