自動車税の納税通知書をAIに読ませて検算させる精度検証
納期限・課税年度・税額の取り違えと、納付すべき額の食い違いを確認
自動車税の納税通知書には、課税年度・賦課期日(この日現在の所有者に課税される日)・納期限・税額・前年度の税額など、似た日付と金額が並びます。AIに表へまとめさせたときに、これらを取り違えないか、納付すべき額が内訳と合わないことに気づけるか、書いていない欄を埋めないかを確かめました。
検証方法
当社で架空の納税通知書を作りました。氏名・番号・金額はすべて架空で、実在の人物とは関係ありません。金額は実際の税額の計算ではなく、画像ではなく文字で渡しています。
- 仕込んだ食い違い:種別割の税額は30,500円で減免額は空欄なのに、納付すべき額(合計)を31,500円と書き、1,000円合わない状態にしてある。
- 取り違えやすい並び:賦課期日(令和8年4月1日)、納期限(令和8年6月1日)、参考欄の車検証の有効期間の満了日(令和9年1月20日)、参考欄の前年度の税額(30,500円)を近くに置いた。
- 空欄:減免額は金額が書かれていない。
自動車税(種別割)納税通知書(架空) 令和8年度 自動車税(種別割)納税通知書 通知書番号 0123-456789 納税義務者 見本 花子 さん 登録番号 品川 300 さ 12-34 車名 サンプル・コンパクト 用途 乗用 総排気量 1.496リットル 賦課期日(この日現在の所有者に課税) 令和8年4月1日 納期限 令和8年6月1日 【税額の内訳】 種別割の税額 30,500円 減免額 前年度の税額(参考) 30,500円 納付すべき額(合計) 31,500円 【車検証の情報(参考)】 有効期間の満了する日 令和9年1月20日
答えを知らないClaude(Opus 5.5・Haiku 4.5)に、ツールを使わせず、サンプルと依頼文だけを渡しました。依頼文は2通りで、「表にまとめてください」だけの場合と、下のプロンプト(取り違えの注意・検算・空欄の扱いを指示)を付けた場合です。計4回(各1回)。「13件」は、課税年度・通知書番号・納税義務者・登録番号・車名と用途・総排気量・賦課期日・納期限・種別割の税額・減免額・前年度の税額・納付すべき額・車検証の満了日を、正解表と1件ずつ照合した数です。
結果:転記と食い違いの指摘
| 条件 | 13件の転記 | 仕込んだ食い違い | そのほか |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・依頼文は表にまとめるだけ | 13 / 13件正確 | 納付すべき額31,500円が内訳の30,500円と1,000円合わないと指摘 | 減免額は空欄のまま表示。車検証の満了日は参考欄として別に表示 |
| Haiku 4.5・依頼文は表にまとめるだけ | 13 / 13件正確 | 納付すべき額31,500円が内訳と合わず、差額1,000円の内訳は分からないと指摘 | 減免額は「記載なし(空欄)」と表示。税率や税額の正しさは判断していないと明記 |
| Opus 5.5・検算と空欄の指示つき | 13 / 13件正確 | 計算が合わないと指摘。前年度の税額を足しても説明がつかないことまで確認 | 減免額は空欄と表示。通知書に無い4行(住所・初度登録年月・納付場所・発行元)を「空欄(記載なし)」として表に足した |
| Haiku 4.5・検算と空欄の指示つき | 13 / 13件正確 | 差は1,000円で合わないと指摘 | 減免額は空欄と表示し、0円とは書かれていないと明記。車検証の満了日は税額と関係しないと整理 |
わかったこと
- 転記は4回とも13件すべて正確だった。納期限と賦課期日、車検証の満了日を取り違えた回はありませんでした。前年度の税額を今年度の請求に足した回もありません。
- 仕込んだ食い違いは4回とも指摘された。依頼文に検算の指示がない場合も、2つのモデルとも自分から合計の不一致に触れました。
- 減免額の空欄は4回とも埋めなかった。「0円」と書いた回はなく、「空欄」「記載なし」で示されました。
- 検算の指示の効果は、この検証では測れなかった。指示なしの依頼文でも満点だったためです。
- 指示つきのOpus 5.5は、通知書にない項目の行を表に足した。住所・初度登録年月・納付場所・発行元の4行を「空欄(記載なし)」として載せました。値を作り出したわけではありませんが、記載のない欄は空欄と書く指示に引きずられて、元の書類に無い欄まで表に出ています。
- 税額の正否には踏み込まなかった。Haiku 4.5は両方の回で、税率や税額の正しさは文書だけでは判断できないと断っています。指示つきのOpus 5.5は、税額が初度登録の時期で変わるが通知書に記載がないため判断しないと述べました。
実際に出た書き足しと、通知書のとおりに直した表
指示つきのOpus 5.5が出した表から、通知書に無い行を抜き出して、直した表と並べます。左は回答の原文のままです。
| 悪い例(回答の原文の表の行) | 直した例 |
|---|---|
| 「| 納税義務者の住所 | 空欄(記載なし) |」 「| 初度登録年月 | 空欄(記載なし) |」 「| 納付場所・納付方法 | 空欄(記載なし) |」 「| 発行元(都道府県・税事務所) | 空欄(記載なし) |」 | この4行を表から外す。通知書にこれらの欄は無い。空欄として示すのは、通知書に欄があって金額が書かれていない「減免額」のような項目だけにする |
納税通知書の読み取り・検算プロンプト
上の自動車税の納税通知書の内容を項目ごとに表にまとめ、税額・納期限・課税年度を取り違えないようにし、内訳と納付すべき額が合っているか検算してください。記載のない欄は、推測で埋めずに空欄と書いてください。
使うときのコツ
- 納期限と税額は自分でも通知書と見比べる。今回は4回とも正しく転記されましたが、各条件1回の結果です。
- 合計が合わないと言われたら、支払う前に発行元へ確認する。どの数字が正しいかはAIには決められません。今回は4回中3回の回答が、税事務所などの発行元への確認を勧めていました(勧めていないのは、Haiku 4.5・依頼文が表にまとめるだけの回)。
- 表に載った項目が、元の書類にあるかを確かめる。空欄の指示を付けると、書類に無い欄まで「空欄」の行として出ることがあります。
まとめ
架空の自動車税納税通知書では、Opus 5.5・Haiku 4.5ともに、13件の転記と、納付すべき額に仕込んだ食い違いの指摘が4回とも正確でした。差がつく条件は、画像の読み取りや複数台分の通知書など、今回より難しい設定で探す必要があります。AIの検算結果は、納期限と納付すべき額を通知書と自分でも見比べる前提で使うのが安全です。
よくある質問
自動車税の納税通知書を、AIに表へまとめさせて検算させて大丈夫ですか。
この検証では、Opus 5.5とHaiku 4.5のどちらも、架空の通知書の13件の項目を4回とも正確に転記し、納付すべき額に仕込んだ1,000円の食い違いを4回とも指摘しました。ただし文字で渡した1つのサンプル・各条件1回の結果です。実物の通知書の画像や、税額そのものの正否は確かめていません。
車検証の有効期間の満了日を、納期限と取り違えませんか。
この検証では、納期限の近くに車検証の満了日を並べましたが、4回とも取り違えませんでした。
この通知書は実在のものですか。
いいえ。氏名・番号・金額はすべて当社が作った架空のデータで、実際の税額の計算ではありません。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月14日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。