アンケート分析

アンケートの自由記述、AIはどこまで分類・集計できるか

結論(先に)アンケートの自由記述を8分類に整理し、複合意見の分解・要望抽出までできました。結果はカテゴリ設計とルールの与え方に依存します。

アンケートの自由記述は、数が多いと読むだけで一苦労。生成AIにカテゴリ分類・感情判定・集計をさせれば、いわゆるVOC分析(顧客の声の分析)が一気に進みます。でも、「料理は良いが接客は悪い」のような複合的な意見や、「また来ます」のような曖昧な意見をどう扱うのか。架空の顧客アンケート12件で実際に検証しました。

12件→8分類
自由記述を8カテゴリに整理
複合も分解
1件に2つの観点も正しく分割
要望2件抽出
改善要望を別途ピックアップ

検証方法

飲食店を想定した架空の自由記述12件を用意し(明確な意見・複合的な意見・曖昧な意見を混在)、AIに「カテゴリ分類」「感情(ポジ/ネガ/中立)」「集計」「要望の抽出」をさせて、妥当性を見ました。

入力:自由記述(架空・全12件) ①料理はとても美味しかった。ただ、呼んでも店員さんがなかなか来なかった
②コスパが良い。この値段でこのボリュームは満足
③また絶対来ます!
④予約の電話が繋がりにくい。ネット予約があると助かる
⑤店内が清潔で、席もゆったりしていて居心地が良かった
⑥味は普通。可もなく不可もなく
⑦BGMが大きすぎて会話しづらかった
⑧スタッフが子ども連れに気を配ってくれて嬉しかった
⑨料金が分かりにくい。メニューに税込価格を書いてほしい
⑩全体的に満足だが、トイレが少し古い
⑪提供が遅く、30分以上待った
⑫美味しかった

結果:AIの分類

複合的な記述は、きちんと2つの観点に分解されました(下表の★)。

記述カテゴリ感情
①料理は美味しい/店員が来ない ★料理 + 接客ポジネガ
②コスパが良い価格ポジ
③また絶対来ます!総合(特定カテゴリなし)ポジ
④予約が繋がりにくい/ネット予約希望予約(+要望)ネガ
⑤清潔で居心地が良い環境ポジ
⑥味は普通料理中立
⑦BGMが大きすぎる環境ネガ
⑧子連れに配慮してくれた接客ポジ
⑨料金が分かりにくい/税込表示希望価格(+要望)ネガ
⑩満足だがトイレが古い ★総合 + 設備ポジネガ
⑪提供が遅い(30分待ち)提供速度ネガ
⑫美味しかった料理ポジ

カテゴリ別に集計すると、改善の優先度が見えてきます。

カテゴリポジネガ/中立
料理2(①⑫)中立1(⑥)
接客1(⑧)ネガ1(①)
価格1(②)ネガ1(⑨)
環境1(⑤)ネガ1(⑦)
予約0ネガ1(④)
設備0ネガ1(⑩)
提供速度0ネガ1(⑪)
総合2(③⑩)

さらに、改善に直結する要望として「ネット予約の導入」「メニューに税込価格を表示」の2件を、意見の中から拾い出せました。

わかったこと

  • 複合的な意見を分解できる。「料理ポジ+接客ネガ」を1件のまま潰さず、2つの観点に分けて集計した。
  • 曖昧な意見の置き場を作れる。「また来ます」を特定カテゴリに無理やり入れず「総合」に分類した。
  • 要望を別軸で抽出できる。感情とは別に「改善要望」をピックアップできた。
正直な限界:分類の結果はカテゴリ設計とルールの与え方に大きく依存します。「カテゴリを事前に決めて渡す」か「AIに作らせる」かで結果が変わり、「1件を複数カテゴリに分けてよいか」を指定しないと集計の母数がブレます。また「味は普通」を中立とするか軽いネガとするかのような境界の判断は主観が残ります。実運用では、カテゴリ定義と判定ルールを固定し、サンプルで人とすり合わせてから回すのが安全です。

まとめ

自由記述の分類・集計は、生成AIがかなり実用的にこなせました。とくに複合意見の分解要望の抽出は、手作業だと骨が折れる部分です。鍵は、カテゴリとルールを最初にきちんと定義すること。ここを決めれば、毎月のアンケート集計を大きく省力化できます。

この検証について
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)が2026年6月に実施した一次検証です。マルチモーダル生成AI(Claudeを使用)に実際のサンプルを処理させ、結果を自社で記録しました。当社は「今日の一皿」「LLM News」「資格問題ドリル」などのAIプロダクトを自社開発・本番運用しています。会社の詳細はトップページをご覧ください。

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