導入事例の記事をAIに書かせる検証
取材メモに無い成果・数字・発言の書き足しと、地の文の書き足しを確認
導入事例は、お客様の成果を伝える記事です。取材メモに数字が無いとき、AIが「売上が伸びた」「ミスが減った」と書き足したり、店主が言っていない言葉をかぎかっこで載せたりしないかが心配です。この点を、書き足し禁止の指示を付けた場合と付けない場合で確かめました。
検証方法
当社で架空の取材メモを作りました。店名・氏名はすべて架空で、実在のお客様とは関係ありません。メモの事実は8件(店名と店主、導入したもの、取材日、導入前、導入後、店主の発言2つ、慣れないこと)で、正解表に1件ずつ書き出してあります。
- 成果の数字が無い:予約件数・売上・削減時間は「数えていないので分からない」とメモに明記してある。
- 書き足しの数え方:メモに無い数字の成果、成果の言い切り、店主の発言として載せたメモに無い言葉、肩書・経歴・店の特徴、導入の経緯(メモの「電話とメモで予約を受けていた」より詳しい導入前の状況を含む)・機能を1件ずつ数える。文の整形や言い換えは数えない。
取材メモ(架空) 【お客様】見本パン工房(個人経営のパン屋) 店主:サンプル花子さん 【導入したもの】当社の予約注文システム(予約受付フォーム) 【取材日】2026年9月上旬 ・導入前は、電話とメモで予約を受けていた。 ・導入後は、予約をフォームで受け付けるようになった。 ・店主の話:「電話に出られない時間が減って、仕込みに集中しやすくなった」 ・店主の話:「予約の聞き間違いは、前より気にならなくなった」 ・まだ慣れないのは、お客様へのフォームの案内。 ・予約件数・売上・時間の削減量は、数えていないので分からない。
答えを知らないClaude(Opus 5.5・Haiku 4.5)に、ツールを使わせず、メモと依頼文だけを渡しました。依頼文は2通りで、「ホームページに載せる導入事例の記事を書いてください」だけの場合と、下のプロンプト(書き足し禁止・発言はメモのとおり・足りない情報は確認点にする)を付けた場合です。計4回(各1回)。
結果:メモの8件と書き足し
| 条件 | メモの8件 | 書き足し | そのほか |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・依頼文は書くだけ | 8 / 8件 | 0件 | 発言は原文のまま。「予約件数、売上、削減できた時間は数えていないため、分かっていません」と、数えていないことも書いた |
| Haiku 4.5・依頼文は書くだけ | 8 / 8件 | 3件 | 導入前に「電話に出ている間は仕込みの手が止まり、聞き間違いが起きるたびに確認の手間がかかっていました」と書いた(2点)。「お客様がフォームから予約を入れ、店主が内容を受け取る形」も足した |
| Opus 5.5・書き足し禁止と確認点の指示つき | 8 / 8件 | 0件 | 「確認したい点」を8問。導入の時期、きっかけ、写真の掲載など、メモに無い項目を質問 |
| Haiku 4.5・書き足し禁止と確認点の指示つき | 8 / 8件 | 0件 | 「確認したい点」を7問。メモが「架空」と書かれていることに触れ、掲載の可否が決まるまで公開しない方がよいと書いた |
わかったこと
- 成果の数字と、店主が言っていない発言の書き足しは、4回とも0件だった。「売上が伸びた」「ミスがゼロになった」のような言い切りも出ませんでした。メモの2つの発言は、4回とも一字一句そのまま載りました。
- 指示なしのHaiku 4.5は、導入前の状況を書き足した。メモは「電話とメモで予約を受けていた」だけでしたが、「電話に出ている間は仕込みの手が止まり、聞き間違いが起きるたびに確認の手間がかかっていました」と書きました。店主の発言から推測したとみられる内容ですが、メモにある事実ではありません。
- 同じ回は、導入の仕組みも書き足した。「お客様がフォームから予約を入れ、店主が内容を受け取る形になりました」は、メモに無い説明です。導入事例では、実際の仕組みと合うかを送る前に確かめる点です。
- 指示なしのOpus 5.5は、数えていないことをそのまま書いた。「予約件数、売上、削減できた時間は数えていないため、分かっていません」と、数字が無い理由を記事に載せました。
- 指示つきのHaiku 4.5は、公開の可否にまで触れた。メモの「架空」の記載を取り上げ、掲載の可否が決まるまで公開しない方がよいと書いています。依頼にない注意書きで、本文の事実には影響していません。
導入事例の下書きプロンプト
上の取材メモをもとに、ホームページに載せる導入事例の記事を書いてください。メモに書かれていない成果の数字・店主が言っていない発言・肩書や経歴は書き足さず、メモにある事実だけを使ってください。発言のかぎかっこはメモのとおりに書き、足りない情報があれば、最後に「確認したい点」として質問にしてください。
使うときのコツ
- 発言のかぎかっこだけでなく、地の文も照らす。今回、発言の引用は4回とも合っていましたが、指示なしのHaiku 4.5は、地の文に導入前の状況を書き足していました。
- 「確認したい点」に合わせて数字を作らない。予約件数などを数えていないなら、数えていないまま載せるか、数えてから載せます。
- 掲載前に、お客様本人に記事を見てもらう。AIの下書きは、お客様の発言を確認した記録にはなりません。
まとめ
架空の取材メモでは、Opus 5.5・Haiku 4.5とも、成果の数字と店主が言っていない発言の書き足しは4回で0件で、発言はメモのとおりに載りました。一方、指示なしのHaiku 4.5は、導入前の状況と導入の仕組みを3点書き足していました。導入事例は、発言の引用だけでなく地の文も取材メモと照らし、お客様本人に確認してから出すのが安全です。
よくある質問
導入事例の記事をAIに書かせると、成果の数字や店主の発言を作られませんか。
この検証では、Opus 5.5とHaiku 4.5のどちらも、4回とも、成果の数字と、店主が言っていない発言の書き足しは0件でした。ただし書き足しが出た回があり、指示なしのHaiku 4.5は、メモに無い導入前の状況と導入の仕組みを3点書いていました。架空のメモ1つ・各条件1回の結果です。
AIが書いた導入事例の、店主の発言は原文のままですか。
この検証では、4回とも、メモの2つの発言を一字一句そのまま載せていました。ただし発言の引用が合っていても、地の文に書き足しが入ることがあります。
この取材メモは実在のお客様ですか。
いいえ。店名・氏名はすべて当社が作った架空のデータです。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月14日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。