履歴事項全部証明書の読み取り(現任の役員・退任者・目的・本店)
会社の履歴事項全部証明書をAIで読み取ったときの現任と退任の取り違えと書き足しの実測・プロンプト
履歴事項全部証明書で確かめたい4つの点
履歴事項全部証明書は、法務局で取得できる会社の登記の証明書です。法務省の「商業・法人登記Q&A」では、履歴事項証明書は、現在事項証明書の記載事項に加えて、請求のあった日の3年前の日の属する年の1月1日から請求の日までの間に抹消された事項などを記載したもの、と説明されています。法務省が公表している記載例では、下線のあるものは抹消事項であることを示す、と注記されています。そのため、その期間に抹消されたものであれば、現在の役員と退任した役員、現在の目的と抹消された目的が、同じ証明書に並んで載ります。取り違えが起きやすい4つの点を、今回の架空の証明書に当てて整理します。実際の証明書は、会社ごとに記載の項目や並びが違います。
| 確かめたい点 | 見るところ | 今回の架空の書類 |
|---|---|---|
| 現在の役員 | 抹消の印が付いていない役員と、その役職 | 取締役3名(田中 一郎・佐藤 花子・鈴木 健)、代表取締役1名(田中 一郎)、監査役1名(中村 浩) |
| 退任した役員 | 抹消の印が付いた行のうち、辞任・退任などの原因と日付があるもの | 高橋 守(取締役の辞任と代表取締役の退任、令和6年6月25日)、山本 清(監査役の辞任、令和5年3月31日) |
| 目的 | 現在の項目の数と、抹消された項目 | 現在は4項目。抹消されたのは「医療機器の販売」 |
| 本店・資本金 | 現在の本店と、抹消された旧本店 | 現在は東京都港区芝浦(令和6年9月2日移転)、旧本店は東京都渋谷区神南。資本金1000万円 |
AIで履歴事項全部証明書の内容を整理したときの実測
下の架空の履歴事項全部証明書を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の履歴事項全部証明書を読んで、現在の役員・退任した役員・現在の目的・本店・資本金をまとめてください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつまとめさせました(2026年10月12日)。証明書には、同じ人が取締役と代表取締役の両方で抹消されている役員、監査役の交代、抹消された旧目的と旧本店を入れています。実際の証明書は下線で抹消事項を示しますが、ここでは文字にして【抹消】と付けています。実際の証明書の画像ではないため、画像の読み取り精度の検証ではありません。
履歴事項全部証明書(架空) 会社法人等番号 0000-00-000000 商号 株式会社みなとテック 本店 東京都港区芝浦一丁目1番1号 令和6年9月2日移転 令和6年9月10日登記 【抹消】本店 東京都渋谷区神南一丁目2番3号 会社成立の年月日 平成27年4月1日 資本金の額 金1000万円 発行済株式の総数 200株 目的 1.業務用ソフトウェアの企画、開発及び販売 2.情報処理システムの保守及び運用の受託 3.経営に関するコンサルティング業務 4.前各号に附帯する一切の業務 令和5年6月20日変更 令和5年6月28日登記 【抹消】3.医療機器の販売 役員に関する事項 取締役 田中 一郎 令和6年6月25日重任 令和6年7月1日登記 取締役 佐藤 花子 令和6年6月25日重任 令和6年7月1日登記 取締役 鈴木 健 令和6年6月25日就任 令和6年7月1日登記 【抹消】取締役 高橋 守 令和6年6月25日辞任 令和6年7月1日登記 東京都品川区東五反田二丁目3番4号 代表取締役 田中 一郎 令和6年6月25日就任 令和6年7月1日登記 【抹消】東京都世田谷区桜三丁目5番6号 代表取締役 高橋 守 令和6年6月25日退任 令和6年7月1日登記 監査役 中村 浩 令和5年3月31日就任 令和5年4月5日登記 【抹消】監査役 山本 清 令和5年3月31日辞任 令和5年4月5日登記 ※【抹消】は、抹消された事項であることを示す。
採点は8項目です。①現在の取締役3名(高橋 守を入れない) ②現在の代表取締役は田中 一郎のみ ③現在の監査役は中村 浩のみ ④退任した役員として高橋 守と山本 清を書く ⑤現在の目的4項目を落とさず、「医療機器の販売」を現在に入れない ⑥本店は港区芝浦で、旧本店を現在にしない ⑦資本金1000万円が正しい(会社成立の年月日は、書いた場合に平成27年4月1日であること。依頼には入れていないため、書かなくても減点しない) ⑧証明書に無い事項を書き足さない(登記の仕組みの説明、評価、助言、有効期限や使い道の説明、役員の任期や住所の補い、証明書に書かれていない「記録は無い」といった断定)。見出しや「証明書によると」の前置きは数えていません。
| 条件 | 8項目 | まとめた内容 | 証明書に無い書き足し |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・プロンプトあり | 8 / 8 | 現在の役員・退任した役員・現在の目的・本店・資本金が原文のとおり。【抹消】の事項は「退任した役員」「旧目的」「旧本店」に分けて書いた | なし |
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 7 / 8(⑧×) | ①〜⑦は原文のとおり。高橋 守を取締役と代表取締役の2行で退任に入れた | あり。「この証明書には、資本金が変わった記録はありません」と書いた。ほかに、代表取締役の交代と取締役の辞任・就任を説明する2文と、「3号は、以前は「医療機器の販売」でした」という証明書に書かれていない対応づけも付けたが、これらは数えていない |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 8 / 8 | 現在の役員・退任した役員・現在の目的・本店・資本金が原文のとおり。旧本店は「旧本店(抹消)」として書いた | なし |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 7 / 8(⑧×) | ①〜⑦は原文のとおり。高橋 守は「代表取締役・取締役」として1行にまとめた | あり。末尾に「この証明書は架空の内容です。」と書いたうえで、「実際の取引や公的な提出に使う場合は、法務局で取得した最新の全部事項証明書で確認してください」と書いた |
- 現任と退任の取り違えは、4条件とも無かった。抹消された高橋 守と山本 清を現在の役員に入れた条件はなく、「医療機器の販売」を現在の目的に入れた条件も、旧本店を現在の本店にした条件もありませんでした。目的の4項目も、4条件とも落としませんでした。
- プロンプトの「抹消は分けて書く」の指示は、書き方に出た。Opus 5.5・プロンプトありは旧目的と旧本店に見出しを立て、Haiku 4.5・プロンプトありは旧本店にだけ見出しを立てました。ただ頼んだだけの2条件も、旧目的と旧本店を本文の中で現在のものと分けて書き、役員も現任と退任に分けました。
- 差は書き足しに出た。ただ頼んだだけの2条件は、「資本金が変わった記録はありません」という証明書に書かれていない断定や、確認を勧める助言を付けました。プロンプトありの2条件は付けませんでした。
- 各1回の比較なので、プロンプトの効果とまでは言えません。証明書は1通と短く、実際の証明書(役員が多いもの、目的が長いもの、変更が何度もあるもの)で同じ結果になるとは限りません。
履歴事項全部証明書を読み取るプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。実際の証明書には、会社法人等番号や役員の住所が載ります。貼り付けてよい範囲は、社内の規程で確かめてください。
次の履歴事項全部証明書を読んで、現在の役員・退任した役員・現在の目的・本店・資本金をまとめてください。次のルールを守ってください。 ・証明書に書いてあることだけを、氏名・日付・金額は原文のとおりに書く。 ・【抹消】が付いた事項は現在のものに入れず、退任した役員・旧本店・旧目的として分けて書く。 ・証明書に無い評価・助言・登記の一般的な説明は足さない。 [ここに履歴事項全部証明書を貼り付け]
使うときのコツ
- 抹消の印を、先に見分ける。実際の証明書は下線で抹消事項を示します。文字だけに直して貼り付けるときは、下線の付いた行に【抹消】と付けてから渡すと、現在の事項と取り違えにくくなります。
- 同じ人が2行以上に出ていないかを見る。取締役と代表取締役のように、役職ごとに行が分かれます。退任の行が片方だけの人は、役職が変わっただけかもしれません。
- 登記の効力や手続きの要否は、AIの答えに頼らず、法務局や提出先に確かめる。証明書に書かれていないことは、まとめの対象にしません。
よくある質問
履歴事項全部証明書では何を確かめればよいですか?
現在の役員(役職・氏名)と、辞任・退任で抹消された役員、目的の現在の項目と抹消された項目、現在の本店と旧本店を、抹消の印(下線など)で見分けて確かめます。法務省のQ&Aでは、履歴事項証明書は現在事項の記載に加えて、請求日の3年前の日の属する年の1月1日から請求の日までの間に抹消された事項も記載したものとされています。
AIに履歴事項全部証明書を読ませると、現任と退任を取り違えますか?
当社の検証(各条件1回、架空の会社の証明書)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、現在の役員と退任した役員、現在の目的、本店の取り違えはありませんでした。ただ頼んだだけの2条件は、証明書に無い一文(資本金が変わった記録の有無、実際の取引で使うときの確認の助言)を付けました。実際の証明書で同じ結果になるとは限りません。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月12日に行いました。登記の記載の説明は、法務省の商業・法人登記Q&Aと登記事項証明書記載例によります。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。
登記や契約の書類の読み取りをAIで行う仕組みづくりのご相談
合同会社フューチャープロンプトは、証明書や契約書から役員・条件・金額を表にまとめ、現在の事項と抹消された事項の取り違えや、書類に無い説明が混ざっていないかを確かめる手順まで含めた仕組みづくりをご一緒します。
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