賃貸借契約書の要点(解約予告・原状回復・特約)の抜き出し
賃貸借契約書をAIで要約したときの抜けと書き足しの実測・プロンプト
賃貸借契約書から抜き出したい4つの要点
賃貸住宅を借りる前や、退去の前に確かめておきたい4つを、今回の架空の契約書の条文に当てて整理します。実際の契約書は、物件や会社ごとに書き方も条件も違います。
| 要点 | 見るところ | 今回の架空の契約書 |
|---|---|---|
| 解約予告 | 何か月前までに、どの方法で通知するか | 解約する日の1か月前までに書面で通知。口頭・電話の通知は解約の通知と認めない |
| 短期解約の違約金 | 何か月以内の解約か、金額 | 入居から1年未満の解約は、賃料の1か月分(78,000円) |
| 原状回復 | 貸主と借主の、どちらがどの範囲の修繕費用を負担するか | 通常の使用による損耗・経年の劣化は貸主負担。借主の故意・過失、通常の注意を怠った損耗は借主負担 |
| 特約 | 通常の取り決めに加えた個別の条件 | 退去時のハウスクリーニング費用33,000円は借主負担。ペットの飼育は禁止 |
AIで賃貸借契約書の内容を整理したときの実測
下の架空の賃貸借契約書(賃料月額78,000円・契約期間2年)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「解約予告期間・原状回復の範囲・特約の要点を抜き出して一覧にしてください」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ抜き出させました(2026年10月12日)。契約書には、解約は書面のみで口頭・電話は認めないこと、原状回復に「ただし」の例外があること、特約でクリーニング費用を借主が負担することを入れています。
賃貸住宅 賃貸借契約書(架空) 第1条(契約の内容)貸主 山田不動産有限会社(以下「甲」)は、下記の住宅を借主(以下「乙」)に賃貸し、乙はこれを賃借します。物件:サンハイツ緑ヶ丘 203号室。契約期間:2026年11月1日から2028年10月31日までの2年間。 第2条(賃料等)賃料は月額78,000円、共益費は月額3,000円とし、乙は毎月末日までに翌月分を甲の指定する口座へ振り込みます。 第3条(敷金)乙は、敷金として78,000円を甲に預け入れます。甲は、乙が明け渡した日から1か月以内に、未払いの賃料や原状回復の費用を差し引いた残額を乙に返還します。 第4条(更新)契約期間が満了する場合は、甲乙の合意により更新できます。更新する場合、乙は更新料として賃料の1か月分(78,000円)を甲に支払います。 第5条(解約)乙は、解約する日の1か月前までに、甲に書面で通知することにより、本契約を解約できます。口頭や電話での通知は解約の通知とは認めません。 第6条(短期解約の違約金)乙が入居から1年未満に解約する場合は、前条の定めにかかわらず、賃料の1か月分(78,000円)を違約金として支払います。 第7条(原状回復)乙は、本物件を明け渡すとき、原状に回復しなければなりません。ただし、通常の使用による損耗と経年による劣化の修繕費用は、甲の負担とします。乙の故意または過失によって生じた損耗や、通常の注意を怠ったことで生じた損耗の修繕費用は、乙の負担とします。 第8条(特約)次の事項は特約として定めます。(1) 乙は、退去時のハウスクリーニング費用として33,000円を負担します。(2) 本物件ではペットを飼育してはなりません。 以上(2026年10月1日締結)
採点は7項目です。①解約予告(1か月前・書面。口頭・電話は認めない) ②短期解約の違約金(1年未満・賃料1か月分) ③原状回復の貸主負担(通常の損耗・経年の劣化) ④原状回復の借主負担(故意・過失、通常の注意を怠った損耗。すべて借主負担と書かない) ⑤特約のクリーニング費用(33,000円・借主負担) ⑥特約のペット禁止(敷金・更新料を書いた場合は金額が正しいこと) ⑦契約書に無い事項・数字・評価を足さない。表の見出しや「契約書によると」のような前置きは、書き足しに数えていません。
| 条件 | 7項目 | 解約予告・原状回復・特約の抜き出し | 契約書に無い書き足し |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・プロンプトあり | 7 / 7 | 1か月前・書面、口頭・電話は不可、違約金、原状回復の「ただし」の例外、特約2つまで原文どおり | なし(敷金の返還は、契約書の第3条の内容を関連として付けた) |
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 6 / 7(⑦×) | 解約予告・違約金・原状回復・特約とも原文どおり。敷金の精算も付けた(第3条の内容) | あり。「参考として」、クリーニング費用の特約は通常損耗は貸主負担という原則の例外であり、締結前に金額と内容を確かめておくとよい、という評価を付けた |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 7 / 7 | 条ごとに原文の文言をほぼそのまま写した | なし |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 6 / 7(⑦×) | 解約予告・違約金・原状回復・特約とも原文どおり。敷金・更新・契約期間も付けた(第1・3・4条の内容) | あり。「確認しておくとよい点」として、第6条の違約金を払う場合も1か月前の予告が要るかは明記されていないこと、33,000円は実費ではなく定額の負担であること、の2点を付けた |
- 解約の方法・原状回復の例外・特約の金額は、4条件とも原文どおりだった。口頭・電話の解約を認めないことを落とした条件も、原状回復を「すべて借主負担」と書いた条件もありませんでした。
- 差は書き足しに出た。ただ頼んだだけの2条件は、契約書に書いていない注意や確認点を付けました。Opus 5.5はクリーニング費用の特約を原状回復の原則の例外と位置づけ、締結前に確かめるとよいという助言を、Haiku 4.5は第6条と第5条の関係が明記されていないことなどを挙げました。契約書の文言を読んだ指摘で、事実の誤りとは言えませんが、契約書に無い評価・判断のため、この検証では書き足しに数えました。
- プロンプトありの2条件は、評価を付けなかった。「契約書に無い事項・計算・評価は足さない」というルールのとおり、条文の内容だけを返しました。
- 各1回の比較なので、プロンプトの効果とまでは言えません。この契約書は8条と短く、実際の契約書や、特約が多い契約書で同じ結果になるとは限りません。
契約の前に渡される重要事項説明書の要約は賃貸の重要事項説明書をAIに要約させる検証にまとめました。
賃貸借契約書の要点を抜き出すプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。
次の賃貸借契約書から、解約予告期間・原状回復の範囲・特約の要点を抜き出して一覧にしてください。 ルール: - 契約書に書いてあることだけを、数字・条件は原文のとおりに書く - 例外や但し書き(「ただし」「〜を除き」など)も落とさず書く - 契約書に無い事項・計算・評価は足さない [ここに賃貸借契約書を貼り付け]
使うときのコツ
- 「ただし」の文言を原文で読む。原状回復の「ただし、通常の使用による損耗と〜」の部分は、要約で落ちると負担の範囲が大きく変わります。抜き出した一覧と原文の該当条を見比べます。
- 特約は、一般の条項とは別に原文を読む。退去時の費用など、金額が決まっている特約は、AIの一覧で終わらせず原文で金額と条件を確かめます。
- 特約が有効かどうかなどの判断はAIに任せない。AIが返すのは契約書に何が書いてあるかの整理です。契約の内容が適切かは、不動産会社や専門家に確かめます。
よくある質問
賃貸借契約書では何を確かめればよいですか?
解約の予告期間と通知の方法、短期間で解約したときの違約金、退去時に貸主と借主のどちらが何を負担するか(原状回復)、通常の条項に加えた特約を確かめます。実際の契約書は物件や会社ごとに違うので、原文を読んでください。
AIに賃貸借契約書を要約させると、間違えますか?
当社の検証(各条件1回、8条の架空の契約書)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、解約の方法・原状回復の例外・特約の金額を取り違えませんでした。ただ頼んだだけの2条件は、契約書に書いていない注意や確認点を付けました。長い実際の契約書で同じ結果になるとは限りません。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月12日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。
契約書・規約の読み取りと確認をAIで行う仕組みづくりのご相談
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