書き方と実測

英文の請求書をAIで読み取る検証

日付の月日・通貨・桁区切りの取り違えを実測・プロンプト

結論(先に)米国式(月/日/年・金額は「,」が桁区切り)とドイツ式(日/月/年・金額は「.」が桁区切り)の架空の英文請求書2枚を、答えを知らないClaudeに4条件で読み取らせた当社の検証(各条件1回)では、日付の月と日、通貨、桁区切りの取り違えは、読み替えをした3条件ではゼロでした(16項目×3条件)。ただ頼んだHaiku 4.5は日付も金額も書類の表記のまま写し、月日や桁区切りを解釈しなかったため、取り違えの有無は判定できませんでした。差が出たのは、返ってくる形です。YYYY-MM-DDにそろえさせ、書式を判断した根拠を書かせるプロンプトを添えると、Opus 5.5とHaiku 4.5のどちらも、表に取り込める形で根拠つきに返りました。なお、この書類には支払条件と期日の日数という手がかりを入れてあり、手がかりのない書類は試していません。

英文の請求書では、「03/04/2026」が3月4日なのか4月3日なのか、「17.520,40」が約1万7千なのか約1752万なのかを取り違えると、支払期日や支払額がずれます。AIに読み取らせたときにその取り違えが起きるかを、正解を伏せた架空の請求書2枚で確かめた結果を紹介します。

AIで英文請求書を読み取らせたときの実測

架空の英文請求書2枚(請求書Aは米国の会社が米国の会社へ、請求書Bはドイツの会社がスイスの会社へ)の本文を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の請求書2枚から、請求日・支払期日・役務期間(開始と終了)・通貨・小計・税額・合計を読み取ってください。」とだけ頼む条件と、下の読み取りプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ読み取らせました(2026年10月4日)。書類は文字で渡しています。

次は、架空の英文請求書2枚の本文です。

【請求書A】
INVOICE
From: Harbor Design Studio LLC, 220 West Street, New York, NY 10013, USA
To: Lakeview Goods Inc., 45 Main Street, Chicago, IL 60601, USA
Invoice No.: A-1042
Invoice date: 03/04/2026
Payment terms: Net 30
Due date: 04/03/2026
Service period: 02/01/2026 - 02/28/2026

Description                  Qty    Unit price     Amount
Design review                  3     $1,200.00     $3,600.00
Prototype                      1    $12,500.00    $12,500.00
Travel expenses                1     $1,049.75     $1,049.75

Subtotal                                          $17,149.75
Sales tax (8%)                                     $1,371.98
Total due                                         $18,521.73

【請求書B】
RECHNUNG / INVOICE
From: Nordlicht Technik GmbH, Hafenstrasse 12, 20457 Hamburg, Germany
To: Kranich Handel AG, Bahnhofstrasse 8, 8001 Zurich, Switzerland
Invoice No.: B-2217
Invoice date: 05/03/2026
Payment terms: 30 days net
Due date: 04/04/2026
Service period: 01/02/2026 - 28/02/2026

Description                  Qty    Unit price     Amount
Maintenance                    4     EUR 1.250,00   EUR 5.000,00
Licence                        1    EUR 12.480,50  EUR 12.480,50
Shipping                       1        EUR 39,90      EUR 39,90

Subtotal                                          EUR 17.520,40
VAT (19%)                                          EUR 3.328,88
Total due                                         EUR 20.849,28

日付の書式の宣言は、どちらの書類にもありません。請求書Aの「03/04/2026」は3月4日、期日の「04/03/2026」は4月3日で、支払条件「Net 30」(請求日から30日以内)と合います。請求書Bの「05/03/2026」は3月5日、期日の「04/04/2026」は4月4日で、「30 days net」と合います。判断の手がかりは、発行元の国、支払条件と期日の日数、役務期間の「02/28/2026」「28/02/2026」の並びです。金額は、請求書Aが「,」を桁区切り・「.」を小数点とする書き方、請求書Bが「.」を桁区切り・「,」を小数点とする書き方です。小計・税額・合計は検算して書類の数字に矛盾がないことを確かめてあります。

採点は、請求書ごとに8項目(請求日・支払期日・役務期間の開始と終了・通貨・小計・税額・合計)の計16項目です。日付は月と日が入れ替わっていたら×、金額は桁区切りと小数点を取り違えて値が違えば×としました。ただ頼んだだけの条件では出力の形を指定していないため、書類の表記を読み替えて答えた項目だけを採点の対象とし、書類の表記のまま写しただけの項目は「判定対象外(解釈なし)」としました(この扱いは回答を見たあとに決めたもので、正解表には後から追記しています)。

条件取り違えのない項目返ってきた形備考
Opus 5.5・プロンプトあり16 / 16日付はYYYY-MM-DD、金額は桁区切りなしの数、通貨はUSD・EUR請求書ごとに書式を判断した根拠を書き、請求書Aには「発行元は米国なので月/日/年と読める。」と添えた。明細の合計・税額・小計+税額=合計の検算もすべて合うと書いた
Opus 5.5・ただ頼んだだけ16 / 16日付は「2026年3月4日」のような日本語表記、金額は「17,149.75ドル」のように「,」を桁区切りにした形請求書Aを「米国式の月/日/年」、請求書Bを「欧州式の日/月/年」と読んだと明記し、請求書Bの小計には「原文の表記は「17.520,40」」と添えた。明細の合計・税額・小計+税額=合計の検算も書いた。書類に無い補足として、ドイツの会社からスイスの会社への請求にドイツの付加価値税19%が上乗せされている点にも触れた
Haiku 4.5・プロンプトあり16 / 16日付はYYYY-MM-DD、金額は桁区切りなしの数、通貨はUSD・EUR請求書ごとに書式を判断した根拠を書いた。請求書Aには「米国企業発行。Payment terms Net 30で Due date 04/03/2026(4月3日)となることから、03/04/2026は3月4日(MM/DD形式)。」と添えた。小計+税額=合計の検算も書いた
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ判定対象外(解釈なし)日付は「03/04/2026」「05/03/2026」などの書類の表記のまま、金額も「$17,149.75」「EUR 17.520,40」のまま月日の順序にも桁区切りの向きにも触れていない。取り違えかどうかは判定できず、表に取り込む前に人が日付と金額を読み替える必要がある
  • 日付の月と日、通貨、桁区切りの取り違えは、読み替えをした3条件で0件。手がかり(発行元の国、支払条件と期日の日数、役務期間の並び)がそろった書類では、プロンプトなしのOpus 5.5も取り違えませんでした。ただ頼んだHaiku 4.5は読み替えをしておらず、取り違えの有無は判定できていません。
  • 差が出たのは、返ってくる形と根拠。ただ頼んだHaiku 4.5は書類の表記をそのまま写しました。「03/04/2026」と「05/03/2026」は、月日の順序が逆の書類のものです。写しただけの出力を並べて集計すると、月日がずれた表になりえます。
  • プロンプトありは、判断の根拠が残る。どちらのモデルも、国と支払条件から書式を判断した理由を書きました。根拠が書かれていれば、人は日付の読み方が合っているかを短時間で確かめられます。
  • Opus 5.5は、ただ頼んだだけでも読み方を明記した。一方で、書類に無い補足(ドイツの付加価値税の話)も混ぜました。読み取りの結果と、AIの意見が1つの回答に並ぶため、結果の欄だけを取り出して使います。

日付や金額の取り違えを見つける別の検証は、納品書と請求書をAIで突き合わせる検証と和暦から西暦への変換をAIに任せる検証にまとめています。日本語の請求書の読み取りは請求書をAIで読み取る精度検証です。

この検証の範囲:請求書2枚・各条件1回ずつの結果で、同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあります。精度を保証する数字ではありません。書類は文字で渡しており、スキャンした画像やPDFの読み取りは含みません。支払条件や日付の並びのように書式の手がかりが無い書類、通貨記号だけでISOコードの無い書類、ChatGPT・Gemini・Sonnetは試していません。

英文請求書の読み取りプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。

あなたは英文請求書の読み取り担当です。次のルールで、請求書ごとに請求日・支払期日・役務期間(開始と終了)・通貨・小計・税額・合計を読み取ってください。
1. 日付は YYYY-MM-DD で書く。日と月がどちらも12以下で順序が決まらない日付は、発行元の国、支払条件と期日の日数、同じ書類にある日付の並びから書式(月/日/年か日/月/年か)を判断し、判断の根拠を1行で添える。根拠が足りなければ推測で確定せず「要確認」と書く。
2. 通貨は ISO コード(USD、EUR など)で書く。
3. 金額は桁区切りを外し、小数点を . にした数で書く。書類の桁区切りと小数点の記号(. と ,)の向きを請求書ごとに確かめてから変換する。
4. 小計+税額=合計 になるかを検算し、合わない場合は合わないと書く。
5. 書類に無い項目は推測で埋めず「記載なし」と書く。

[ここに請求書の本文を貼り付け]

使うときのコツ

  • 書式の判断の根拠を書かせる。根拠の行があれば、月日の読み方が合っているかを人が数秒で確かめられます。
  • 根拠が足りない日付は「要確認」にさせる。手がかりのない書類で推測を確定させないための指示です。この検証では手がかりのある書類だけを使ったため、「要確認」が出る場面は確かめていません。
  • 桁区切りと小数点の向きを書類ごとに確かめさせる。「17.520,40」は小数点がコンマの書き方です。向きを読み違えると、桁が3つずれます。
  • 回答のうち結果の欄だけを取り込む。補足や意見が混ざる回答があったため、表に取り込むのは項目の値だけにします。

よくある質問

AIは英文請求書の日付の月と日を取り違えますか?

当社の検証(米国式とドイツ式の架空の請求書2枚、各条件1回)では、読み替えをしたOpus 5.5の2条件とプロンプトありのHaiku 4.5で、月と日の取り違えは起きませんでした(ただ頼んだHaiku 4.5は書類の表記のまま写したため判定できていません)。ただし、支払条件・期日の日数・発行元の国という手がかりが書類にそろっていた検証です。手がかりが少ない書類では結果が変わる可能性があり、請求日と期日が離れすぎていないかなどを確かめます。

英文請求書の読み取りをAIに頼むときは、どう頼めばよいですか?

当社の検証では、ただ頼んだHaiku 4.5は日付と金額を書類の表記のまま写し、月日や桁区切りの解釈をしませんでした。日付をYYYY-MM-DDにそろえさせ、書式を判断した根拠と、桁区切りと小数点の向きを書かせるプロンプトを使うと、Opus 5.5・Haiku 4.5のどちらも根拠つきの整った形で返りました。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月4日に行いました。検証の進め方は実測の進め方、方針は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

この記事で使ったプロンプトは、ほかの業務書類のものと並べて、業務書類のAIプロンプト集から貼り付けて使えます。

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