書き方と実測

和暦から西暦への変換をAIに任せる検証

存在しない日付(平成31年5月1日・R7.2.29)に気づくかを実測・プロンプト

結論(先に)和暦から西暦への変換そのものは、今回の検証では、実在する日付ならほぼ正しくできました(間違えたのは、プロンプトありのHaiku 4.5が実在する2行を「存在しない」としたものだけです)。差が出たのは、元号の切り替わりの日付やうるう年でない年の2月29日のように、そもそも存在しない日付を見つけられるかです。存在しない日付を4行仕込んだ架空の日付20行を、答えを知らないClaudeに4条件で西暦へ直させた当社の検証(各条件1回)では、ただ頼んだHaiku 4.5は4行とも存在しない日付を黙って西暦にしました(16点)。プロンプトで存在を確かめさせたHaiku 4.5は4行とも見つけましたが、実在する2行まで「存在しない」とし、18点でした。Opus 5.5はどちらの条件も20点でした。

契約書や請求書の日付が「令和」「平成」「R6」などの和暦で書かれていると、データとして並べ直すときに西暦へ直す作業が出ます。AIに任せたときに怖いのは、変換の間違いよりも、書き間違いの日付を何も言わずに「それらしい西暦」にしてしまうことです。このページでは、存在しない日付を混ぜた一覧でそれが起きるかを、正解表と照らして確かめた結果を紹介します。

AIで和暦を西暦に変換させたときの実測

架空の契約書・請求書・納品書の日付の欄20行(令和・平成・昭和の年月日と、H30・R6・S50の略記を含む)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の日付の欄を、西暦に直してください。」とだけ頼む条件と、下の和暦変換のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ変換させました(2026年10月4日)。

次は、架空の契約書・請求書・納品書の日付の欄を抜き出した20行です。

1. 契約締結日:令和6年4月1日
2. 契約開始日:令和元年5月1日
3. 納品日:平成31年4月30日
4. 請求日:平成31年5月1日
5. 検収日:昭和64年1月7日
6. 支払期日:昭和64年1月8日
7. 設立日:平成元年1月8日
8. 前期末:H30.12.31
9. 保守契約の終了日:R6.2.29
10. 更新日:R7.2.29
11. 登記日:平成20年2月29日
12. 発注日:平成15年2月29日
13. 製造年月日:昭和55年2月29日
14. 受領日:S50.8.15
15. 納期:令和8年3月31日
16. 取引開始日:平成17年10月1日
17. 初回納品日:昭和45年1月1日
18. 見積日:平成25年7月21日
19. 決算日:令和5年12月31日
20. 発効日:昭和31年6月30日

20行のうち、存在しない日付は4行です。「平成31年5月1日」(平成は2019年4月30日までで、翌日は令和元年5月1日)、「昭和64年1月8日」(昭和は1989年1月7日までで、翌日は平成元年1月8日)、「R7.2.29」と「平成15年2月29日」(2025年と2003年はうるう年でなく、2月は28日まで)です。元号の切り替わりの日付は、e-Gov法令検索に載っている令和への改元の政令(施行は平成31年4月30日の翌日)と平成への改元の政令(昭和64年1月7日に公布し、公布の日の翌日から施行)で確かめました。切り替わりの前日にあたる「平成31年4月30日」「昭和64年1月7日」と、うるう年にあたる2008年・1980年・2024年の2月29日は、実在する日付として混ぜてあります。

採点は20行で、通常の16行は西暦の年月日が正解と同じなら○、存在しない4行は「存在しない日付」と明示すれば○(変換しつつ存在しないと書いた場合も○、何も言わずに変換すると×)としました。

条件得点変換の出方備考
Opus 5.5・プロンプトあり20 / 20通常の16行はすべて正しい。存在しない4行(平成31年5月1日・昭和64年1月8日・令和7年2月29日・平成15年2月29日)はすべて「存在しない日付」とし、改元の日付とうるう年でないことを理由に添えたなし。4行目は「令和元年5月1日」の意味だった可能性に触れつつ、書類にない事実なので変換には使っていない、と書いた
Opus 5.5・ただ頼んだだけ20 / 20通常の16行はすべて正しい。存在しない4行すべてに、存在しない日付だと理由つきで書いた。10行目・12行目は西暦に変換せず、4行目・6行目は存在しないと書いたうえで2019年5月1日・1989年1月8日と読んだ4行目に「改元前に作った書式のまま書いた可能性が高い」と、書類に無い推測を書いた
Haiku 4.5・プロンプトあり18 / 20存在しない4行は、すべて「存在しない日付」と判定した。一方、実在する3行目(平成31年4月30日)と5行目(昭和64年1月7日)も「存在しない日付」と判定した理由欄に、平成は「2018年12月30日で終了」、昭和は「1988年1月7日で終了」と書いた(正しくは2019年4月30日、1989年1月7日)
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ16 / 20通常の16行はすべて正しい。存在しない4行は、すべて黙って西暦に変換した令和7年2月29日を「2025年2月29日」、平成15年2月29日を「2003年2月29日」と書いた(どちらも暦に無い日)
  • 年を西暦に直す計算は、間違えなかった。令和・平成・昭和の年を西暦に直す計算と、H・R・Sの略記の読み替えは、変換した行ではすべて正しい値でした。通常の16行のうち、プロンプトありのHaiku 4.5だけは、実在する2行を変換しませんでした(下の項目)。
  • 差が出たのは、存在しない日付の扱い。ただ頼んだHaiku 4.5は、4行とも何も言わずに西暦へ変換しました。「平成31年5月1日」を「2019年5月1日」とするのは、元号の取り違えを直した形になる場合もありますが、「2025年2月29日」「2003年2月29日」は暦に無い日付です。このまま表に取り込むと、書き間違いが見えなくなります。
  • プロンプトで確かめさせると、疑いすぎる回があった。プロンプトありのHaiku 4.5は、存在しない4行をすべて見つけました。しかし、実在する「平成31年4月30日」と「昭和64年1月7日」まで「存在しない日付」とし、理由に書いた改元の日付も誤っていました。元号の切り替わりの前後は、確かめさせると見つけやすくなる反面、確かめ方を間違えるモデルでは実在する行まで巻き込む可能性があります。
  • Opus 5.5は、ただ頼んだだけでも存在しない日付に気づいた。4行とも存在しない日付だと理由つきで書き、2行は変換せずに「原本で確かめてください」と促しました。ただし、4行目に「改元前に作った書式のまま書いた可能性が高い」と、書類に無い推測を添えました。突合の結果として人に伝える文ではありません。

「R7.2.29」への4条件の出方(回答の原文から)

10行目の更新日「R7.2.29」は、2025年が平年(うるう年でない年)のため存在しない日付です。回答の原文のこの行を並べます。

条件10行目の回答(原文)
Opus 5.5・プロンプトあり「存在しない日付」(備考欄: 「令和7年は2025年で、うるう年ではないため(2月は28日まで)」)
Opus 5.5・ただ頼んだだけ「変換できません(令和7年は2025年で、うるう年ではありません。2025年に2月29日はないため、記入間違いです。2月28日か3月1日のどちらだったか、原本で確かめてください)」
Haiku 4.5・プロンプトあり「存在しない日付」(備考欄: 「2025年は平年」)
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ「2025年2月29日」(何も言わずに変換)

最後の回答は、このまま表に取り込むと暦に無い日付がデータに入ります。変換した結果は、日付として実在するかを別に確かめてください。

数字や日付の取り違えを見つける別の検証は、レシートの記載の矛盾をAIで点検する検証(曜日・合計・登録番号の桁)と納品書と請求書をAIで突き合わせる検証にまとめています。

この検証の範囲:日付20行の架空の一覧で、各条件1回ずつの結果です。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。昭和より前の元号、年だけ・月だけの略記、手書きの書類を撮影した写真は扱っていません。ChatGPT・Gemini・Sonnetは試していません。

和暦変換のプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。

次の日付の一覧を、すべて西暦(YYYY-MM-DD)に変換して表にしてください。

ルール:
- 元号の切り替わり(昭和→平成→令和)の前後の日付と、2月29日は、その日付が実在するかを確かめてから変換する
- 実在しない日付は変換せず、「存在しない日付」と書き、理由を添える
- 元号の略記(S・H・R)は元号に直してから変換する
- 書類に書かれていない事実を推測して足さない
- 最後に、人が原本で確かめるべき行を挙げる

[ここに日付の一覧を貼り付け]

使うときのコツ

  • 存在しない日付を黙って直させない。「実在しない日付は変換しない」と指示しておくと、書き間違いが一覧に残ります。ただ頼んだだけでは、日付がそのまま西暦になる場合があります。
  • 「存在しない」と判定された行は、必ず原本で確かめる。検証では、実在する日付を「存在しない」とした回がありました。判定の理由に書かれた改元の日付が合っているかも、e-Gov法令検索などの公式資料で見直します。
  • 元号の切り替わりの前後(平成31年4月30日・5月1日、昭和64年1月7日・8日)は、人が見る行として挙げさせる。1日の違いで元号が変わる日付です。
  • 理由に書類に無い推測が混ざっていないか見る。「改元前に作った書式のまま書いた可能性が高い」のような説明は、原本で確かめるまで事実として扱いません。

「平成31年5月1日」は存在する日付ですか?

存在しません。平成は2019年4月30日までで、翌日の5月1日は令和元年5月1日です。当社の検証では、この日付を黙って「2019年5月1日」に変換したのは、ただ頼んだHaiku 4.5だけでした。他の3条件は、存在しない日付として扱いました。

よくある質問

AIは和暦を西暦に正しく変換できますか?

当社の検証(令和・平成・昭和の日付20行で各条件1回)では、Claude Opus 5.5の2条件とただ頼んだHaiku 4.5では、実在する16行を正しく西暦に変換できました(プロンプトありのHaiku 4.5は、うち2行を存在しない日付としました)。差が出たのは、平成31年5月1日やR7.2.29のように存在しない日付です。ただ頼んだHaiku 4.5は4行とも存在しない日付を黙って西暦にしました。結果は繰り返すと変わることがあるため、元号の切り替わりの前後は原本で確かめます。

存在しない日付をAIに見つけさせるには、どう頼めばよいですか?

当社の検証では、「実在しない日付は変換せず、『存在しない日付』と書き、理由を添える」を含む5つのルールを添えたHaiku 4.5は、存在しない4行をすべて見つけました。ただし実在する2行も「存在しない」と判定したため、判定された行は原本や公式資料で確かめる必要があります。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月4日に行いました。検証の進め方は実測の進め方、方針は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

この記事で使ったプロンプトは、ほかの業務書類のものと並べて、業務書類のAIプロンプト集から貼り付けて使えます。

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