健康診断結果通知書の読み取り(基準範囲外・判定区分・総合判定)
健康診断結果通知書をAIで読み取ったときの基準範囲外の見落としと判定区分の取り違えの実測・プロンプト
健康診断結果通知書で見る項目
| 項目 | 見るところ |
|---|---|
| 検査値と基準範囲 | 今回の数字と、健診機関が示す基準範囲を1項目ずつ照らす。基準範囲の書き方(「以下」「未満」「〜」)は項目で違う |
| 前回の結果 | 前回の列がある通知書では、今回の列と取り違えない |
| 分類別の判定区分 | 血圧・肝機能・脂質などの分類ごとに、A(異常なし)〜E(要治療)などの区分が付く。区分の意味は通知書の凡例で確かめる |
| 総合判定 | 通知書全体の判定。この通知書では、分類別で最も重いDと同じ |
| 医師の所見 | 精密検査の期限など、受診に関わる指示が書かれる |
事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければならないと定められています(労働安全衛生規則第44条第1項。診断の項目は同項に列挙されています)。判定区分の付け方や基準範囲は、健診機関によって違います。この表は、今回の検証に使った通知書の項目をまとめたもので、医療上の判断を示すものではありません。結果の受け止め方は、通知書の所見と医師の説明に従ってください。
AIで健康診断結果通知書を読み取ったときの実測
架空の通知書(42歳男性、検査値19項目と分類別の判定9つ)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の健康診断結果通知書から、基準範囲を外れた項目、分類別の判定区分、総合判定を一覧にしてください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ一覧にさせました(2026年10月13日)。通知書には、取り違えやすい数字として、前回の列、基準ぎりぎりで範囲内に入る空腹時血糖(98、基準は99以下)、前回は範囲外だった中性脂肪と空腹時血糖を入れています。通知書は画像ではなく、文章で渡しました。
定期健康診断 結果通知書(架空) 受診者:鈴木 一郎 様(42歳・男性) 受診日:2026年9月18日 健診機関:さくら総合健診センター(架空) 【検査結果】 ※「前回」は2025年度の結果です。基準範囲は当センターの表記です。 検査項目 今回 前回 基準範囲 身長 172.0cm 172.0cm - 体重 75.2kg 72.8kg - BMI 25.4 24.6 18.5〜24.9 腹囲 88.0cm 85.5cm 85.0cm未満 収縮期血圧 138mmHg 132mmHg 129以下 拡張期血圧 86mmHg 82mmHg 84以下 AST(GOT) 28U/L 30U/L 30以下 ALT(GPT) 52U/L 46U/L 30以下 γ-GTP 85U/L 78U/L 50以下 LDLコレステロール 148mg/dL 128mg/dL 119以下 HDLコレステロール 52mg/dL 50mg/dL 40以上 中性脂肪 120mg/dL 150mg/dL 149以下 空腹時血糖 98mg/dL 101mg/dL 99以下 HbA1c 5.9% 5.7% 5.5以下 血色素量(ヘモグロビン) 14.2g/dL 14.0g/dL 13.1〜16.3 尿蛋白 (-) (-) (-) 尿糖 (-) (-) (-) 心電図 異常なし 胸部エックス線 異常なし 【判定区分】 A:異常なし B:軽度異常 C:要経過観察 D:要精密検査 E:要治療 分類別の判定 身体計測(BMI・腹囲) B 血圧 C 肝機能 C 脂質 D 血糖 B 尿 A 血液(貧血) A 心電図 A 胸部エックス線 A 総合判定:D(要精密検査) 医師の所見:脂質の項目で、精密検査の対象になっています。結果を受け取った日から3か月以内に、医療機関を受診してください。
採点は8項目です。①基準範囲を外れた8項目(BMI・腹囲・収縮期血圧・拡張期血圧・ALT・γ-GTP・LDLコレステロール・HbA1c)をもれなく挙げている ②範囲内の項目を外れと書いていない ③今回の数字で書き、前回の数字と取り違えていない ④分類別の判定区分が通知書のとおり ⑤総合判定がD(要精密検査) ⑥前回との比較を書いた場合、上がった・下がったの向きが合っている ⑦受診日2026年9月18日と、精密検査を3か月以内に受診する旨が通知書のとおり ⑧通知書に無い事実・推測・助言を書き足していない。通知書の数字だけから出した差の計算は、書き足しに数えていません。
| 条件 | 8項目 | 基準範囲外・判定区分の書き方 | ×の内容 |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・プロンプトあり | 7 / 8 | 基準範囲外の8項目を、今回の数字と基準範囲を並べた表にし、「上限を22上回る(52-30)」のように差を式で添えた。範囲内の項目は別に書き、尿・心電図・胸部エックス線もA | 受診日(2026年9月18日)を書かなかった |
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 7 / 8 | 同じ8項目を表にし、「外れ方」の列に「上限を超えている」と書いた。前回の中性脂肪150と空腹時血糖101が範囲外だったことも添えた | 受診日を書かなかった |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 7 / 8 | 同じ8項目を表にし、判定区分は通知書の表記を写した。「数字から判定し直してはいません」と断った | 受診日を書かなかった |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 6 / 8 | 同じ8項目を、前回の列つきで表にした。分類ごとに「根拠となる項目」の列を足し、「私が割り当てたもの」と断った | 受診日を書かなかった。「あわせて、前回より悪化している腹囲、血圧、ALT、γ-GTP、HbA1cも、同じ受診の際に相談するとよいと思われます。」と、通知書に無い助言を書いた |
- 基準範囲を外れた8項目は、4条件ともすべて挙げた。BMI 25.4、腹囲88.0cm、収縮期血圧138、拡張期血圧86、ALT 52、γ-GTP 85、LDLコレステロール148、HbA1c 5.9%が、今回の数字で書かれていました。
- 範囲内の項目を外れと書いた文面は、0件だった。基準ぎりぎりの空腹時血糖98(99以下)も、4条件とも範囲内に分けました。
- 判定区分と総合判定の取り違えは、0件だった。血圧C・肝機能C・脂質D・血糖B・身体計測Bなど、9つの分類と総合判定D(要精密検査)が、4条件とも通知書のとおりでした。
- 前回の数字を今回の数字にした文面は、0件だった。前回の列を添えたHaiku・ただ頼んだ条件、前回の中性脂肪と空腹時血糖に触れたOpusの2条件とも、前回と今回の向き(上がった・下がった)は合っていました。
- 受診日は、4条件とも書かれなかった。3か月以内に受診する旨は4条件とも書かれましたが、受診日(2026年9月18日)を書いた文面はありません。依頼文が受診日を求めていないため、これはAIの差ではなく、正解表の作り方から出た結果です。受診日を求める依頼に変えた場合の結果は、試していません。
- 通知書に無い助言を書き足したのは、1条件だった。Haiku・ただ頼んだ条件が、「あわせて、前回より悪化している腹囲、血圧、ALT、γ-GTP、HbA1cも、同じ受診の際に相談するとよいと思われます。」と書きました。「悪化」の評価と受診時の相談の勧めは、通知書にありません。プロンプトありの2条件と、Opus・ただ頼んだ条件には、助言も病名の推測もありませんでした。
健康診断結果通知書を読み取るプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。
次の健康診断結果通知書から、基準範囲を外れた項目、分類別の判定区分、総合判定を一覧にしてください。次のルールを守ってください。 1. 数字・単位・判定区分は、通知書の表記のとおりに一字違わず書く。今回の数字と前回の数字を取り違えない。 2. 基準範囲を外れた項目は、通知書の基準範囲と今回の数字を1項目ずつ照らして、もれなく挙げる。基準範囲の中の項目は、外れた項目に入れない。 3. 分類別の判定区分と総合判定は、通知書の凡例(A〜E)のとおりに書く。 4. 通知書に無い事実・病名の推測・食事や運動などの助言は書かない。通知書の数字から出した計算は、計算式を添える。 [ここに健康診断結果通知書を貼り付け]
使うときのコツ
- 基準範囲の照らし合わせを、1項目ずつ頼む。この検証では、8項目のもれはどの条件にもありませんでしたが、項目数が多い通知書ほど、照らし合わせの指示が効く可能性があります。
- 今回と前回を、取り違えないよう頼む。前回の列がある通知書では、列の取り違えが起きやすい点です。
- 助言や病名の推測を書かないよう頼む。プロンプトなしのHaikuだけが、受診時の相談を勧める一文を足しました。
- 受診日や期限も知りたいときは、依頼文に書く。この検証の依頼は受診日を求めておらず、4条件とも書きませんでした。
- 判定は、通知書の現物と医師の説明で確かめる。AIは、通知書の内容を写して並べるだけで、体の状態を判断するものではありません。
よくある質問
健康診断結果通知書では、どの項目を見ればよいですか?
検査値と基準範囲、前回の結果、分類別の判定区分(A〜Eなど)、総合判定、医師の所見を見ます。基準範囲を外れた項目は、今回の数字と基準範囲を1項目ずつ照らして確かめます。区分の意味は通知書の凡例で確かめてください。
AIに健康診断結果通知書を読ませると、基準範囲外の項目を見落としますか?
当社の検証(各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、基準範囲を外れた8項目の見落としと、判定区分の取り違えは4条件とも0件でした。受診日は4条件とも書かれず、プロンプトなしのHaikuだけが通知書に無い助言を書き足しました。通知書は文章で渡しており、画像やPDFは試していません。医療費のお知らせを同じ条件で読ませた結果は医療費のお知らせの記事にあります。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月13日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。
通知書・明細書の読み取りと確認をAIで行う仕組みづくりのご相談
合同会社フューチャープロンプトは、健康診断結果通知書・明細書などの書類から数字と判定を読み取り、基準範囲との照合や取り違えを確かめる手順まで含めた仕組みづくりをご一緒します。
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