結合した表のセルをAIで正確に読み取る検証
結合セル・2段見出しの料金表とプロンプト
表のCSV化でいつも崩れるのはセル結合です。「区分」を縦に結合したり、見出しを「月額(税抜/税込)」と階層にしたりすると、行と列の対応がずれて転記が破綻します。生成AIは、この結合と階層をほどいて正しくCSVにできるでしょうか。標準的な表と、結合セル・階層見出しを含む料金表で試しました(架空サンプル)。
結果1:標準的な表 → 全セル正確
部署×四半期(4×4=16セル)の売上表は、すべての数値を正確に読み取れました。行と列の対応もズレません。これは想定どおりです。
結果2:結合セル+階層見出しの表 → 正しく解釈
「区分」を縦に結合(個人向け/法人向け)し、見出しを「月額料金 → 税抜/税込」と2段にした料金表。ここでも、結合された区分を各行に正しく割り当て、税抜・税込を取り違えずに読み取れました。
これをCSV(結合を展開した形)にすると、こうなります。
個人向け,ライト,480,528,30GB
個人向け,スタンダード,980,1078,100GB
法人向け,ビジネス,2800,3080,1TB
法人向け,エンタープライズ,9800,10780,無制限
条件別の結果の一覧
この記事の本文に書いた結果を、条件ごとに並べました。新しい実測はなく、数字は本文のとおりです。
| 条件 | 表の内容 | 結果 | 実施 |
|---|---|---|---|
| 結果1 | 部署×四半期の売上表(4×4=16セル) | 16セルすべて正確。行と列の対応もずれなし | 2026年6月(Claude) |
| 結果2 | 「区分」を縦に結合し、見出しが2段の料金表(4行・5列) | 結合した区分を各行に割り当て、税抜・税込を取り違えず、CSVに展開できた | 2026年6月(Claude) |
| 再確認 | 結果2と同じ料金表をCSV化プロンプトで再度CSV化 | 4行・5列の展開結果は6月と同じ。4行すべてで税込=税抜×1.1が成り立つと返答 | 2026年9月(Claude Opus 5.5) |
どの結果も架空の表1枚・各条件1回で、回答の原文は検証フォルダに保存していません。罫線のない表や入れ子の結合は試していません。
わかったこと
- 罫線が明確な表なら、結合セルでも構造を正しく解釈できる。縦結合の項目を各行に展開できた。
- 階層見出しを正しく対応づけられる。「月額→税抜/税込」の親子関係を取り違えなかった。
- CSV化まで一気にできる。結合を展開した、そのまま使える形で出力された。
人ごと・日ごとのシフト表で、読めないマスと空欄をAIがどう返すかはシフト表の画像をAIで表に起こす精度検証にまとめました。
品名・数量・単位・備考の在庫表で、桁・小数点・単位の混在や書き直した数量をAIがどう転記するかは在庫表の写真をAIで表に起こす精度検証にまとめました。
結合したセルを読み取らせるときの確認点
結合セルとは、複数の行や列にまたがって1つにまとめられたセルです。この検証の料金表では、「区分」の列が縦に結合され、「個人向け」は2行、「法人向け」は2行にまたがっていました。見出しも「月額料金」の下に「税抜」「税込」が並ぶ2段でした。
- 結合の範囲にある全行へ値を入れさせる。プロンプトで「結合されたセルは、範囲にある全行に同じ値を入れて展開する」と指示します。この検証のCSVでは、個人向けの2行と法人向けの2行すべてに区分が入っていました。
- 2段の見出しは1行につなげさせる。「月額料金_税抜」のように親と子をつなぐと、税抜と税込の取り違えを防げます。
- 読み取りのあとで行数と金額を照合する。元の表は4行でした。CSVのデータ行も4行か、税込が税抜の1.1倍になっているかを、人が確かめます。
この検証は罫線のはっきりした表1枚、1条件1回の結果です。罫線のない表や、結合が入れ子になった表では試していません。
表のCSV化プロンプト(コピーして使えます)
ChatGPT・Gemini・Claudeなど、画像を読み込めるチャットAIに表の画像と一緒に貼り付けて使う形です。当社が結果を確かめたのはClaudeだけで、ChatGPT・Geminiでの精度は検証していません。
添付した表の画像を、CSVに変換してください。 ルール: - 縦や横に結合されたセルは、結合の範囲にある全行(全列)に同じ値を入れて展開する - 見出しが2段以上あるときは、親の見出しと子の見出しをつないで1行の見出しにする(例:月額料金_税抜) - 数値の桁区切りのカンマは外し、単位(GB・円など)は別の列にせずそのまま残す - 最後に確認として、次を書く ・表の行数とCSVのデータ行数 ・列同士に計算の関係があれば(税込=税抜×1.1など)、全行で成り立つか
2026年9月の再確認(Claude Opus 5.5)
上のプロンプトで、この記事の料金表をもう一度CSV化させました。
- 4行・5列の展開結果は、6月のCSVと同じでした。「個人向け」「法人向け」の縦の結合を、それぞれ2行ずつに展開しています。
- 見出しは「月額料金_税抜」「月額料金_税込」とつないだので、どちらの金額かがCSVだけで分かる形になりました。
- 確認の欄で、4行すべて「税込=税抜×1.1」が成り立つ(480→528、980→1,078、2,800→3,080、9,800→10,780)と返しました。
答えを知っている同じサンプルでの再確認なので、初めて見る表での精度を示すものではありません。
使うときのコツ
- 結合セルの扱いを指示に書く。展開せずに空欄のまま出されると、表計算で絞り込んだときに区分が消えます。
- 列同士の関係で確かめる。税込と税抜、単価と合計のように計算で結びつく列があれば、行のずれや読み違いがすぐ分かります。
- 行数を数えさせる。長い表では、途中の1行が抜けても見た目では気づきにくくなります。
まとめ
罫線が明確なら、縦結合の項目を各行に展開し、「月額→税抜/税込」の親子関係も取り違えずにCSV化できました。転記の手間はかなり減ります。次のような表は崩れやすくなります。罫線のない表、セル内の改行、ページをまたぐ長い表、結合の中にさらに結合がある表です。行と列がずれることがあるので、変換後に行数や合計値の照合を入れて回すのが安全です。
よくある質問
結合セルや2段の見出しがある表も、AIはCSVにできますか?
当社の検証では、「区分」を縦に結合し、見出しを「月額料金」の下に税抜・税込と2段にした架空の料金表を、結合を各行に展開したCSVにできました(4行・5列)。個人向け・法人向けの区分は2行ずつに割り当てられ、税抜と税込の取り違えもありませんでした。9月のClaude Opus 5.5での再確認も、6月と同じCSVでした。
どんな表だとCSV化が崩れやすいですか?
今回は罫線がはっきりした表だけを試しました。崩れやすいと考えられるのは、罫線がなく空白で区切る表、セル内に改行や複数の値が入る表、ページをまたぐ長い表、結合が入れ子になった表です。これらは実測していないため、行列がずれるおそれがあるものとして、変換後に照合します。
CSV化が合っているかは、どう確かめますか?
記事のプロンプトでは、表の行数とCSVのデータ行数を書かせ、税込=税抜×1.1のように列同士に計算の関係があれば全行で成り立つかを確かめさせています。数値は元の表と見比べる手間を残します。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)が2026年6月に実施した一次検証です。2026年9月25日に、同じサンプルをClaude(Opus 5.5)で再確認し、使ったプロンプトと結果を追記しました。マルチモーダル生成AI(Claudeを使用)に実際のサンプルを処理させ、結果を自社で記録しました。当社は「今日の一皿」「LLM News」「資格問題ドリル」などのAIプロダクトを自社開発・本番運用しています。会社の詳細はトップページをご覧ください。
検証の進め方は実測の進め方をご覧ください。
表・帳票のCSV化と照合チェックのご相談
合同会社フューチャープロンプトは、表や帳票をAIでCSV・データベース化し、行数・合計の自動照合まで含めた仕組みを、検証から運用まで伴走します。
お問い合わせ →