書き方と実測

退職所得の源泉徴収税額の計算方法(勤続年数・退職所得控除額)

退職金の税額をAIに計算させたときの実測・プロンプト

結論(先に)退職金の源泉徴収票の金額(勤続年数・収入金額・退職所得控除額・課税退職所得金額・源泉徴収税額)は、休職期間と功労金の扱いで答えが変わる項目です。支払明細メモ(架空)をAIに計算させた当社の検証(各条件1回)では、Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、5つの数字をすべて正解しました。満点でなかったのは2条件で、頼まれていない手取額の計算を足したOpus 5.5・ただ頼んだだけと、2分の1にする理由を取り違えたHaiku 4.5・ただ頼んだだけです。

退職所得の源泉徴収税額の計算方法

国税庁のタックスアンサー(No.1420・No.2732、令和8年4月1日現在法令等)では、「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合、次の順に計算します。

順項目計算
1勤続年数入社から退職までの期間。1年未満の端数は1年に切り上げる。長期の欠勤や病気での休職の期間は勤続期間に含める
2退職所得控除額勤続20年以下は40万円×勤続年数(80万円に満たなければ80万円)。20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年)
3課税退職所得金額(収入金額−退職所得控除額)×1/2。1,000円未満は切り捨て。役員等の勤続5年以下や、勤続5年以下の短期退職手当等には特例がある
4源泉徴収税額課税退職所得金額に応じた速算表で、(課税退職所得金額×税率−控除額)×102.1%。1円未満は切り捨て

速算表の税率は、課税退職所得金額が195万円以下で5%、330万円以下で10%(控除額97,500円)、695万円以下で20%(控除額427,500円)と、金額の区分で上がります(別紙「退職所得の源泉徴収税額の速算表」)。申告書の提出が無い場合は、支払金額に20.42%を掛けた額を源泉徴収し、本人が確定申告で精算します。退職手当等には、本来の退職手当のほかに功労金なども含めます。給与の源泉徴収票の読み取りは、源泉徴収票の見方とAIでの読み取り精度検証で扱っています。

AIで退職金の税額を計算させたときの実測

支払明細メモ(架空)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次のメモをもとに、退職所得の源泉徴収票に書く金額を出してください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ計算させました(2026年10月15日)。メモには、間違えやすい点を2つ入れています。2018年に6か月の休職があること(勤続期間に含める)と、退職手当のほかに功労金があること(収入金額に含める)です。住民税は市区町村の通知待ちで「額はまだ分からない」とし、分からないことを作らないかも見ました。

【退職金の支払明細メモ(総務部 経理担当)】
・書類:退職所得の源泉徴収票に書く金額の下書き。支払者側の総務部が作る
・支払者:株式会社青葉製作所(架空)
・受給者:製造部 佐々木 健太(役員ではない一般の従業員)
・入社日:2004年4月1日、退職日:2026年9月30日。この間、2018年4月1日から9月30日まで私傷病で休職していた(休職の6か月間も在籍していた)
・支払日:2026年10月15日
・支払う金額:退職金規程による退職手当 1,700万円、会社が別に決めた功労金 100万円(どちらも退職したことに基づく支払い)
・「退職所得の受給に関する申告書」:佐々木さんから提出を受けている。前年以前に退職金を受け取ったことはなく、今年ほかの会社から退職金を受け取る予定もない。障害者になったことが退職の直接の原因ではない
・退職手当は全額が会社負担で、本人が負担した掛金はない
・住民税:市区町村の通知が来てから別に扱う。通知がまだ来ていないので、額はまだ分からない
・依頼:勤続年数、収入金額、退職所得控除額、課税退職所得金額、源泉徴収税額を、計算の過程が分かるように出す

採点は7項目です。①転記(支払者・受給者・日付) ②勤続年数 ③収入金額 ④退職所得控除額 ⑤課税退職所得金額 ⑥源泉徴収税額 ⑦書き足さない・分からないこと(住民税)を作らない。正解表は、回答を取る前に作ってコミットしました。文面の読みやすさは採点していません。正解は、勤続年数23年、収入金額1,800万円、控除額1,010万円、課税退職所得金額395万円、源泉徴収税額370,112円です。

条件7項目退職金の計算の結果メモに無い書き足し
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7勤続年数23年、収入金額1,800万円、控除額1,010万円、課税退職所得金額395万円、源泉徴収税額370,112円。住民税は「まだ分かりません」と書き、計算しなかった。式の根拠に「要確認」を3か所付けたなし
Haiku 4.5・プロンプトあり7 / 75つの数字がすべて正解。住民税は「まだ分からない」。式・税率・控除額・復興特別所得税率に「要確認」を付け、国税庁の資料で照合するよう書いたなし。ただし、照合先の資料名「退職所得の源泉徴収税額の求め方」の実在は確かめていない(採点には入れていない)
Opus 5.5・ただ頼んだだけ6 / 75つの数字がすべて正解。住民税は市区町村の通知が来るまで空欄としたあり。頼まれていない差引手取額の計算(17,629,888円)を足した(⑦が×)。「この欄は万円単位で書きます」という欄の書き方の説明もメモにないが、様式で確かめていないので採点には入れていない
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ6 / 75つの数字がすべて正解。所得税362,500円と復興特別所得税7,612円を分けて書き、合計が370,112円。住民税は額を作らず「この源泉徴収票の金額には含めない」と書いたあり。課税退職所得金額の欄で「申告書の提出があるため、2分の1を適用する。」と書いた(2分の1にするのは役員でないことと短期退職手当等に当たらないことによるもので、申告書の有無で変わるのは税額の計算方法。⑤が×)。メモに無い条文番号「所得税法 第30条、同施行令 第69条」と、照合先の資料名「退職所得の源泉徴収税額の求め方」(令和8年分)も書いたが、実在は確かめていない(採点には入れていない)
  • 5つの数字は、4条件ともすべて正解だった。勤続年数23年(22年6か月を切り上げ、休職の6か月を含める)、収入金額1,800万円(功労金を含める)、控除額1,010万円、課税退職所得金額395万円、源泉徴収税額370,112円でした。休職を引く、功労金を除く、といった取り違えは0件です(理由づけの誤りは別に1件あります)。
  • 住民税は、4条件とも計算しなかった。「まだ分からない」「通知が来るまで空欄」「この源泉徴収票の金額には含めない」のいずれかでした。
  • ただ頼んだOpus 5.5は、頼まれていない計算を足した。「差引手取額は、住民税を引く前の時点で 18,000,000円 − 370,112円 = 17,629,888円です。」と書きました。メモにない数字です。「(この欄は万円単位で書きます)」という欄の書き方の説明も足しましたが、様式で確かめていないので採点には入れていません。
  • ただ頼んだHaiku 4.5は、2分の1にする理由を取り違えた。「申告書の提出があるため、2分の1を適用する。」と書きました。2分の1にするのは、役員でなく短期退職手当等にも当たらないためで、申告書の有無で変わるのは税額の計算方法です。数字は合っているため、結果の数字だけを見ると見逃します。
  • プロンプトありの2条件は、記憶による数値に「要確認」を付けた。Opus 5.5は速算表の区分や復興特別所得税の2.1%などに、Haiku 4.5は勤続年数の切り上げの根拠、式、税率、控除額、復興特別所得税率に付けました。数値は正しかったので、この検証では「要確認」は結果を変えていません。ただし、数値を人が照合する手がかりにはなります。
  • ただ頼んだHaiku 4.5は、所得税と復興特別所得税を分けて計算した。362,500円と7,612円を足して370,112円で、速算表の方法(362,500円×102.1%=370,112.5円を切り捨て)と同じ額でした。
  • 送る前に読み直す箇所は、メモに無い数字と、出典名。頼んでいない金額が足されていないか、「国税庁の○○」と挙げられた資料が実在するかを見ます。
この検証の範囲:支払明細メモ(架空)1つで、各条件1回ずつの結果です。会社名・氏名・日付・金額はすべて当社が作った架空のものです。メモは、役員ではない従業員で、勤続年数が5年を超え、「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている、いちばん標準的な場合です。役員・勤続5年以下の短期退職手当等、申告書の提出が無い場合、同じ年に複数の退職金がある場合などは試していません。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Gemini・Sonnetは試していません。源泉徴収税額は、実際の支払いの前に、国税庁の資料と支払先の状況で確かめてください。

退職金の源泉徴収税額を出させるプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。

次のメモをもとに、退職所得の源泉徴収票に書く金額(勤続年数、収入金額、退職所得控除額、課税退職所得金額、源泉徴収税額)を出してください。次の順とルールを守ってください。
1. 順は、①メモの転記(支払者・受給者・入社日・退職日・支払日)②勤続期間と勤続年数 ③収入金額 ④退職所得控除額 ⑤課税退職所得金額 ⑥源泉徴収税額 ⑦メモで分からないこと、の順。
2. ②〜⑥は、使った式と、メモのどの記載から取った数字かを、1行ずつ書く。
3. 控除額の式・税率・控除額の表を使うときは、その数値を書き、自分の記憶に自信がない数値には「要確認」と付ける。
4. メモに無い事実・数字は足さない。メモで分からないこと(額がまだ分からない住民税など)は、計算せず「まだ分からない」と書く。
5. 申告書の提出状況がメモと異なる場合の計算は、今回の答えに混ぜない。

[ここにメモを貼り付け]

使うときのコツ

  • 休職と功労金を、メモに書いておく。この検証では、メモに明記したので4条件とも正しく扱いました。メモに書かない場合の結果は試していません。
  • 使った式と取った数字を、1行ずつ書かせる。人が計算の過程を追えるので、数字が合っているかを確かめやすくなります。
  • 記憶に自信のない数値に「要確認」を付けさせる。国税庁の速算表と照合する箇所が分かります。
  • 最後は、国税庁の資料と支払先の状況で確かめる。申告書の有無、役員か、勤続5年以下か、同じ年の別の退職金があるかで計算が変わります。

退職金の税額が分かったあとは、源泉徴収票などの書類を会社へ頼む場面が続きます。メールの書き方は雇用保険被保険者証・源泉徴収票の再発行依頼メールに、退職の前の書類は退職願の書き方にあります。

よくある質問

退職所得の源泉徴収税額はどう計算しますか?

申告書の提出を受けている場合、勤続年数(1年未満は切り上げ)から退職所得控除額を出し、(収入金額−控除額)×1/2で課税退職所得金額を求め、速算表で(金額×税率−控除額)×102.1%を計算します(国税庁タックスアンサー No.1420・No.2732)。

AIに退職金の税額を計算させると、間違えますか?

当社の検証(架空のメモ、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、勤続年数・収入金額・控除額・課税退職所得金額・源泉徴収税額の5つがすべて正解でした。ただ頼んだだけの条件では、Opus 5.5が頼まれていない手取額の計算を足し、Haiku 4.5が2分の1にする理由を取り違えました。役員・短期勤続・申告書なしの場合は試していません。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月15日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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