書き方と実測

退職願と退職届の違い・書き方と例文

退職願をAIで下書きしたときの理由・日付・最終出社日の実測・プロンプト

結論(先に)退職願は、退職を会社に願い出る書類です。希望する退職日と提出日・宛名・差出人を書き、理由は「一身上の都合」にとどめ、最終出社日や有給休暇の使い方のようにまだ決まっていないことは決まったように書かないのが要です。退職の希望日と提出日だけが決まり、最終出社日・有給休暇・引き継ぎが決まっていないメモをAIに退職願にさせた当社の検証(各条件1回)では、4条件とも最終出社日・有給休暇・後任と引き継ぎを決まったようには書きませんでした。一方、プロンプトで「理由は詳しく書かない」と頼んだHaiku 4.5の1回は、家業を継ぐという理由を書き、退職日の年も1年ずらしました。ただ頼んだだけの条件は、Opus 5.5・Haiku 4.5とも7項目すべて合っていました。

退職願に書くこと

項目書くこと
表題「退職願」。会社に了承を願い出る書類なので、「退職いたしたく、お願い申し上げます」のような願う形で結ぶ
退職の希望日いつ付けで退職したいか。会社と相談して変わる可能性があるときは、日付を決まったものとして書きすぎない
理由「一身上の都合」にとどめることが多い(会社の様式があればそれに合わせる)。家業や次の仕事など、詳しい事情は書類に書かなくてよい
提出日・宛名・差出人提出日、会社名と代表者や所属長の役職・氏名、自分の所属と氏名
書かないこと最終出社日・有給休暇の消化・引き継ぎの段取りなど、上司と相談して決めること。退職願の本文に入れるより、相談の場で決めるのが無難

退職願と退職届の違い

法令には、退職願と退職届を区別する定義はありません。一般には、退職願は「退職したい」と願い出て会社の承認を求める書類、退職届は退職の意思を届け出る書類として使い分けられます。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)の第52条は、退職の場合として「退職を願い出て会社が承認したとき、又は退職願を提出して 日を経過したとき」を挙げています。会社の様式や就業規則に呼び名の指定があれば、それに合わせます。

項目退職願退職届
一般的な位置づけ退職を願い出る書類。会社の承認を前提にした書き方退職の意思を届け出る書類。退職日が決まっているときに使う
結びの文「退職いたしたく、お願い申し上げます」「退職いたします」
使う場面上司に相談しながら、退職日を調整する段階退職日が決まり、提出して手続きを進める段階

期間の定めのない雇用では、民法第627条第1項が、解約の申入れの日から二週間を経過すると雇用が終了すると定めています。厚生労働省のパンフレットも、正社員など契約期間の定めがないときは、少なくとも2週間前までに退職届を提出するなど退職の申し出をすれば法律上はいつでも辞められるとしています(会社の就業規則に退職手続きの定めがあれば、それに従う必要があります)。

退職願を出したあとに続く書類や手続きの記事は、読む順に次のとおりです。雇用保険の離職票-2は離職票-2の見方と確認する項目、退職後の転職先などへ出す在籍・退職の証明は在籍証明書の発行依頼メールの書き方、会社から渡される給与の記録の読み方は源泉徴収票の見方とAIでの読み取り精度検証、納付の確認は住民税の決定通知書の読み取りにまとめています。それぞれ、期限や必要な書類は会社と役所の案内で確かめてください。

当社の検証で使ったのは退職願で、退職届は試していません。この表の「一般的な位置づけ」以下は慣行にもとづく整理で、法令の定義ではありません。退職後に在籍証明書を会社へ頼むメールをAIに書かせた実測は在籍証明書の発行依頼メールの書き方と例文、人事・総務の連絡文5本の比較は人事・総務の連絡文をAIに書かせた実測の比較にあります。

退職願の例文

退職願

私儀

このたび、一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。

〇年〇月〇日

〇〇株式会社 〇〇部
〇〇 〇〇

代表取締役社長 〇〇 〇〇 殿

AIで退職願を下書きしたときの実測

退職を希望する会社員のメモ(架空)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次のメモをもとに、会社に出す退職願を作ってください。」とだけ頼む条件と、下の退職願のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ退職願にさせました(2026年10月6日)。メモには、退職を希望する日と提出日、会社の了承はまだであること、最終出社日・有給休暇の使い方・後任と引き継ぎがまだ決まっていないこと、理由は家業を継ぐためだが書類には詳しく書きたくないこと、次の仕事が決まっているが書類には書かないことを入れています。

【メモ(営業課・田村)】
・提出先:代表取締役社長の青木太郎さん(社内)。直属の上司の井上課長には、先に口頭で伝えてある
・提出日:10月15日の予定
・退職の希望:12月31日付けで辞めたい。会社の了承はまだもらっていない
・最終出社日:まだ決めていない。井上課長と相談して決める
・有給休暇:15日残っているが、使うかどうかは決めていない
・引き継ぎ:後任は決まっていない。引き継ぎの進め方も、これから課長と相談する
・理由:家業を継ぐため。ただし書類には詳しい理由は書きたくない
・次の仕事:決まっているが、書類には書かない
・差出人:株式会社あおば商事 営業課 田村

採点は7項目です。①退職を願い出る形になっている ②退職の希望日(12月31日付け)・提出日(10月15日)・宛名・差出人がメモどおり ③最終出社日を決まったように書かない ④有給休暇の消化を決まったように書かない ⑤後任の名前や引き継ぎの日程を作らない ⑥理由は「一身上の都合」などにとどめ、家業の話を書かない ⑦メモに無い事実を足さず、次の仕事を書かない。表題・定型の書き出しと結び・署名欄・定型のお礼は書き足しに数えていません。メモには年がありません。正解表には年の書き方を定めていませんでした。そこで、回答を見たあとに「2026年の日付として誤りでないか」を確かめました。

条件7項目退職の希望日の書き方メモに無い書き足し
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7「12月31日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」。理由は「一身上の都合」なし
Opus 5.5・ただ頼んだだけ7 / 7「2026年12月31日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」。年は2026年と仮定したと、文面の後ろに説明したなし
Haiku 4.5・プロンプトあり5 / 7(②⑥×)「令和九年十二月三十一日をもって退職したく、お願い申し上げます」。提出日は「令和八年十月十五日」で、1年ずれたメモに無い事実はなし。ただしメモが「書類には書かない」とした理由を書いた(⑥×)。「退職の理由は、家業を継ぐためです。」
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ7 / 7「本年12月31日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます」。提出日は「令和8年10月15日」なし
  • 最終出社日・有給休暇・後任と引き継ぎは、4条件とも書かなかった。最終出社日を作った条件も、有給休暇の消化や引き継ぎの約束を書いた条件もありませんでした。次の仕事を書いた条件もありません。
  • Haiku 4.5(プロンプトありの1回)は、家業を継ぐという理由を書いた。プロンプトには「理由は詳しく書かない」と入れましたが、「退職の理由は、家業を継ぐためです。」と書きました。メモには「書類には詳しい理由は書きたくない」とあり、他の3条件は「一身上の都合」にとどめていました。
  • 同じHaiku 4.5(プロンプトありの1回)は、退職日の年を1年ずらした。提出日は「令和八年十月十五日」なのに、退職日は「令和九年十二月三十一日」でした。メモは「12月31日付け」で提出日の約2.5か月後です。日付は提出前に自分の目で確かめる必要があります。
  • メモに年が無いとき、Opus 5.5(ただ頼んだ1回)は2026年と仮定し、文面の後ろに「年はメモに書かれていなかったため、今年の2026年としています」と説明した。プロンプトありのOpus 5.5は、年を書かずに「12月31日」「10月15日」だけにしました。どちらも日付として誤りではありません。
  • 各1回の比較なので、プロンプトの効果とまでは言えません。この検証では、プロンプトを渡した条件のほうが、ただ頼んだ条件より点数が低い場合もありました(Haiku 4.5)。
この検証の範囲:退職願の1つのメモで、各条件1回ずつの結果です。メモと正解は当社が作った架空のものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。退職の手続きや就業規則の扱いは会社ごとに違うため、実際に出す前に会社の規則と上司に確かめてください。

退職願のプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。

次のメモをもとに、会社に出す退職願を作ってください。

ルール:
- 日付・宛名・差出人はメモの表記どおりに書く
- 決まっていないこと(最終出社日、有給休暇の使い方、後任・引き継ぎの進め方)は、決まったように書かない
- 理由は詳しく書かない。メモに無い事実・約束は足さない

[ここにメモを貼り付け]

使うときのコツ

  • 理由の欄を読む。検証では、「詳しく書かない」と頼んでも家業という理由を書いた例がありました。「理由は『一身上の都合』とだけ書く」と、書く言葉まで指定する方法もあります(今回の検証では試していません)。
  • 日付の年を確かめる。提出日と退職の希望日の年が合っているか、送る前に自分で見ます。メモに年を書いておくと、AIに年を仮定させずに済みます。
  • 決まっていないことが文中に入っていないか読む。最終出社日・有給休暇・引き継ぎは、上司と相談して決めるものなので、本文にあれば消します。

退職願を出して退職日が決まったら、次は退職金の税金です。計算の手順は退職金の源泉徴収税額の計算をAIに任せるときの実測にまとめています。

よくある質問

退職願には何を書けばよいですか?

表題の「退職願」、退職を希望する日、理由(「一身上の都合」とすることが多いです)、提出日、宛名、自分の所属と氏名を書きます。最終出社日・有給休暇の使い方・引き継ぎの段取りなど、上司と相談して決めることは本文に入れないのが無難です。

退職願と退職届の違いは何ですか?

法令に定義はありません。一般には、退職願は退職を願い出て会社の承認を求める書類、退職届は退職の意思を届け出る書類として使い分けます。厚生労働省のモデル就業規則は、退職を願い出て会社が承認したとき、または退職願を提出して一定日数を経過したときを退職の場合に挙げています。会社の様式や就業規則に指定があれば、それに合わせます。

AIに退職願を書かせると、間違えますか?

当社の検証(各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも最終出社日・有給休暇・引き継ぎを決まったようには書きませんでした。一方、プロンプトで「理由は詳しく書かない」と頼んだHaiku 4.5の1回は「家業を継ぐため」と理由を書き、退職日の年も1年ずらしました。ただ頼んだだけの2条件は7項目すべて合っていました。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月6日に行いました。検証の進め方は実測の進め方、方針は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

同じ「文面を下書きさせる」業務で、ほかのメール・文書をAIに書かせたときの実測は、ビジネスメール・文書をAIで下書きしたときの実測まとめにあります。

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