表記ゆれのチェック

表記ゆれをAIでチェックする精度検証

送り仮名・長音・全角半角の10組とひっかけ5語・Opus 5.5とHaiku 4.5の比較・プロンプト

結論(先に)表記ゆれ10組を仕込んだ文章で、Opus 5.5は10組すべてを見つけ、プロンプトを付けると「ゆれに見えて正しい語」の誤指摘も0になりました。軽いHaiku 4.5は4〜6組にとどまり、商品名の中の「サーバ」を数に入れたり、「売上高」をゆれとして挙げたりしました。

表記ゆれは、誤字と違って「どちらも間違いではない」ため、読み直しでは見落としやすい誤りです。一方で、「申込書」と「申し込み」のように、表記が違っても正しい組み合わせもあります。AIにチェックを任せたとき、ゆれを拾いきれるか、正しい表記まで直そうとしないか。答えを知らないAIに、条件を変えて4回解かせました。

10組+5語
仕込んだ表記ゆれと、ゆれに見えて正しい語
10 / 10
Opus 5.5がプロンプトありで見つけた数(誤指摘0)
4 / 10
Haiku 4.5がただ頼んだだけで見つけた数

検証方法

架空のサービスのお知らせ文(約530字)を作り、表記ゆれを10組と、ゆれに見えるが正しい語を5つ入れました。これを、答えを知らない状態のClaudeに、次の2×2の条件で1回ずつチェックさせました(2026年9月25日、当社の作業環境から実行)。

  • モデル:Claude Opus 5.5/Claude Haiku 4.5(軽くて速いモデル)
  • 依頼の仕方:「表記ゆれをチェックして、一覧にしてください」とだけ頼む/下のプロンプトを使う

送り仮名の正誤は、文化庁の「送り仮名の付け方」で判定しました。通則6は「申し込み」「取り扱い」「売り上げ」を本来の形とし、「申込み」「取扱い」「売上げ」のような省いた形も許容しています。通則7は「申込《書》」「見積《書》」「売上《高》」「受付」などを、慣用で送り仮名を付けない語として挙げています。

検証に使った文章(架空)

【お知らせ】クラウド保管サービスの料金改定と新プランのお申し込みについて

いつも当社サービスをご利用いただき、ありがとうございます。
3月1日より、法人向けの新プラン「クラウドサーバ・プラス」の申し込みを受け付けます。新プランでは、専用サーバーの容量を従来の2倍に増やし、ユーザーごとの権限設定も行えるようになります。

■お申込み方法
お申込みは、管理画面の「プラン変更」から行ないます。紙の申込書をご希望の方は、サポート窓口までお問い合わせください。お見積りが必要な場合は、見積書を1営業日以内にお送りします。
なお、4月1日以降は旧プランの新規受付を終了します。

■個人情報の取り扱い
お預かりした情報の取扱いは、当社のプライバシーポリシーに従います。サーバ上のデータは暗号化して保管し、ユーザ本人の同意なく第三者へ提供することはありません。

■料金について
前年度の売上高の増加に伴い、一部の料金を見直しました。売り上げの一部は、サービスの改善に充てます。料金表は一つのページにまとめ、比較しやすくしました。プランの変更は1つの契約につき月1回まで行います。

■お問合せ先
ご不明な点は、メールまたはお電話でお問合せ下さい。Eメールでのお問い合わせには、2営業日以内にお返事します。

仕込んだ表記ゆれ10組と、ひっかけ5語

表記ゆれ文中の表記種類
申し込みお申し込み・申し込み/お申込み(2回)送り仮名
取り扱い取り扱い/取扱い送り仮名
お問い合わせお問い合わせ(2回)/お問合せ(2回)送り仮名
行う行える・行います/行ないます送り仮名
サーバーサーバー/サーバカタカナの長音
ユーザーユーザー/ユーザカタカナの長音
くださいください/下さい漢字とかな
数字3月1日(全角)/4月1日・2倍など(半角)全角と半角
ひとつ一つ/1つ漢数字と算用数字
メールメール/Eメール言い換え
ゆれに見えて正しい語理由
申込書(「申し込み」と並ぶ)通則7「申込《書》」
見積書(「お見積り」と並ぶ)通則7「見積《書》」。「お見積り」は1回だけで対になる別表記が無い
受付(「受け付けます」と並ぶ)通則7「受付」。動詞の「受け付ける」は別の語
売上高(「売り上げ」と並ぶ)通則7「売上《高》」
クラウドサーバ・プラス商品名。本文の「サーバー」に揃える対象ではない

結果:4つの条件の比較

条件見つけた表記ゆれひっかけを誤って挙げた数主な取りこぼし・誤り
Opus 5.5・プロンプトあり10 / 10(回数も正確)0 / 5なし。ひっかけ5語をすべて「ゆれではない」欄に理由つきで挙げた
Opus 5.5・ただ頼んだだけ10 / 102 / 5「売り上げ」を「売上」に揃える案、「お見積り」の表記の検討を挙げた。「申込書」「受付」、商品名は正しく除外した
Haiku 4.5・プロンプトあり6 / 102 / 5取り扱い・行う・全角半角・一つ/1つを見落とし。「行ないます」を「1回だけ」と誤って除外。商品名の「サーバ」を数に入れ、「売上高」をゆれに挙げた
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ4 / 102 / 5申し込み・取り扱い・ユーザー・全角半角・一つ/1つ・メールを見落とし。商品名と「売上高」をゆれに挙げた

いちばん差が出たのは、ゆれに見えて正しい語の扱いでした。Opus 5.5はただ頼んだだけでも「申込書は慣用なのでそのままでよい」と判断しましたが、「売り上げ」については「売上」に揃える案を出しました。「売上」は通則6で許容されている形なので、揃えること自体は誤りではありません。ただ「売上高」と並んでいるからといって、揃える必要があるわけでもありません。プロンプトで通則7と商品名の扱いを先に示すと、この種の提案は出なくなりました。

わかったこと

  • 見つける力はモデルで大きく変わる。Opus 5.5は依頼の仕方にかかわらず10組を見つけ、Haiku 4.5はプロンプトを付けても6組でした。表記ゆれのチェックには、軽いモデルより大きいモデルが向いています。
  • プロンプトの効き方はモデルで違う。Opus 5.5では、通則7と固有名詞のルールを入れると誤指摘が2から0になり、見つける数は10のままでした。Haiku 4.5では、見つける数が4から6に増えた一方、誤指摘は2のまま減りませんでした。
  • ルールを入れても、軽いモデルは数え間違える。Haiku 4.5は「1回しか出ない表記は数えない」というルールを、「行います」が別にあるのに「行ないます」に当てはめて除外しました。
この検証の範囲:1つの文章で、各条件1回ずつの結果です。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。文章は当社が作った架空のもので、ChatGPT・Geminiでは試していません。どちらの表記に揃えるか(「サーバー」か「サーバ」か等)は、社内の表記ルールで決めることで、この検証では判定していません。

表記ゆれチェックのプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「Opus 5.5・プロンプトあり」に使ったものと同じです。ChatGPT・Gemini・Claudeなどのチャットに、文章と一緒に貼り付けて使います。

次の文章の表記ゆれを洗い出してください。

出力は2つに分けてください。
A. 表記ゆれ:語/出てくる表記とその回数/種類(送り仮名・カタカナの長音・漢字とかな・全角と半角・言い換え)
B. 表記ゆれに見えるが、ゆれではないもの:語/理由

ルール:
- 送り仮名は、文化庁「送り仮名の付け方」に照らして判断する。「申込書」「見積書」のように、慣用で送り仮名を付けない複合名詞(通則7)は、動詞や他の名詞の送り仮名と違っていてもゆれとして扱わない
- 商品名・サービス名などの固有名詞は、ほかの表記に揃える対象にしない
- どちらに統一するかは決めず、候補を示すだけにする
- 1回しか出てこない表記は、同じ語の別の表記が文中に無ければゆれに数えない

[ここに文章を貼り付け]

使うときのコツ

  • 「ゆれではないもの」の欄を作らせる。直さなくてよい理由を書かせると、正しい表記まで揃えようとする提案が減り、確認の手間も減ります。
  • 自社の表記ルールを足す。「サーバー」「ユーザー」のように長音を付けるか、数字は半角にするかなど、社内で決めている表記をルールに1行ずつ足すと、どちらに揃えるかまで一度に出せます。
  • 大事な文書は大きいモデルで。この検証では、軽いモデルは10組のうち4〜6組を見落としました。

まとめ

表記ゆれのチェックは、大きいモデルならただ頼んでも拾いきれますが、そのままでは正しい表記まで揃えようとする提案が混ざります。「申込書」「売上高」のような慣用の語と商品名の扱いをプロンプトで先に示すと、指摘がゆれだけに絞られます。軽いモデルは見落としが多いため、社外に出す文書のチェックには向きません。

よくある質問

AIは表記ゆれをどこまで見つけられますか?

当社の検証では、表記ゆれ10組を仕込んだ文章で、Claude Opus 5.5は依頼の仕方にかかわらず10組すべてを見つけました。軽いモデルのClaude Haiku 4.5は、ただ頼んだだけでは4組、プロンプトを付けても6組でした。1つの文章・各1回の結果です。

「申込書」と「申し込み」は表記ゆれですか?

表記ゆれではありません。文化庁「送り仮名の付け方」の通則7は、「申込《書》」「見積《書》」「売上《高》」「受付」などを、慣用に従って送り仮名を付けない複合名詞として挙げています。

この検証について
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)が2026年9月25日に実施した一次検証です。検証する文章と正解表は当社が作り、正解を知らない状態のClaude(Opus 5.5・Haiku 4.5)に解かせて、回答を正解表と照合しました。送り仮名の判定は文化庁「送り仮名の付け方」によります。会社の詳細はトップページをご覧ください。

社内の表記ルールに合わせたチェックの仕組みを作ります

合同会社フューチャープロンプトは、社内の表記ルールや用語集をAIのチェックに組み込み、文書の確認の手間を減らす仕組みづくりを、小さく試すところからご一緒します。

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