住所の表記ゆれをAIで正規化させる検証
漢数字・全角半角・丁目と番地の違いをそろえる精度の実測と住所正規化プロンプト
取引先名簿や顧客リストの住所は、「三丁目八番十四号」「3-8-14」「3-8-14」のように、同じ場所が違う書き方で混ざります。書き方をそろえないと、同じ取引先が2件に分かれたり、宛名の検索から漏れたりします。このページでは、書き方をそろえる作業をAIに任せたときに、番地を落とさないか、同じ場所が同じ形に揃うかを、正解表と照らして確かめた結果を紹介します。
AIで住所の表記ゆれを正規化させたときの実測
架空の取引先名簿の住所20行(ビル名・番号は架空)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の住所の表記を統一(正規化)してください。」とだけ頼む条件と、下の住所正規化のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ正規化させました(2026年10月4日)。
次は、架空の取引先名簿にある住所20行です(ビル名・番号は架空)。 1. 東京都千代田区丸の内三丁目八番十四号 すみれビル5階 2. 大阪府大阪市北区梅田1-2-3 3. 愛知県名古屋市中区栄四丁目七番二十一号 4. 北海道札幌市中央区北3条西4丁目1-8 ひなたビル 5. 福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目10番5号 6. 京都府京都市中京区烏丸通二条上る桜小路町123番地 7. 東京都千代田区丸の内3-8-14 スミレビル5F 8. 神奈川県横浜市西区みなとみらい二ノ四ノ六 9. 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目7番地5 10. 東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目二十七番十一号 11. 愛知県名古屋市中区栄4-7-21 12. 大阪府大阪市北区梅田一丁目二番三号 13. 北海道札幌市中央区北三条西四丁目1番8号 14. 福岡県福岡市博多区博多駅前2-10-5 15. 兵庫県神戸市中央区三宮町二丁目4番17号 あおぞら第2ビル302号室 16. 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目三番地 17. 広島県広島市中区紙屋町1丁目2番3号 ほしぞらタワー10階 18. 宮城県仙台市青葉区国分町三丁目六番一号 19. 静岡県浜松市中央区板屋町百一番地 20. 長野県松本市大字島内字北原4567番地89
20行には、同じ場所を別の書き方にした5組(東京・丸の内、大阪・梅田、名古屋・栄、札幌・北3条西4丁目、福岡・博多駅前)を含めました。ほかに、漢数字(「二十一」「百一」)、全角数字、「二ノ四ノ六」のような区切り、京都の通り名(「烏丸通二条上る」)、大字・字を含む住所、ビル名・階・部屋番号を混ぜてあります。採点は25点で、20行の番地・号・階・ビル名が正しく残っているか(20点)と、5組が同じ形に揃ったか(5点)を見ました。
| 条件 | 得点 | 正規化の出方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・プロンプトあり | 25 / 25 | 20行の数字をすべて残し、5組とも同じ形に揃えた。同じ場所の5組を行番号で挙げた | 札幌(4・13行)・京都(6行)・大字字(20行)に「要確認」を付けた。ビル名の表記ゆれ(すみれビル/スミレビル)の扱いも人に確認させた |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 25 / 25 | 20行の数字をすべて残し、5組とも同じ形に揃えた。同じ場所の5組を行番号で挙げた | 札幌の「北3条西4丁目1-8」を「北3条西4-1-8」と書き、「丁目」が消えた(数字は残っている)。「要確認」は京都と大字字だけ |
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 25 / 25 | 20行の数字をすべて残し、5組とも同じ形に揃えた。「丁目」を最初の数字にだけ残す形(栄4丁目7-21)で統一した | 統一ルールと、判断が必要な箇所(二ノ四ノ六の読み方、京都の通り名、大字・字)を文で説明した。郵便番号などは足さなかった |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 25 / 25 | 20行の数字をすべて残し、5組とも同じ形に揃えた | 札幌の「丁目」が消えた(数字は残っている)。説明や確認の指摘は書かず、表だけを返した |
- 数字は1つも落ちず、変わらなかった。漢数字の「二十一」「百一」、全角の「10」「4567」、「二ノ四ノ六」も、4条件とも正しい数字になりました。書かれていない郵便番号や市区町村を足した回もありませんでした。
- 同じ場所の5組は、4条件とも同じ形に揃った。プロンプトありの2条件は、同じ場所と思われる行の組(1と7、2と12、3と11、4と13、5と14)も最後に挙げました。
- 差が出たのは、決まった形に直せない住所。プロンプトありのOpus 5.5は、札幌の「北3条西4丁目」を指定の形に直せないものとして「要確認」にし、京都の通り名と大字・字にも付けました。Haiku 4.5は、札幌の「丁目」を消して「北3条西4-1-8」と書きました。数字は残っていますが、元の住所にあった「丁目」の区切りが見えなくなります。
- ビル名の表記ゆれ(すみれビル/スミレビル)は、どの条件でも残った。階の書き方は、ただ頼んだ2条件が「5階」にそろえ、プロンプトありの2条件は「5F」のまま残しました。ただ頼んだOpus 5.5は、ビル名のゆれを「どちらが正しいかはこの資料だけでは決められない」として片方に寄せずに残し、プロンプトありのOpus 5.5は、同じビルとみなして名簿を1件にまとめるかを人が決めるよう書きました。
ほかの表記ゆれの検証は、表記ゆれをAIで統一する検証と名寄せをAIで行う検証にまとめています。
住所正規化のプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。
次の住所を、次の形に正規化してください。 形:都道府県から番地まで1行。丁目・番地・号は半角数字とハイフン(例:東京都千代田区丸の内1-2-3)。漢数字は算用数字に直し、全角英数は半角にする。ビル名・階・部屋番号があれば、住所の後ろに半角スペースを空けて残す。 ルール: - 番地・号・階などの数字は、落とさず、変えない - 住所に書かれていない情報(郵便番号、市区町村の補完など)を足さない - 通り名や大字・字など、決まった形に直せない表記は、書かれたまま残し、行の末尾に「要確認」と付ける - 元の行番号を付けて表にする。同じ場所と思われる行があれば、最後に行番号の組で挙げる - 最後に、人が確認すべき行を挙げる [ここに住所の一覧を貼り付け]
使うときのコツ
- 揃えたい形を、例を付けて指定する。指定しないと、「丁目」を残すか、ハイフンにするかをAIが決めます。検証でも、ただ頼んだだけでは「丁目」を最初の数字にだけ残す形になった回がありました。
- 数字を落とさない・変えないルールを入れ、正規化の前後を見比べる。検証では欠落は0件でしたが、1組の名簿の結果です。取引先の件数が多いときは、元の住所と並べて抜き取りで確かめます。
- 決まった形に直せない住所は、無理に直させず「要確認」にさせる。京都の通り名や大字・字を、書かれたまま残すことで、情報が減りません。
- 同じ場所の候補は、AIが挙げた組を人が確かめてから統合する。ビル名や階の書き方が違う行は、同じ取引先とは限りません。
よくある質問
AIで住所の表記ゆれを統一すると、番地が落ちたり変わったりしませんか?
当社の検証(架空の住所20行で各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、番地・号・階の数字の欠落や変更はありませんでした。漢数字・全角数字・「二ノ四ノ六」も正しい数字になっています。ただし1組の名簿の結果なので、件数が多い名簿では元の住所と見比べて抜き取りで確かめます。
住所の正規化で、AIに任せにくいものは何ですか?
当社の検証では、京都の通り名(烏丸通二条上る)や大字・字のように決まった形に直せない住所は、そのまま残りました(プロンプトありの2条件では「要確認」が付きました)。ビル名の書き方の違い(すみれビルとスミレビル)は、どの条件でもそろえられませんでした。プロンプトで「要確認」にさせると、人が確かめる行が分かります。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月4日に行いました。検証の進め方は実測の進め方、方針は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。
この記事で使ったプロンプトは、ほかの業務書類のものと並べて、業務書類のAIプロンプト集から貼り付けて使えます。
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