書き方と実測

株主総会議事録の書き方と例文

要点メモをAIで株主総会議事録にしたときの議決権・可否・書き足しの実測・プロンプト

結論(先に)株主総会議事録は、議事の経過の要領とその結果を残す書類で、実務では議決権の数、各議案の賛成・反対の数、可決か否決かまで書きます。定時株主総会の要点メモ(架空)をAIに議事録にさせた当社の検証(各条件1回)では、議決権を行使できる株主の議決権(1,000個)と出席した議決権(720個)の取り違え、賛成・反対の数の誤りは4条件とも0件で、賛成が反対より多くても特別決議の3分の2に届かない議案を可決と書いた文面も0件でした。差が出たのは書き足しで、正解表の基準で×になったのは、プロンプトなしのHaiku 4.5が、メモに無い「480個」という数字を書いた1回だけです(Opus 5.5は2条件とも、メモに無い開会や閉会の宣言を書きました)。

株主総会議事録に書くこと

会社法施行規則第72条は、株主総会の議事録に載せる事項を定めています(e-Gov法令検索、2026年10月15日確認)。会社法第318条は、株主総会の議事録を作成し、株主総会の日から10年間、本店に備え置くことを定めています。

項目書くこと(会社法施行規則第72条第3項)
日時・場所株主総会が開かれた日時と場所。場所にいない取締役や監査役、株主が出席したときは、その出席の方法も書く
議事の経過と結果議事の経過の要領とその結果
意見・発言定められた規定により述べられた意見や発言があるときは、その概要
出席した役員出席した取締役、監査役などの氏名
議長議長がいるときは、その氏名
作成した取締役議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

決議の要件は議案によって違います。会社法第309条第1項は、普通決議を、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数で行うと定めています(定款に別段の定めがある場合を除く)。同条第2項は、列挙した議案(株式の併合を含む)の特別決議を、出席した株主の議決権の3分の2以上で行うと定めています。どの議案が特別決議にあたるかは、条文で確かめてください。AIは、会社の定款を見ていません。

株主総会議事録の例文

定時株主総会議事録

株式会社〇〇

1. 日時:〇年〇月〇日(〇)〇時〇分から〇時〇分
2. 場所:本店会議室
3. 議決権を行使できる株主の数:〇名、議決権の数:〇個
4. 出席した株主の数:〇名、出席した議決権の数:〇個
5. 出席した取締役:〇〇、〇〇 出席した監査役:〇〇
6. 議長:代表取締役 〇〇
7. 議事録を作った取締役:〇〇

第1号議案 〇〇の件
 賛成〇個、反対〇個。可決。
第2号議案 〇〇の件(特別決議が必要な議案)
 賛成〇個、反対〇個。〇〇のため可決(否決)。
質問:〇〇について質問があり、議長が〇〇と答えた。

作成日:  年  月  日
議長と議事録を作った取締役の署名押印欄

AIで株主総会議事録を作ったときの実測

定時株主総会の要点メモ(架空)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次のメモをもとに、株主総会議事録を作ってください。」とだけ頼む条件と、下の株主総会議事録のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ議事録にさせました(2026年10月15日)。メモには、議決権を行使できる株主12名・1,000個、出席8名・720個、3つの議案を入れています。第3号議案は株式併合(特別決議)で、賛成470個・反対250個と賛成のほうが多いのに、出席した議決権720個の3分の2(480個)に届かず否決です。議決権の数の取り違えと、賛成が多いから可決という誤りが出やすい形にしました。

【株主総会議事録を作る要点メモ】(架空)

会社:株式会社さくら商事
開催:2026年6月26日(金)10時00分から10時50分、本店会議室(定時株主総会)
議長:代表取締役 大野 剛
出席した取締役:大野 剛、坂本 恵、安田 修
出席した監査役:岡田 理恵
議事録を作った取締役:坂本 恵

議決権の状況:
 議決権を行使できる株主 12名、議決権の数 1,000個
 出席した株主(書面での行使と委任状を含む) 8名、出席した議決権の数 720個

議案と結果:
第1号議案 剰余金の配当(1株につき30円)
 賛成650個、反対70個。可決。
第2号議案 取締役2名の選任(候補者は2名とも原案どおり)
 賛成700個、反対20個。可決。
第3号議案 株式併合(10株を1株にする)
 特別決議が必要(出席した議決権の3分の2以上の賛成)。賛成470個、反対250個。賛成が3分の2に届かず否決。
質問:株主から配当の水準について質問があり、議長が「今期の利益から無理のない水準と判断した」と答えた。

書かないこと:議案の背景の説明、取締役の経歴、監査役の報告。
署名押印:議長と議事録を作った取締役の署名押印欄を置く。作成日は空欄にする。

採点は8項目です。①日時・場所 ②議長・出席した取締役と監査役・議事録を作った取締役 ③議決権の状況(1,000個と720個の区別) ④第1号議案(賛成650・反対70で可決) ⑤第2号議案(賛成700・反対20で可決) ⑥第3号議案(賛成470・反対250で否決) ⑦質問と答えの趣旨 ⑧メモに無い数字・氏名・日付・理由・決議事項・割合の計算などの書き足しが無く、署名押印欄があり作成日が空欄。題名・定型の結びは書き足しに数えていません。

条件8項目議決権の数・可否・書き足しの書き方メモに無い書き足し
Opus 5.5・プロンプトあり8 / 8議決権1,000個・出席720個を区別して書き、第1号は賛成650・反対70で可決、第2号は賛成700・反対20で可決、第3号は賛成470・反対250で「3分の2に届かず」否決。質問と答えは別の節に書いた。作成日は空欄、署名押印の欄ありなし(開会の宣言と閉会の宣言は、メモに無い出来事の書き足しだが、正解表の数える基準には当たらず、判断が分かれる点として残す)
Opus 5.5・ただ頼んだだけ8 / 88項目とも一致。質問と答えを第1号議案の中に書いた。第3号は「賛成が出席した議決権(720個)の3分の2に届かなかった」と書いたなし(開会・閉会の宣言のほか、議決権の状況を報告したこと、特別決議の要件を説明したことも、メモに無い出来事の書き足しだが、正解表の数える基準には当たらず、判断が分かれる点として残す)
Haiku 4.5・プロンプトあり8 / 88項目とも一致。第2号議案に候補者氏名の空欄を置いた。作成日は空欄、署名押印の欄ありなし
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ7 / 8議決権の状況、3つの議案の数と可否、質問と答えは一致。第2号議案の候補者氏名を〔候補者氏名〕の空欄にしたあり: 第3号議案に「3分の2である480個」というメモに無い数字を書いた(本文の後に確認事項4点も付けた)
  • 議決権の数は、4条件ともメモどおりだった。議決権を行使できる株主の議決権1,000個と、出席した議決権720個を取り違えた文面は0件でした。
  • 賛成・反対の数は、4条件とも3つの議案すべてで一致した。650と70、700と20、470と250の入れ替えや書き間違いは0件でした。
  • 賛成が反対より多い第3号議案を可決と書いた文面は、0件だった。4条件とも否決と書き、特別決議の3分の2に届かなかった旨を添えました。
  • 正解表の基準で×になった書き足しは、プロンプトなしのHaiku 4.5の1回だけだった。第3号議案に「3分の2である480個」とメモに無い数字を書きました。計算としては合っていますが、メモに無い数字なので、採点では×にしています。
  • Opus 5.5は2条件とも、メモに無い出来事を書いた。開会の宣言と閉会の宣言です。プロンプトなしの1回は、議決権の状況を報告したことと、特別決議の要件を説明したことも書きました。数字や氏名は変えていませんが、送る前に読み直す箇所です。
  • 候補者の氏名は、メモに無いので空欄になった。Haiku 4.5は2条件とも空欄を置き、プロンプトなしの1回は「実名を入れてください」と本文の後に書きました。氏名を作り上げた文面は0件でした。
  • 質問と答えを書く位置は、条件によって違った。プロンプトなしの2条件は第1号議案の中、プロンプトありの2条件は議案の後の別の節に書きました。実際の順序とずれていないか、読み直す箇所です。
  • プロンプトあり条件は2つとも、8項目すべて○だった。プロンプトなしのOpus 5.5も8項目が○で、差が出たのはプロンプトなしのHaiku 4.5の1回です。1回ずつの結果なので、プロンプトの効果とは言い切れません。
この検証の範囲:議決権1,000個の会社の定時株主総会という1つの架空のメモで、各条件1回ずつの結果です。会社・人物はすべて当社が作った架空のもので、実在の会社や人物とは関係ありません。株式併合の手続は、この検証では確かめていません。株式の併合が特別決議の対象であることは会社法第309条第2項で確かめましたが、メモの議案が会社の定款でどう扱われるかは確かめていません。メモに可否を書いたうえでの結果で、AIに可否を判断させた結果ではありません。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

株主総会議事録のプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。

株主総会議事録を作ってください。次のルールを守ってください。
1. 会社名・日時・場所・議長・出席役員・議事録を作った取締役は、メモのとおりに書く。
2. 議決権を行使できる株主の議決権の数と、出席した議決権の数を、区別して書く。
3. 議案ごとに、賛成・反対の議決権の数と、可決か否決かを、メモのとおりに書く。結果はメモにある結果をそのまま書き、自分で変えない。
4. 質問と答えは、メモにある趣旨だけを概要で書く。
5. メモの「書かないこと」には触れない。作成日は空欄にし、署名押印の欄を置く。
6. メモに無い数字・氏名・日付・理由・決議事項・割合の計算は足さない。

[ここに要点メモを貼り付け]

使うときのコツ

  • 議決権の数は、総数と出席分を分けてメモに書く。この検証のメモでは、4条件とも取り違えませんでした。
  • 可否は、メモに結果まで書く。この検証では、メモに書いた否決を、4条件とも可決に変えませんでした。AIに可否を判断させた検証ではありません。
  • メモに無い数字は、足させない。プロンプトなしのHaiku 4.5は、割合の基準にあたる480個を書き足しました。
  • 氏名などメモに無い項目は、空欄にさせる。この検証では、候補者氏名を作り上げた文面は0件でした。
  • 送る前に、決議の要件と定款を確かめる。AIは、会社の定款を見ていません。

よくある質問

株主総会議事録には何を書けばよいですか?

会社法施行規則第72条第3項は、開催の日時と場所(場所にいない出席者がいるときはその出席の方法)、議事の経過の要領とその結果、定められた規定により述べられた意見や発言の概要、出席した取締役・監査役などの氏名、議長の氏名、議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名などを定めています(2026年10月15日にe-Gov法令検索で確認)。会社法第318条は、議事録を株主総会の日から10年間、本店に備え置くと定めています。

AIに株主総会議事録を作らせると、議決権の数や可否を間違えますか?

当社の検証(定時株主総会の架空のメモ、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、議決権の総数と出席分の取り違え、賛成・反対の数の誤り、特別決議の3分の2に届かない議案を可決と書いた文面は4条件とも0件でした。メモに可否を書いたうえでの結果です。差が出たのは書き足しで、正解表の基準で×になったのは、プロンプトなしのHaiku 4.5がメモに無い数字(480個)を書いた1回です。1回ずつの結果で、精度を保証する数字ではありません。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月15日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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