取締役会議事録の書き方と例文
要点メモをAIで取締役会議事録にしたときの出席・議決・可否の実測・プロンプト
取締役会議事録に書くこと
会社法施行規則第101条は、取締役会の議事録に載せる事項を定めています(e-Gov法令検索、2026年10月15日確認)。この記事の検証が使うのは、次の部分です。
| 項目 | 書くこと(会社法施行規則第101条第3項) |
|---|---|
| 日時・場所 | 取締役会が開かれた日時と場所。場所にいない取締役や監査役などが出席したときは、その出席の方法も書く |
| 議事の経過と結果 | 議事の経過の要領とその結果 |
| 特別の利害関係 | 決議を要する事項に特別の利害関係がある取締役がいるときは、その氏名 |
| 意見・発言 | 定められた規定により述べられた意見や発言があるときは、その概要 |
| 議長 | 議長がいるときは、その氏名 |
会社法第369条は、取締役会の決議を、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数で行うと定め、特別の利害関係がある取締役は議決に加わることができないとしています。議事録が書面のときは、出席した取締役と監査役が署名または記名押印します(第369条第3項)。議事録に異議をとどめない取締役は、決議に賛成したものと推定されます(同条第5項)。ここに挙げた以外の記載事項(招集の経緯など)があります。実際の議事録は、条文と会社の定款で確かめてください。AIは、会社の定款や取締役会規程を見ていません。
取締役会議事録の例文
取締役会議事録 株式会社〇〇 1. 日時:〇年〇月〇日(〇)〇時〇分から〇時〇分 2. 場所:〇〇 3. 出席した取締役:〇〇、〇〇(〇〇はオンラインで参加) 4. 欠席した取締役:〇〇 5. 出席した監査役:〇〇 6. 議長:代表取締役 〇〇 第1号議案 〇〇の件 出席した取締役〇名の全員が賛成。可決。 第2号議案 〇〇の件 〇〇は特別の利害関係があるため、審議と採決に加わっていない。 採決に加わった〇名のうち、賛成〇名(〇〇、〇〇)、反対〇名(〇〇)。可決。 〇〇の意見:〇〇。 第3号議案 〇〇の件 賛成〇名、反対〇名。過半数に達せず否決。 作成日: 年 月 日 出席した取締役と監査役の署名押印欄
AIで取締役会議事録を作ったときの実測
取締役会の要点メモ(架空)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次のメモをもとに、取締役会議事録を作ってください。」とだけ頼む条件と、下の取締役会議事録のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ議事録にさせました(2026年10月15日)。メモには、取締役5名のうち4名が出席してうち1名はオンライン参加、1名が欠席、3つの議案を入れています。第2号議案は、特別の利害関係がある取締役が議決に加わらず、残る3名で採決します。第3号議案は賛成2・反対2で否決です。人数の数え方と可否が崩れやすい形にしました。
【取締役会議事録を作る要点メモ】(架空) 会社:株式会社みどり工業(取締役5名、監査役1名) 開催:2026年9月24日(木)15時00分から16時10分、本社3階会議室 議長:代表取締役 田島 誠 出席の取締役:田島 誠、河合 理沙、堀内 圭、村上 修(村上はオンラインで参加) 欠席の取締役:石川 浩二(出張のため) 出席した監査役:中西 和代 議案と結果: 第1号議案 新工場の設備投資(上限1億2,000万円) 出席した取締役4名の全員が賛成。可決。 第2号議案 堀内 圭が代表を務める堀内産業株式会社との土地賃貸借契約の締結 堀内は相手先の代表で特別の利害関係があるため、審議と採決に加わっていない。 採決に加わった3名のうち、賛成2名(田島、河合)、反対1名(村上)。可決。 村上の意見:賃料が近隣の相場より高いと思う。 第3号議案 役員報酬規程の改定 賛成2名(田島、河合)、反対2名(堀内、村上)。過半数に達せず否決。 書かないこと:議案の背景の説明、金額の根拠資料、監査役の発言。 署名押印:出席した取締役と監査役の署名押印欄を置く。作成日は空欄にする。
採点は8項目です。①日時・場所・オンライン参加の出席方法 ②出席した取締役4名・欠席1名・出席した監査役・議長 ③第1号議案(賛成4で可決) ④第2号議案で堀内 圭が議決に加わっていないこと ⑤第2号議案の賛成2・反対1と可決 ⑥第3号議案の賛成2・反対2と否決 ⑦村上 修の意見の概要 ⑧メモに無い数字・氏名・日付・理由・決議事項・条文の引用などの書き足しが無く、署名押印欄があり作成日が空欄。題名・定型の結びは書き足しに数えていません。
| 条件 | 8項目 | 出席・議決・可否の書き方 | メモに無い書き足し |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・プロンプトあり | 8 / 8 | 日時・場所・オンライン参加の村上、欠席の石川、出席監査役の中西が一致。第1号は賛成4で可決、第2号は堀内が審議と採決に加わらず賛成2・反対1で可決、第3号は賛成2・反対2で否決。作成日は空欄、署名押印の欄あり | なし |
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 8 / 8 | 8項目とも一致。第3号は「賛成が過半数に達しなかったため」否決と書いた。議事録本文の後に、確認事項を2点付けた(オンライン参加の確認と、村上の意見が発言の引用ではない旨) | なし(開会の宣言、会の成立の告知、閉会の宣言は、メモに無い出来事の書き足しだが、正解表の数える基準には当たらず、判断が分かれる点として残す) |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 8 / 8 | 8項目とも一致。第3号は「過半数に達しなかったため、否決」と書いた。作成日は空欄、署名押印の欄あり | なし(結びに「事実と相違ないことを証するため」の定型句) |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 7 / 8 | 出席・欠席、3つの議案の数と可否、堀内の扱いは一致。署名押印の表に、メモに無い出席方法「会場」を3名に付けた(村上は「オンライン」)。作成日の欄は「2026年 月 日」と年を入れた | あり: 議事録の末尾の注記に、会社法383条1項の条文を引き、監査役の発言の扱いに触れた(メモは監査役の発言を書かないとしていた)。会議の成立の宣言と閉会の宣言も書いた |
- 出席者と欠席者は、4条件ともメモどおりだった。欠席の石川 浩二を出席に入れた文面は0件、オンライン参加の村上 修を会議室の出席にした文面も0件でした。
- 特別の利害関係がある堀内 圭は、4条件とも議決に加えなかった。賛成2・反対1の3名で採決したと書き、堀内を賛成や反対に数えた文面は0件でした。
- 否決を可決と書いた文面は、0件だった。第3号議案の賛成2・反対2を、4条件とも「過半数に達せず」否決と書きました。
- 正解表の基準で×になった書き足しは、プロンプトなしのHaiku 4.5の1回だけだった。議事録の末尾の注記で会社法383条1項を引き、メモが書かないとした監査役の発言に触れました。メモにない条文の引用なので、採点では×にしています。
- プロンプトなしの2条件は、メモに無い出来事を書いた。Opus 5.5は開会の宣言、会の成立の告知、閉会の宣言を、Haiku 4.5は会議の成立の宣言と閉会の宣言を書きました。数字や氏名は変えていませんが、メモに無い出来事なので、送る前に読み直す箇所です。Opus 5.5は、本文の外に確認事項を2点付けてもいました。
- プロンプトあり条件は2つとも、8項目すべて○だった。プロンプトなしのOpus 5.5も8項目が○で、差が出たのはプロンプトなしのHaiku 4.5の1回です。1回ずつの結果なので、プロンプトの効果とは言い切れません。
取締役会議事録のプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。
取締役会議事録を作ってください。次のルールを守ってください。 1. 会社名・日時・場所・議長・出席者・欠席者・出席の方法は、メモの表記のとおりに書く。 2. 議案ごとに、賛成・反対の人数と氏名、可決か否決かを、メモのとおりに書く。 3. 特別の利害関係がある取締役は、議決に加えず、その旨を書く。 4. 出席者に数えるのは、メモで出席とされた人だけにする。 5. 述べられた意見は、メモにある趣旨だけを概要で書く。 6. メモの「書かないこと」には触れない。作成日は空欄にし、署名押印の欄を置く。 7. メモに無い数字・氏名・日付・理由・決議事項は足さない。 [ここに要点メモを貼り付け]
使うときのコツ
- 出席者と欠席者は、メモに分けて書く。この検証のメモでは、4条件とも取り違えませんでした。
- 特別の利害関係がある取締役は、メモに「加わっていない」と書く。書いたメモで、4条件とも議決に加えませんでした(書かなかったメモとは比べていません)。
- 可否は、メモに結果まで書く。この検証では、メモに書いた可否を、4条件とも変えませんでした。
- 書かないことは、メモに「書かないこと」と書く。それでもプロンプトなしのHaiku 4.5は、監査役の発言に触れました。
- 送る前に、条文や定款との整合を専門家と確かめる。AIは、会社の定款や取締役会規程を見ていません。
よくある質問
取締役会議事録には何を書けばよいですか?
会社法施行規則第101条第3項は、開催の日時と場所(場所にいない出席者がいるときはその出席の方法)、議事の経過の要領とその結果、特別の利害関係がある取締役の氏名、定められた規定により述べられた意見や発言の概要、議長の氏名などを定めています(2026年10月15日にe-Gov法令検索で確認)。書面の議事録には、出席した取締役と監査役が署名または記名押印します(会社法第369条第3項)。
AIに取締役会議事録を作らせると、賛成・反対の数や可否を間違えますか?
当社の検証(取締役会の架空のメモ、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、欠席の取締役を出席に入れた文面、特別の利害関係がある取締役を議決に加えた文面、否決を可決と書いた文面は4条件とも0件でした。差が出たのは書き足しで、正解表の基準で×になったのは、プロンプトなしのHaiku 4.5が会社法の条文を引き、メモが書かないとした監査役の発言に触れた1回です。1回ずつの結果で、精度を保証する数字ではありません。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月15日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。
会議の記録と決議の書類をAIで下書きし確認する仕組みづくりのご相談
合同会社フューチャープロンプトは、会議のメモから議事録を下書きし、出席者・賛成反対の数・可否が取り違えられていないかを確かめる手順まで含めた仕組みづくりをご一緒します。
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