書き方と実測

報酬の支払通知書をAIで集計する検証

報酬額と源泉徴収税額の取り違え・支払者ごとの合計の実測・プロンプト

結論(先に)フリーランスが受け取る報酬の支払通知書の束(架空・4枚、支払者は3つ)から、確定申告の入力用に、通知書ごとの報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額の一覧表と合計をAIに作らせました。Opus 5.5とHaiku 4.5を、ただ頼んだ条件とプロンプトを付けた条件の4通り(各1回)で試した結果、報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額の取り違えは4条件とも0件で、合計も一致しました。差が出たのは、頼んでいない税率の確認や申告の説明の書き足しです。

報酬の支払通知書の集計で確かめること

国税庁のタックスアンサー(No.2792)には、原稿料や講演料などの報酬・料金等を居住者に支払うとき、源泉徴収が必要になる場合があることが書かれています。フリーランスには、支払者ごとに「報酬のお知らせ」のような書面が届き、報酬額、消費税等、源泉徴収された税額、実際の振込額が並んでいます。

束を集計するときに起きやすい取り違えは、次の4つです。

  • 金額の種類:1枚に、報酬額、消費税等、源泉徴収税額、振込額の4つの金額が並んでいる。
  • 源泉徴収税額が0円の支払者:源泉徴収されていない支払者の欄を、飛ばしたり別の金額で埋めたりしない。
  • 同じ支払者の複数の通知書:同じ出版社から2枚届いているとき、1枚ごとの行を残したまま、支払者ごとの合計も出す。
  • 合計:報酬額、源泉徴収税額、振込額をそれぞれ足して、合計を出す。

源泉徴収税額が正しいか、その報酬が源泉徴収の対象かどうかは、この検証では扱っていません(通知書に書かれた数字を写して足せるかだけを見ています)。似た検証として、源泉徴収票の読み取りと住宅ローンの年末残高等証明書の集計があります。

AIに報酬の支払通知書の束を集計させたときの実測

下の通知書の束(架空・4枚)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の報酬の支払通知書の束から、確定申告の入力用に、通知書ごとの報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額の一覧表を作り、合計を出してください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを付ける条件で渡しました。4条件です(2026年10月15日)。

【報酬の支払通知書の束(4枚)】
受取人:山田 一郎(フリーランス。2025年分の確定申告の入力に使う予定)
※支払者名・受取人・金額・日付はすべて架空。各通知書の「報酬額」は消費税等を含まない金額、「振込額」は実際に口座へ入った金額である。

[1] 青葉出版 報酬のお支払いについて(お知らせ)
 支払日:2025年3月31日  内容:原稿料(コラム2本)
 報酬額(税抜):200,000円
 消費税等(10%):20,000円
 源泉徴収税額:20,420円
 振込額:199,580円

[2] 青葉出版 報酬のお支払いについて(お知らせ)
 支払日:2025年9月30日  内容:原稿料(特集記事1本)
 報酬額(税抜):350,000円
 消費税等(10%):35,000円
 源泉徴収税額:35,735円
 振込額:349,265円

[3] 北斗デザイン株式会社 お支払い通知書
 支払日:2025年6月30日  内容:チラシ制作費
 報酬額(税抜):120,000円
 消費税等(10%):12,000円
 源泉徴収税額:0円(源泉徴収なし)
 振込額:132,000円

[4] 瀬戸講演会事務局 お支払い明細
 支払日:2025年11月20日  内容:講演料(1回)
 報酬額(税抜):80,000円
 消費税等(10%):8,000円
 源泉徴収税額:8,168円
 振込額:79,832円

束には、青葉出版の2枚(原稿料)、北斗デザイン株式会社の1枚(源泉徴収なし)、瀬戸講演会事務局の1枚(講演料)を入れました。どの通知書にも、報酬額(税抜)、消費税等、源泉徴収税額、振込額の4つの金額が並んでいます。

採点は7項目です。①4枚すべてがあり、支払者名・支払日・内容が通知書どおり ②報酬額が4枚とも通知書どおり(振込額や消費税込の額にしない) ③源泉徴収税額が4枚とも通知書どおり(北斗デザインは0円) ④振込額が4枚とも通知書どおり ⑤青葉出版の2枚を別の行に残す ⑥合計が正しい(報酬額750,000円・源泉徴収税額64,323円・振込額760,677円) ⑦通知書に無い事項(税率の再確認、源泉徴収の対象かの判断、申告の助言)を足さない。結果は次のとおりです。

条件7項目集計・支払者ごとの合計差・書き足し
Opus 5.5・ただ頼んだだけ6 / 74枚すべてを表にし、報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額は通知書どおり。北斗デザインの源泉徴収税額は0円。合計は750,000円・75,000円・64,323円・760,677円。支払者ごとの小計と、報酬額+消費税等−源泉徴収税額=振込額の検算も付けた源泉徴収税額が「10.21%を掛けた額と一致」「報酬額が100万円以下なので、この率で正しい」と税率を確かめ、売上の入れ方(税込の825,000円か税抜の750,000円か)、「デザインの報酬は源泉徴収の対象になる場合があります」として北斗デザインに取り扱いを確認する案内、源泉徴収税額の入れ方と支払調書との照合、計上時期の注意を書いた
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7通知書4枚の表、支払者ごとの合計(青葉出版550,000円・56,155円など)、合計と各行の足し算の式が正解どおりなし
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ6 / 74枚すべてを表にし、各欄は通知書どおり。北斗デザインは「0円(源泉徴収なし)」。合計は4つとも正解どおりで、検算も付けた。支払者ごとの合計は出さなかった(依頼文に無いため減点なし)源泉徴収税額が「10.21%(100万円以下の部分)で計算されています」と税率を確かめ、「確定申告での扱い」を説明し、末尾で課税事業者か免税事業者かを聞いた
Haiku 4.5・プロンプトあり7 / 7通知書4枚の表、支払者ごとの合計、総合計、各行と全体の検算が正解どおりなし
  • 金額の取り違えは、4条件とも0件だった。報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額のどれも、別の欄の金額に置き換えた例はありませんでした。北斗デザインの源泉徴収税額0円も、4条件とも0円のまま写しました。
  • 合計は、4条件とも一致した。報酬額750,000円、消費税等75,000円、源泉徴収税額64,323円、振込額760,677円でした。報酬額+消費税等−源泉徴収税額=振込額の検算は、プロンプトありのOpus 5.5を除く3条件が付けていました(Opus 5.5は列ごとの足し算の式で合計を確かめました)。
  • 書き足しは、ただ頼んだ2条件に出た。どちらも、通知書の源泉徴収税額が10.21%で計算されていると確かめました。Opus 5.5は、売上の入れ方、北斗デザインへの確認、計上時期の注意まで書き、Haiku 4.5は、課税事業者か免税事業者かを聞き返しました。プロンプトありの2条件には出ませんでした。
  • プロンプトありの2条件は、7項目すべて合った。ただし1条件1回の結果で、プロンプトの効果と言える数ではありません。
この検証の範囲:架空の通知書4枚の束1つで、各条件1回ずつの結果です。束と正解は当社が作ったものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。4枚は文章にして渡しており、各金額がはっきり書かれた形です。実際の通知書や支払調書は、様式や書き方が支払者によって違い、画像やPDFで読み取る場合は別の結果になる可能性があります。源泉徴収税額の計算が正しいか、報酬が源泉徴収の対象になるかは調べていません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

報酬の支払通知書の集計のプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。

次の報酬の支払通知書の束から、確定申告の入力用に、通知書ごとの報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額の一覧表を作り、合計を出してください。ルールは次の5つです。
1. 通知書は1枚も落とさず、支払者名・支払日・内容・報酬額(税抜)・消費税等・源泉徴収税額・振込額を、通知書のとおりに表にする。振込額や消費税等を、報酬額や源泉徴収税額として書かない。
2. 源泉徴収税額が0円の通知書も、0円として行に残す。
3. 同じ支払者から複数の通知書があるときは、通知書ごとの行を残し、支払者ごとの合計も出す。
4. 報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額の合計を出し、各行の足し算で確かめる。
5. 通知書に書かれていない事柄(源泉徴収税額の再計算や税率の指摘、源泉徴収の対象かどうかの判断、所得区分や申告方法の助言、書かれていない金額・日付)は、書き足さない。

[ここに報酬の支払通知書の内容を貼り付け]

使うときのコツ

  • 源泉徴収税額が0円の通知書も行に残させる。この検証では、ただ頼んだだけでも0円のまま写りましたが、行数と通知書の枚数を合わせると確かめやすくなります。
  • 同じ支払者の通知書は、行を分けて残させる。支払者ごとの合計も出させると、支払調書が届いたときの突き合わせに使えます。
  • 「税率の再確認や申告の助言は書かない」を入れる。ただ頼んだ2条件が、税率の確認や申告の説明を足しました。
  • 合計は、足し算の式を書かせる。各行を足した式があれば、手元の電卓で確かめられます。

まとめ

報酬の支払通知書の束を集計させると、Opus 5.5・Haiku 4.5ともに、報酬額と源泉徴収税額を取り違えず、源泉徴収税額が0円の通知書も0円のまま写し、全体の合計を出しました。差が出たのは、頼んでいない税率の確認や申告の説明の書き足しです。見る場所は、表の源泉徴収税額の列と、頼んだ範囲を超えた説明です。

よくある質問

報酬の支払通知書をAIに集計させると、報酬額と源泉徴収税額を取り違えますか。

この検証(架空の通知書4枚、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、4条件すべてで、報酬額・消費税等・源泉徴収税額・振込額の取り違えは0件で、合計(報酬額750,000円・源泉徴収税額64,323円・振込額760,677円)も一致しました。源泉徴収税額が0円の通知書も0円のまま写しました。差が出たのは書き足しで、ただ頼んだ2条件に、頼んでいない税率の確認や申告の説明がありました。実際の通知書の画像やPDFは試していません。

報酬から源泉徴収される税は、消費税を含めた額に対してかかりますか。

国税庁のタックスアンサー(No.2792)には、報酬・料金等の額に消費税等の額が含まれている場合は、原則として消費税等の額を含めた金額が源泉徴収の対象となり、請求書等で報酬・料金等の額と消費税等の額が明確に区分されている場合は、報酬・料金等の額のみを対象としても差し支えないと書かれています。個別の取扱いは、税務署や税理士に確かめてください。

この通知書の支払者や金額は実在しますか。

いいえ。支払者・受取人・金額・日付はすべて当社が作った架空のものです。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月15日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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