書き方と実測

住宅ローンの年末残高等証明書をAIで集計する検証

年末残高の取り違えと合計の実測・プロンプト

結論(先に)住宅ローンの年末残高等証明書の束(架空・3枚、金融機関は2つ)から、住宅ローン控除の入力用に、借入ごとの年末残高の一覧表と合計をAIに作らせました。Opus 5.5とHaiku 4.5を、ただ頼んだ条件とプロンプトを付けた条件の4通り(各1回)で試した結果、年末残高・金融機関名・借入の種類の取り違えと、当初の借入金額や前年末残高を年末残高にする誤りは4条件とも0件で、合計38,624,000円も一致しました。差が出たのは、頼んでいない控除の説明や案内の書き足しです。

住宅ローンの年末残高等証明書の集計で確かめること

国税庁のタックスアンサー(No.1211-1)には、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を2年目以後に受けるとき、確定申告書に「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を添付することが書かれています。2か所以上から交付を受けている場合は、そのすべての証明書が必要です。なお、同じページには、「調書方式」に対応した金融機関から借り入れを行い、適用申請書を提出している場合は一部の提出書類が異なるとあります。給与所得者は、2年目以後の年分は年末調整で適用を受けることもでき、その場合もこの証明書を勤務先に提出します。

複数の金融機関や複数の契約があると、証明書が束になります。束を集計するときに起きやすい取り違えは、次の4つです。

  • 金額の種類:1枚に、当初の借入金額、前年末の残高、年中の元金返済額、年末残高が並んでいる。
  • 基準日:年末残高は、年末(12月31日)時点の残高である。
  • 同じ金融機関の別契約:同じ銀行から2枚出ているとき、1契約ごとの行を残したまま、金融機関ごとの合計も出す。
  • 合計:各証明書の年末残高を足して、合計を出す。

控除額の計算、借入限度額、増改築のローンが控除の対象になるかどうかは、この検証では扱っていません。似た検証として、ふるさと納税の寄附金受領証明書の集計と医療費の領収書の集計があります。

AIに年末残高等証明書の束を集計させたときの実測

下の証明書の束(架空・3枚)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の住宅借入金等の年末残高等証明書の束から、住宅ローン控除の入力用に、借入ごとの年末残高の一覧表を作り、年末残高の合計を出してください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを付ける条件で渡しました。4条件です(2026年10月15日)。

【住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書の束(3枚)】
借入者:田中 花子(2025年分の住宅ローン控除の入力に使う予定)
※金融機関名・借入者・金額・日付はすべて架空。各証明書の「年末残高」は、2025年12月31日現在の借入金の残高である。

[1] 桜川銀行 住宅借入金の年末残高等証明書
 借入の種類:住宅ローン(家屋・土地)
 借入年月日:2023年4月20日  償還期間:35年
 当初の借入金額:32,000,000円
 前年(2024年)12月31日の残高:30,512,000円
 2025年中の元金返済額:1,364,000円
 2025年12月31日の年末残高:29,148,000円

[2] 北浜信用金庫 住宅借入金の年末残高等証明書
 借入の種類:住宅ローン(家屋)
 借入年月日:2023年4月20日  償還期間:25年
 当初の借入金額:8,000,000円
 前年(2024年)12月31日の残高:7,621,000円
 2025年中の元金返済額:335,000円
 2025年12月31日の年末残高:7,286,000円

[3] 桜川銀行 住宅借入金の年末残高等証明書
 借入の種類:増改築ローン(別契約)
 借入年月日:2024年9月6日  償還期間:10年
 当初の借入金額:2,500,000円
 前年(2024年)12月31日の残高:2,402,000円
 2025年中の元金返済額:212,000円
 2025年12月31日の年末残高:2,190,000円

束には、桜川銀行の2契約(住宅ローンと増改築ローン)、北浜信用金庫の1契約を入れました。どの証明書にも、当初の借入金額、前年末の残高、年中の元金返済額、年末残高の4つの金額が並んでいます。

採点は7項目です。①3枚すべてがあり、金融機関名・借入の種類が証明書どおり ②年末残高が3枚とも証明書どおり(当初の借入金額・前年末残高・返済額を年末残高にしない) ③桜川銀行の2契約を別の行に残す ④年末残高の合計が38,624,000円 ⑤基準日が2025年12月31日になっている ⑥借入年月日・当初の借入金額を書いた場合は証明書どおり ⑦証明書に無い事項(控除額・借入限度額の計算、控除の対象かの判断、制度の助言)を足さない。結果は次のとおりです。

条件7項目集計・金融機関ごとの合計差・書き足し
Opus 5.5・ただ頼んだだけ6 / 73枚すべてを表にし、年末残高は29,148,000円・7,286,000円・2,190,000円で証明書どおり。合計38,624,000円。当初の借入金額・前年末残高・元金返済額の列も足したが、年末残高とは混ぜなかった。前年末残高から返済額を引く検算も付けた「控除の区分・借入限度額・控除期間が違うことがあります」「合計額をそのまま1行で入力できるとは限りません」と書き、「同じ家屋の取得のために借りたのであれば」という条件つきで、控除の対象になる借入額の上限の説明も足した
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7証明書3枚の表(基準日2025年12月31日つき)、金融機関ごとの合計(桜川銀行31,338,000円・北浜信用金庫7,286,000円)、合計38,624,000円と、2通りの足し算での照合が正解どおりなし(控除額の計算や判断は書いていないと断った)
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ6 / 73枚すべてを表にし、年末残高は証明書どおり、合計38,624,000円。当初の借入金額などの列も足したが、年末残高とは混ぜなかった。前年末残高から返済額を引くと年末残高に一致すると、1文で確かめた(式は無し)増改築ローンは「控除の対象になるかは、工事内容や住宅の要件で決まる」として国税庁の案内での確認を勧め、「実際の控除額は、住宅の種類・入居年・借入限度額などで上限がかかる」と書き、入力は借入ごとに行うとも案内した
Haiku 4.5・プロンプトあり6 / 7証明書3枚の表(基準日つき)、金融機関ごとの合計、合計38,624,000円と照合が正解どおり。前年末残高から返済額を引く検算も付けた「次に確認する場合は、税務署や税理士に、この表の年末残高の合計を入力用の数字として渡してください」と書いた。制度の助言ではなく手順の案内とも読めるため、判断が分かれる
  • 年末残高・金融機関名・借入の種類の取り違えは、4条件とも0件だった。当初の借入金額、前年末の残高、元金返済額を年末残高として書いた例も0件でした。ただ頼んだだけの2条件は、4つの金額を列に並べたうえで、年末残高の列を正しく合計しました。
  • 合計は、4条件とも38,624,000円で一致した。前年末残高から返済額を引いて年末残高になることを確かめる検算は、プロンプトありのOpus 5.5を除く3条件が付けていました(プロンプトありのOpus 5.5は、各行の足し算での照合だけ)。プロンプトありの2条件は、金融機関ごとの合計(桜川銀行31,338,000円・北浜信用金庫7,286,000円)も出しました。
  • 書き足しは、4条件のうち3条件に出た。ただ頼んだだけの2条件は、増改築ローンの扱いや、控除額に上限がかかることを説明しました。プロンプトありのHaiku 4.5は、税務署や税理士に合計を渡すよう案内しました。これは制度の助言ではなく手順の案内とも読めるため、書き足しに数えるかは判断が分かれます。この検証では、証明書に無い案内として×にしました。
  • プロンプトありのOpus 5.5は、7項目すべて合った。ただし1条件1回の結果で、プロンプトの効果と言える数ではありません。
この検証の範囲:架空の証明書3枚の束1つで、各条件1回ずつの結果です。束と正解は当社が作ったものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。3枚は文章にして渡しており、年末残高が3枚ともはっきり書かれた形です。実際の証明書は、様式や書き方が金融機関によって違い、画像やPDFで読み取る場合は別の結果になる可能性があります。控除額の計算、借入限度額、増改築ローンが控除の対象になるかは調べていません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

年末残高等証明書の集計プロンプト(コピー用)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。

次の住宅借入金等の年末残高等証明書の束から、住宅ローン控除の入力用に、借入ごとの年末残高の一覧表を作り、年末残高の合計を出してください。ルールは次の5つです。
1. 証明書は1枚も落とさず、金融機関名・借入の種類・年末残高を、証明書のとおりに表にする。当初の借入金額、前年末の残高、年中の元金返済額を、年末残高として書かない。
2. 年末残高は、証明書に書かれた基準日(年末)の残高だけを使い、基準日を表に書く。
3. 同じ金融機関から複数の借入があるときは、契約ごとの行を残し、金融機関ごとの合計も出す。
4. 年末残高の合計を出し、各行の足し算で確かめる。
5. 証明書に書かれていない事柄(控除額・還付額・借入限度額の計算、控除の対象になるかの判断、制度の助言、書かれていない金額・日付)は、書き足さない。

[ここに年末残高等証明書の内容を貼り付け]

使うときのコツ

  • 基準日を表に書かせる。前年末の残高と混ざっていないかを、表を見て確かめられます。
  • 同じ金融機関の別契約は、行を分けて残させる。金融機関ごとの合計も出させると、証明書の枚数と合わせて確かめられます。
  • 「控除額・借入限度額の計算や制度の助言は書かない」を入れる。ただ頼んだだけの2条件が、控除の説明を足しました。
  • 合計は、足し算の式を書かせる。各行の年末残高を足した式があれば、手元の電卓で確かめられます。

まとめ

住宅ローンの年末残高等証明書の束を集計させると、Opus 5.5・Haiku 4.5ともに、年末残高を取り違えず、当初の借入金額や前年末残高を混ぜずに、合計38,624,000円を出しました。差が出たのは、頼んでいない控除の説明や案内の書き足しです。見る場所は、表の年末残高の列と、頼んだ範囲を超えた説明です。

よくある質問

住宅ローンの年末残高等証明書をAIに集計させると、年末残高を取り違えますか。

この検証(架空の証明書3枚、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、4条件すべてで、年末残高・金融機関名・借入の種類の取り違えは0件で、合計38,624,000円も一致しました。当初の借入金額や前年末の残高を年末残高として書いた例もありませんでした。差が出たのは書き足しで、4条件のうち3条件に、頼んでいない控除の説明や案内がありました。実際の証明書の読み取りは、画像では試していません。

証明書が複数の金融機関から出ているとき、何を添付すればよいですか。

国税庁のタックスアンサー(No.1211-1)には、「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」について、2か所以上から交付を受けている場合は、そのすべての証明書を添付すると書かれています。控除の対象になる借入かどうかなど個別の判断は、税務署や税理士に確かめてください。

この証明書の金融機関や金額は実在しますか。

いいえ。金融機関名・借入者・金額・日付はすべて当社が作った架空のものです。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月15日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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