書き方と実測

扶養控除等申告書をAIに読ませて一覧にする検証

区分の取り違えと人数の集計の実測・プロンプト

結論(先に)扶養控除等申告書の内容(架空・配偶者1人、控除対象扶養親族3人、16歳未満の扶養親族1人)から、人ごとの一覧表と区分ごとの人数をAIに作らせました。Opus 5.5とHaiku 4.5を、ただ頼んだ条件とプロンプトを付けた条件の4通り(各1回)で試した結果、人の落ち、「同居老親等」と「同居老親等以外」の入れ替え、所得の見積額の取り違えは4条件とも0件でした。差が出たのは、Haiku 4.5のただ頼んだ条件にあった、頼んでいない年齢の計算や判定の助言の書き足しです。

扶養控除等申告書の読み取りで確かめること

扶養控除等申告書には、配偶者や扶養親族ごとに、続柄、生年月日、区分、同居か別居か、所得の見積額、障害者の別などが並びます。国税庁のタックスアンサー(No.1180)には、控除額は区分で違い、一般の控除対象扶養親族が38万円、特定扶養親族が63万円、老人扶養親族のうち同居老親等以外の者が48万円、同居老親等が58万円と書かれています。老人扶養親族は、この表で「同居老親等」と「同居老親等以外の者」に分かれます。区分の取り違えは、控除額の違いにつながります。

一覧にまとめさせるときに起きやすい取り違えは、次の4つです。

  • 同居老親等と同居老親等以外:同じ老人扶養親族が2人いて、同居か別居かで区分名が違う。
  • 所得の見積額と、似た金額:給与収入の見込額や、生活費・教育費の送金額が、別の欄に並ぶ。
  • 欄の違う人:源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族、16歳未満の扶養親族が別の欄に書かれる。
  • 人数の集計:区分ごとの人数を数える。

扶養に入れられるか、所得の要件を満たすか、区分が正しいかは、この検証では扱っていません(申告書に書かれた内容を取り違えずに写し、数えられるかだけを見ています)。似た検証として、生命保険料控除証明書の読み取りと源泉徴収票の読み取りがあります。

AIに扶養控除等申告書を一覧にさせたときの実測

下の申告書の内容(架空・配偶者と扶養親族の計5人)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の扶養控除等申告書の内容を、人ごとの一覧表にまとめ、区分ごとの人数を出してください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを付ける条件で渡しました。4条件です(2026年10月15日)。

【給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(令和8年分)の内容(架空)】
※氏名・住所・金額・日付はすべて架空。実際の様式の再現ではなく、項目名と並びは当社が作ったものである。

[申告する人(給与の支払を受ける人)]
氏名:中村 太郎  勤務先:株式会社北海工業  住所:札幌市中央区北1条西0丁目0番地0

[源泉控除対象配偶者]
氏名:中村 花子  続柄:妻  生年月日:1985年4月12日  同居・別居:同居
給与収入の見込額:1,000,000円  所得の見積額:450,000円  障害者の別:なし

[控除対象扶養親族(16歳以上)]
1. 氏名:中村 健一  続柄:長男  生年月日:2004年5月10日  区分:特定扶養親族
   同居・別居:同居  所得の見積額:0円  障害者の別:なし  生活費・教育費の送金額:0円
2. 氏名:中村 松子  続柄:母  生年月日:1948年2月20日  区分:老人扶養親族(同居老親等)
   同居・別居:同居  所得の見積額:380,000円(公的年金)  障害者の別:なし  生活費・教育費の送金額:0円
3. 氏名:山口 梅子  続柄:妻の母  生年月日:1950年9月1日  区分:老人扶養親族(同居老親等以外)
   同居・別居:別居(住所:旭川市2条通0丁目0番地0)  所得の見積額:300,000円(公的年金)  障害者の別:一般の障害者  生活費・教育費の送金額:480,000円

[16歳未満の扶養親族]
氏名:中村 さくら  続柄:長女  生年月日:2012年8月3日
同居・別居:同居  所得の見積額:0円  障害者の別:なし

[異動月日及び事由]
2026年7月1日 山口 梅子が別居となった(住所を旭川市に変更)

内容には、源泉控除対象配偶者の妻1人、控除対象扶養親族の長男(特定扶養親族)・母(老人扶養親族の同居老親等)・妻の母(老人扶養親族の同居老親等以外、別居、一般の障害者、送金あり)、16歳未満の長女を入れました。妻の欄には、給与収入の見込額と所得の見積額の2つの金額があります。

採点は7項目です。①5人すべてがあり、氏名・続柄・生年月日が申告書どおり ②区分が申告書どおり(同居老親等と同居老親等以外を入れ替えない) ③同居・別居が申告書どおり ④所得の見積額が5人とも申告書どおり ⑤障害者の別と、妻の母の送金額が申告書どおり ⑥区分ごとの人数が正しい ⑦申告書に無い事項(扶養の可否の判断、年齢や所得要件の再確認、控除額の計算、助言)を足さない。結果は次のとおりです。

条件7項目読み取り・人数差・書き足し
Opus 5.5・ただ頼んだだけ7 / 75人すべてを表にし、区分は申告書どおり(健一=特定、松子=同居老親等、梅子=同居老親等以外)。梅子だけ別居・一般の障害者・送金480,000円。花子の所得の見積額450,000円に給与収入の見込額1,000,000円を併記。人数は配偶者1・控除対象扶養親族3(特定1・老人2)・16歳未満1なし(末尾に、控除額の計算と記載が正しいかの判定はしていないと書いた)
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 75人の表と区分ごとの人数が正解どおり。花子の給与収入の見込額は別の欄の金額だと注記なし
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ6 / 7申告する人を含む6行の表。各欄は申告書どおりで、区分も入れ替えていない。人数も正解どおり年齢を計算して併記し、16歳未満を「扶養控除の対象外として記載」と書き、梅子の別居は年末時点と一致すると述べ、区分の根拠の照合を勧め、花子の所得の見積額が源泉控除対象配偶者の判定基準を満たすかの照合も勧めた
Haiku 4.5・プロンプトあり7 / 75人の表と区分ごとの人数が正解どおり。区分欄に記載がない人は「区分欄の記載なし」と書いたなし
  • 取り違えは、4条件とも0件だった。人の落ち、区分の入れ替え、所得の見積額と給与収入の見込額・送金額の取り違えは、どの条件にもありませんでした。区分ごとの人数も4条件とも正解と一致しました(配偶者1人、特定1人、老人2人、16歳未満1人)。
  • 書き足しは、Haiku 4.5のただ頼んだ条件に出た。年齢の計算を併記し、区分の根拠の照合や、妻の所得の見積額が判定基準を満たすかの照合を勧めました。ほかの3条件には、判定や助言はありませんでした。
  • プロンプトありの2条件は、7項目すべて合った。ただし1条件1回の結果で、プロンプトの効果と言える数ではありません。
この検証の範囲:架空の申告書の内容1つ(5人)で、各条件1回ずつの結果です。内容と正解は当社が作ったものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。内容は文章にして渡しており、区分や金額がはっきり書かれた形です。実際の申告書は、様式や書き方が勤務先や年分で違い、手書きの画像やPDFで読み取る場合は別の結果になる可能性があります。扶養に入れられるか、区分が正しいか、所得の要件を満たすかは調べていません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

扶養控除等申告書の一覧づくりのプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。

次の扶養控除等申告書の内容から、人ごとの一覧表(氏名・続柄・生年月日・区分・同居か別居か・所得の見積額・障害者の別)を作り、区分ごとの人数を出してください。ルールは次の5つです。
1. 配偶者と扶養親族は1人も落とさず、申告書に書かれたとおりに表にする。続柄や区分を入れ替えない。
2. 区分(特定扶養親族、老人扶養親族の同居老親等と同居老親等以外など)は、申告書に書かれたとおりに写す。
3. 所得の見積額は、給与収入の見込額や生活費・教育費の送金額と取り違えず、「所得の見積額」の欄の金額を書く。
4. 別居の人は住所も書く。障害者の別と、生活費・教育費の送金額も書く。
5. 申告書に書かれていない事柄(扶養に入れられるかの判断、所得要件や年齢の再確認、控除額の計算、年末調整や申告の助言、書かれていない金額・日付)は、書き足さない。

[ここに扶養控除等申告書の内容を貼り付け]

使うときのコツ

  • 区分は「書かれたとおりに写す」と伝える。この検証では、ただ頼んだだけでも入れ替わりは出ませんでしたが、区分名が長いので、写したあとに原本と見比べると確かめやすくなります。
  • 所得の見積額の欄を指定する。給与収入の見込額や送金額が近くに並ぶので、どの欄の金額かを書かせると、人が突き合わせやすくなります。
  • 「判断や助言は書かない」を入れる。ただ頼んだ条件の1つが、年齢の計算や判定基準の照合を足しました。
  • 人数は、区分ごとに内訳を書かせる。内訳があれば、表の行と数え合わせられます。

まとめ

扶養控除等申告書の内容を一覧にさせたところ、Opus 5.5もHaiku 4.5も、人を落としませんでした。同居老親等と同居老親等以外も入れ替えず、所得の見積額も取り違えず、人数も正しく数えました。差が出たのは、頼んでいない年齢の計算や判定の助言の書き足しです。確かめるのは、一覧の区分の列と、頼んだ範囲を超えた説明の有無です。

よくある質問

扶養控除等申告書をAIに読ませると、同居老親等とそれ以外を取り違えますか。

この検証(架空の申告書1通、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、4条件すべてで、老人扶養親族の「同居老親等」と「同居老親等以外」の入れ替え、人の落ち、所得の見積額と給与収入の見込額・送金額の取り違えは0件でした。差が出たのは書き足しで、Haiku 4.5のただ頼んだ条件に、年齢の計算や、所得が基準を満たすかの照合を勧める文がありました。実際の申告書の画像やPDFは試していません。

扶養控除の金額は、区分によって違いますか。

国税庁のタックスアンサー(No.1180)には、控除額は一般の控除対象扶養親族が38万円、特定扶養親族が63万円、老人扶養親族のうち同居老親等以外の者が48万円、同居老親等が58万円と書かれています。区分の取り違えは控除額の違いにつながるため、読み取りのあとに人が確かめる価値があります。個別の取扱いは、勤務先や税務署に確かめてください。

この申告書の氏名や金額は実在しますか。

いいえ。氏名・住所・金額・日付はすべて当社が作った架空のものです。実際の様式の再現でもありません。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月15日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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