見積書の比較

相見積もりの見積書3社をAIで比較表にする精度検証

税込・税抜のそろえ方・別途費用・記載なしの項目とプロンプト

結論(先に)様式の違う架空の見積書3枚(税抜の表・すべて税込の箇条書き・消費税別の文章)を、答えを知らないClaude(Opus 5.5・Haiku 4.5)に比較表にさせました。Haiku 4.5にただ頼んだ条件だけが、税込で書かれたB社の330,000円を税抜の欄に入れ、C社の税込を324,150円と計算し(正しくは323,950円)、「最安値:C社」と書きました。税込・税抜のそろえ方と「記載なし」の扱いを決めたプロンプトでは、Haiku 4.5も総額を3社とも正しくそろえました。Opus 5.5は両条件とも7項目を満たしました(各条件1回)。

相見積もりの見積書は、会社ごとに様式も項目名も違います。税込で書く会社と税抜で書く会社が混ざり、撮影や配送が含まれるかどうか、有効期限が書いてあるかどうかもそろいません。このページでは、様式の違う3社の見積書をAIに比較表にさせたとき、税込と税抜をそろえられるか、別途の費用を取りこぼさないか、書いていない項目を埋めないかを確かめた結果と、比較表を作らせるプロンプトを紹介します。

検証方法

当社で、会社案内パンフレット(A4・8ページ・1,000部)の架空の見積書を3社分作りました。会社名は A社・B社・C社 とし、実在の会社とは関係ありません。

架空の見積書(A社・表形式で明細は税抜)
A社:表形式。明細は税抜で、値引き15,000円を引き、消費税を足して税込363,000円
架空の見積書(B社・箇条書きですべて税込)
B社:箇条書き。内訳もすべて税込で330,000円。撮影は含まない
架空の見積書(C社・文章で消費税別)
C社:文章。5%値引き後294,500円(消費税別)。配送料は実費で別途

見出しの額をそのまま並べると、A社363,000円(税込)・B社330,000円(税込)・C社294,500円(消費税別)で、C社だけ税抜です。税込でそろえると、A社363,000円・B社330,000円・C社323,950円になります。さらに、B社は撮影を含まず、C社は配送料が別途なので、総額は同じ内容の比較ではありません。有効期限はC社に、納期はB社に、校正の回数はB社・C社に、用紙はA社・B社に書いていません。

答えを知らないClaude(Opus 5.5・Haiku 4.5)に、画像3枚と依頼文だけを渡しました(各条件1回)。依頼文は、下のプロンプトを渡した条件と、「この3社の見積書を比較表にしてください。」とだけ頼んだ条件の2つです。採点は、税込の総額・税抜の総額・値引き2件・B社の撮影が含まれないこと・C社の配送料が別途であること・A社の校正の追加料金・書いていない項目を埋めないこと、の7項目です。

結果:税込・税抜のそろえ方と別途費用の拾い方

条件7項目総額のそろえ方気になった点
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7税抜・税込とも3社正しい。計算した額に「(計算)」なし
Opus 5.5・ただ頼んだ7 / 7税抜・税込とも3社正しい。C社は「※323,950円+配送実費」頼んでいない「比べるときの注意点」と各社への確認事項を添えた(どの会社がよいかは書いていない)
Haiku 4.5・プロンプトあり7 / 7税抜・税込とも3社正しいA社の金額表示を「税込」とした(明細は税抜)。B社の税抜300,000円に「(計算)」の印が無い。内訳の行でB社だけ税込の額を断りなく並べた。「校了後7営業日」を「枚子後7営業日」と読み違えた
Haiku 4.5・ただ頼んだ5 / 7B社の330,000円(税込)を「小計(税抜)」「割引後(税抜)」の欄に入れた。C社の税込を324,150円と計算した(正しくは323,950円)「最安値:C社(消費税込み324,150円)」と書いた

回答の原文と採点は、架空の見積書・正解表と一緒に保存しています。

わかったこと

  • ただ頼んだHaiku 4.5は、税込の額を税抜の欄に入れた。B社の見積書には「内訳(金額はすべて税込です)」と書いてありますが、回答は330,000円を「小計(税抜)」と「割引後(税抜)」の両方に入れ、C社の税込は324,150円と計算しました。そのうえで「最安値:C社(消費税込み324,150円)」と書いています。
  • 税込・税抜のそろえ方を決めたプロンプトでは、Haiku 4.5も総額を正しくそろえた。「総額は税抜と税込の両方をそろえて出す」「計算した額には「(計算)」と付ける」と決めた条件では、B社の税抜300,000円・C社の税込323,950円を正しく出しました。ただし、B社の税抜300,000円には「(計算)」の印が無く、内訳の行ではB社だけ税込の額を断りなく並べ、A社の金額表示を「税込」としていました。
  • 別途の費用は、4条件とも拾った。B社の撮影が含まれないこと、C社の配送料が実費で別途であること、A社の校正3回目以降の追加料金(1回10,000円・税抜)は、どの条件の回答にもありました。
  • 書いていない項目を、推測で埋めた回答は無かった。C社の有効期限、B社の納期、B社・C社の校正の回数、A社・B社の用紙は、4条件とも「記載なし」とするか、触れていませんでした。
  • Opus 5.5は、ただ頼んでも同じ内容の比較ではないことを書き添えた。「税込の総額はC社がいちばん安く見えますが、配送料が入っていません。B社は撮影が入っていません。」と書き、各社に確かめることを並べました。

見積書の比較表を作らせるプロンプト(コピーして使えます)

検証で使ったプロンプトです。見積書の画像やPDFと一緒に渡します。

添付した3社の見積書を、次の決まりで比較表にしてください。
1. 会社ごとに、見積書の金額が税込表示か税抜表示かを書く
2. 総額は税抜と税込の両方をそろえて出す。見積書に書いていない方は、税抜×1.1 または 税込÷1.1 で計算し、計算した額には「(計算)」と付ける
3. 値引きがあれば、値引き前の額と値引きの額も書く
4. 内訳の項目(デザイン・撮影・印刷・配送など)ごとに、含まれるか・いくらかを並べる
5. 見積もりに含まれない費用(別途・実費・追加料金)を1つの行にまとめる
6. 有効期限・納期・校正の回数・用紙は、見積書に書いてあるとおりに写し、書いていないものは「記載なし」とする。推測で埋めない
7. どの会社を選ぶべきかは書かない

使うときのコツ

  • 税込か税抜かを最初に書かせる。表示の違いを列にしておくと、そろえた額のどれが計算したものか確かめやすくなります。
  • 計算した額に印を付けさせる。見積書に書いてある額と、AIが計算した額を見分けられます。この検証では、C社の税込額の計算違いが、ただ頼んだHaiku 4.5で起きました。
  • 別途の費用を1つの行にまとめさせる。撮影・配送・追加の校正のように、総額に入っていない費用を見落としにくくなります。
  • どの会社がよいかは書かせない。含まれる作業が違う見積書の総額を並べて「最安値」を決めると、この検証のように、撮影を含まないB社や配送料が別途のC社を、同じ内容として並べることになります。
この検証の範囲:架空の見積書3枚(画像)で、各条件1回ずつの結果です。見積書と正解は当社が作った架空のもので、実在の会社とは関係ありません。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。PDFの見積書、ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

まとめ

様式の違う3社の見積書を比較表にさせると、別途の費用は4条件とも拾い、書いていない項目を推測で埋めた回答もありませんでした。差が出たのは税込と税抜のそろえ方で、ただ頼んだHaiku 4.5は税込の額を税抜の欄に入れ、消費税別の見積書の税込額を計算違いしました。比較表を作らせるときは、税込・税抜の表示と、計算した額の印、別途の費用の行を決めたプロンプトにし、総額は見積書の数字と見比べてください。見積書そのものの計算の誤りを見つける方法は、見積書の計算ミスをAIで検出する検証にまとめています。

よくある質問

AIに相見積もりの比較表を作らせたら、どこを確かめればよいですか。

各社の総額が税込・税抜のどちらでそろっているかと、見積もりに含まれない費用(別途・実費・追加料金)の行です。この検証では、Haiku 4.5にただ頼んだ条件で、税込で書かれた見積書の額を税抜の欄に入れ、消費税別の見積書の税込額を計算違いしました。各条件1回の結果です。

見積書がPDFでも同じ結果になりますか。

この検証では見積書を画像(PNG)3枚で渡しました。PDFや、1つのファイルに複数社の見積書が入った形では試していません。

どの会社を選ぶべきかもAIに決めさせてよいですか。

当社の検証では勧めていません。見積書ごとに含まれる作業や別途の費用が違うと、総額は同じ内容の比較になりません。Haiku 4.5にただ頼んだ条件は、配送料が別途のC社を「最安値」と書きました。プロンプトでは推薦をさせず、各社に確かめることを書き出させる形にしています。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年9月28日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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