書き方と実測

書類の読み取り・点検をAIにさせた実測7本の比較

レシート・見積書・履歴書・給与明細・請求書・名刺・納品書で、落ちた項目とモデルごとの差

結論(先に)7本の実測で、Opus 5.5に採点で×が付いた条件はありませんでした。採点で×や誤りに数えたのはHaiku 4.5で、しかも表に起こす転記より、検算の結論・誤った指摘・欄の取りこぼしに偏っていました。書類の読み取りは、数字を写す作業より、写した数字を使った判断のほうで確認が要ります。

当社はこれまでに、レシート・見積書・履歴書・給与明細・請求書・名刺・納品書の7種類で、画像や文面をAIに読ませる、または食い違いを点検させる検証を行いました。どれも答えを知らない状態のClaude Opus 5.5とClaude Haiku 4.5に、架空の書類を渡して回答を採点しています。このページは新しい実測ではなく、7本の採点結果を1枚に並べたものです。

7本の結果(各条件1回)

書類ごとに依頼の内容も採点の項目も違います。たとえば履歴書は「表に起こす」だけで、給与明細や請求書は「合計が合っているか検算する」まで頼んでいます。表の点数は各記事の採点表のままで、書類どうしの点数の優劣は比べられません。

記事書類と依頼Opus 5.5Haiku 4.5Haikuで落ちた内容
レシートの矛盾点検記載の矛盾を仕込んだレシート5枚。「おかしなところはありますか」と、点検項目つきのプロンプト2条件とも5枚すべて指摘、誤った指摘0プロンプトありは4/5枚(誤った指摘2)、ただ頼んだは2/5枚(誤った指摘2)存在しない誤りの指摘(税込の額に税率を掛けて「正しくは¥71」と指摘、登録番号を14桁と読む)。登録番号12桁の見落とし
見積書3社の比較表見積書の画像3枚を比較表にする。正解表7項目2条件とも7/7プロンプトありは7/7、ただ頼んだは5/7ただ頼んだ条件で、税込の額を「税抜」の欄に入れ、C社の税込合計を324,150円とした(正しくは323,950円)。この回答だけ「最安値:C社」と書いた
履歴書の表起こし印字と手書き風の履歴書。学歴・職歴・資格の8件の年月と空欄の扱い2枚とも8/8件正確、誤り・取りこぼしなし2枚とも8/8件正確。手書き風で本人希望記入欄と通勤時間の2欄を表に載せなかった年月の読み違いは起きなかった。落ちたのは欄の省略(空欄を埋めてはいない)
給与明細の転記と検算印字と手書き風の給与明細。金額12件の転記と、合計が合っているかの検算2枚とも12/12正確。手書き風の控除合計500円の誤記を指摘印字は11/12、手書き風は12/12印字:238,838円を238,833円と読み、存在しない5円の誤りを指摘。手書き風:控除合計の誤記に✓を付けた。基本情報と勤怠も表に載せなかった
請求書の税率別の検算記載がすべて正しい請求書と、10%の消費税が100円不足の請求書読み違いなし。不足の100円を2か所とも指摘読み違いなし。不足を指摘したが、ご請求金額の差を1,000円と回答検算の結論のうち、差額の数字(正しくは100円)
縦書き・英語併記の名刺縦書きの名刺(10項目)と英語併記の名刺(13項目)2条件とも23点(満点)ただ頼んだは14点、プロンプトありは12点縦書きは10項目のうち2項目(ただ頼んだ)・1項目(プロンプトあり)しか合わなかった。英語併記は和文の住所、英文の部署・役職・住所が落ちた
納品書と請求書の突合食い違い3か所を仕込んだ納品書と請求書。7項目2条件とも7/7プロンプトありは7/7、ただ頼んだは6/7食い違い3か所は見つけたが、何を見て確かめるかを書かなかった(確認を促す項目が×)

落ちた項目の種類

  • 検算の結論の誤り:3件(給与明細のHaiku 2条件、請求書のHaiku 1条件)。原本は合っているのに誤りがあると指摘する、誤記を見落として合っていると答える、不足額の数字を書き違える、という3通りでした。
  • 存在しない誤りの指摘:4件(レシートのHaiku、2条件で各2件)。税込の額に税率を掛けて別の税額を出す、登録番号を14桁と読む、といった誤りです。点検を頼むと、AIは「何か見つけよう」として画像に無い誤りを挙げることがあります。
  • 欄や項目の取りこぼし:複数の書類。履歴書の2欄、給与明細の基本情報と勤怠、名刺の英文欄が表に載りませんでした。履歴書では、空欄を推測で埋めた回答はありませんでした。
  • 金額の取り違え・読み違い:2条件(見積書のHaiku・ただ頼んだ、給与明細のHaiku・印字)。見積書では税込の額を税抜の欄に入れ、給与明細では1桁を読み違えました。

件数の単位は項目ごとに違います。検算の結論の誤りは条件の数、存在しない誤りの指摘はレシートの画像の数です。給与明細で出た5円の指摘は、存在しない誤りの指摘であり、同時に検算の結論の誤りでもあるため、両方の件数に入っています。

一方、履歴書の年月(4回とも8/8件)と請求書の転記(4回とも読み違いなし)のように、書かれている字を写す作業は、この2本では崩れにくい部分でした。

プロンプトとモデルで差は出たか

  • Opus 5.5は、7本で採点に×が付いた条件がありませんでした。名刺では縦書き・英語併記とも満点、レシートは5枚すべての誤りを指摘し、誤った指摘も0でした。
  • Haiku 4.5は、プロンプトありでも崩れました。レシートは4/5枚(誤った指摘2)、名刺は12点で、ただ頼んだ条件(14点)より低い結果です。一方、見積書と納品書ではプロンプトありが満点で、ただ頼んだ条件だけが崩れました。プロンプトで安定するかは、書類によって違いました。
  • モデルごとの条件数は少なく、各条件1回です。Haikuが毎回崩れるとも、Opusが毎回正しいとも言えません。
このページの範囲:7本は、それぞれ当社が作った架空の書類1組で、各条件1回の結果です。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあります。履歴書・給与明細・請求書の検証は、プロンプトの有無で条件を分けていません。比べたのはClaude Opus 5.5とClaude Haiku 4.5だけで、Sonnetなど他のモデルや、ChatGPT・Geminiでは試していません。各記事の備考には、採点には影響させなかったOpus 5.5の推測や補完(名刺の部署欄、納品書番号の日付の推測など)も残っています。納品書の検証は書類をテキストで渡しており、画像の読み取りは含みません。

紙の状態別の結果(印字・手書き風・傾き)

同じ種類の書類を、印字と手書き風の2つの状態で1枚ずつ読ませた記事を、状態別に並べました。手書き風の側には、誤記や書き直しなど印字に無い内容も入れているため、点数の差がそのまま紙の状態の差とは言えません。数字は各記事の採点表のままです。手書き風は、手書き風のフォントで作った画像で、実際の手書きの紙ではありません。

記事印字手書き風差が出た点
給与明細(金額12件)Opus 5.5は12/12、Haiku 4.5は11/12Opus 5.5は12/12、Haiku 4.5は12/12転記の点は手書き風のHaikuのほうが高かった。ただし手書き風のHaikuは、基本情報と勤怠の欄を表に載せず、控除合計500円の誤記を見落とした
履歴書(年月8件)2モデルとも8/82モデルとも8/8手書き風のHaikuだけ、2つの欄を表に載せなかった
シフト表2モデルとも35/35マス2モデルとも、読めるはずの33マスで33/33差なし。読めないマスと空欄は、どちらも推測せず返した
在庫表(8行)2モデルとも8/8行2モデルとも8/8行差なし。書き直しの数量も正しく読んだ
  • 転記の点数は、印字から手書き風にして下がった組がありませんでした。給与明細ではHaikuの点が上がり、履歴書では点が同じでした。一方、欄の省略と検算の見落としは手書き風のHaikuで出ています。落ちた項目が紙の状態で決まったとは、この4本からは言えません。
  • この表の4本には、傾きを条件にした採点がありません。レシートの記事には、わずかに傾き文字色も薄いカフェのレシートで、5品目・小計・支払い方法・カード番号の下4桁まで正確に読めたという記述があります。ただしn/mの採点表はなく、再確認もOpus 5.5の1回だけで、強い傾きの撮影は検証していません。傾いた紙や斜めのスタンプは、手書きメモの記事と文字起こしの記事で別に扱っています。シフト表と在庫表の手書き風は、マスごとに文字を傾けた画像で、斜めから撮った写真ではありません。
  • Haiku 4.5では、紙の状態より書類の作りが結果を左右しました。縦書きの名刺は、Opus 5.5が10項目すべて合った一方、Haikuは2項目(ただ頼んだ)と1項目(プロンプトあり)しか合いませんでした(名刺の記事)。同じ印字でも、書類によってこれだけ違います。

家庭・年末調整の紙9種類で出た差(取り違え・書き足し・書き落とし)

ここまでの7本とは別に、電気・ガスの検針票、医療費のお知らせ、健康診断結果通知書、保険証券、源泉徴収票、住民税の決定通知書、固定資産税の納税通知書、ふるさと納税の寄附金受領証明書、医療費の領収書の9種類(記事は10本)の採点を、差の種類別に並べ直しました。新しい実測ではなく、各記事の結論の転記です。

差の種類出た記事(条件)
項目・金額・日付・桁の取り違え10本とも0件(電気・ガス・医療費のお知らせ・健康診断・保険証券・源泉徴収票・住民税・固定資産税・ふるさと納税の受領証明書・医療費の領収書の各記事。領収書は金額が原文どおりでした)
通知に無い説明・助言・評価の書き足し医療費のお知らせ(プロンプトなしのOpus、医療費控除と高額療養費の説明)、健康診断(プロンプトなしのHaiku、助言1件)、保険証券(ただ頼んだ2条件、注意点とハザードマップの助言)、住民税(プロンプトなしの2条件、「数字は合っている」の評価)、固定資産税(プロンプトなしの2条件、理由と「計算はすべて合っている」の評価)、ふるさと納税の受領証明書(ただ頼んだだけの2条件、控除額の差し引きや「2026年分の確定申告で使う」という説明)、医療費の領収書(ただ頼んだだけの2条件が控除額の計算、プロンプトありのHaiku 4.5が保険金の補填の確認という助言1件)
項目の書き落とし健康診断(受診日。4条件とも)、住民税(課税年度と所得の年)、ふるさと納税の受領証明書(ただ頼んだだけのHaiku 4.5が、除いた瀬戸見市の1枚を一覧表から消した)
対象のものを対象外に回した医療費の領収書(ただ頼んだだけのHaiku 4.5が、かぜ薬1,320円を「要確認」にして確定の対象から外した)
差なし電気・ガスの検針票(4条件とも8項目すべて検針票のとおり)

書き足しが出た7本のうち6本は、プロンプトなし(保険証券・ふるさと納税・医療費の領収書は「ただ頼んだ」)の条件だけで、プロンプトありの条件に出たのは医療費の領収書のHaiku 4.5の1件でした。源泉徴収票は画像3枚、ほかの9本は書かれた内容を文章にして渡しており、条件は揃っていません。いずれも架空の書類で、各条件1回の結果です。

書類を読ませるときの確認点

  • 検算を頼んだときは、AIが出した差額と、「合っている」という結論を、手元の電卓か表計算で確かめる。給与明細と請求書では、結論と数字の両方が崩れた回答がありました。
  • 点検の結果に「誤り」と出たら、その箇所を原本で見直す。レシートでは、原本に無い誤りを指摘する回答がありました。
  • 表に起こさせたあとは、欄の数を原本と数える。空欄や英文の欄が、断りなく表から消えることがありました。
  • 税込と税抜が混ざる書類は、どちらの額かを表に書かせる。見積書では、税込の額を税抜の欄に入れた回答がありました。
  • 金額に関わる書類は、軽いモデルの結果を人が確認してから使う。7本で採点に×や誤りと数えた条件は、すべてHaiku 4.5でした。

よくある質問

書類の画像をAIに読ませると、金額や日付は読み間違えますか?

当社の7本の実測では、金額の読み間違いは少数でした。履歴書の年月は4回とも8件すべて正確で、請求書は4回とも読み違いがありませんでした。金額の読み間違いは、Haiku 4.5が給与明細の印字で差引支給額238,838円を238,833円と読んだ1件です。文字の読み違いは、レシートの登録番号(Haiku 4.5)や見積書の納期(Haiku 4.5・プロンプトあり)でも出ました。いずれも架空の書類で、各条件1回の結果です。

「合計が合っているか検算して」と頼むと、AIの結論は信用できますか?

7本の中では、検算の結論が崩れたのはHaiku 4.5でした。給与明細では、原本は合っているのに5円の誤りがあると指摘した回答と、控除合計の500円の誤記を見落として合っていると答えた回答がありました。請求書では、不足は100円なのに差額を1,000円と答えた回答もありました。Opus 5.5は、給与明細と請求書の計4回の検算で、結論がすべて正しいものでした。ただし各条件1回で、他のモデルや書類では確かめていません。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。数字はすべて、当社が2026年9月28日から10月3日に行った7本の検証(各条件1回)の採点表によるものです。Sonnetなど他のClaudeのモデルは試していません。会社の詳細はトップページをご覧ください。
検証の進め方は実測の進め方をご覧ください。

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