書き方と実測

手書きの発注書をAIで読み取る精度

品番・数量・単価の取り違えと、数量の訂正の扱いの実測・プロンプト

結論(先に)手書きの発注書3枚(略記の品番、数量の訂正、FAX風のかすれ)をAIに読み取らせた当社の検証(各条件1回)では、Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、品番・数量・単価・金額の読み違いは出ませんでした。数量を直したのに金額が直っていない行も、4条件とも「合わない」と指摘しました。採点で外れたのは、ただ頼んだ2条件が依頼に無い助言(発注元への確認など)を足した点で、Opus 5.5はさらに、略記の品名「平W」を表に「平W(平ワッシャー)」と展開しました。ただし画像は手書き風のフォントで作った架空のもので、実際の手書きの写真ではありません。この結果は、読み取りやすい字の場合の下限の確認にとどまります。

手書きの発注書は、受け取った側が品番・数量・単価を基幹システムや表計算に写す場面で、AIに読み取らせたい書類です。写し間違いは、そのまま誤発注や請求の食い違いにつながります。このページでは、架空の手書き風の発注書3枚を、答えを知らないAIに読み取らせて、品番の取り違え、数量の訂正の扱い、FAX風のかすれで何が起きるかを確かめた結果を紹介します。

AIで手書きの発注書を読み取らせたときの実測

品番(BT-M8-20とBT-M8-25のように一部の数字だけが違うもの)、品名の略記(「六角ボルト」「平W」)、取り消し線で消して書き直した数量、FAX風にぼかした画像を入れた発注書3枚(すべて架空)を、HTMLで手書き風のフォントを使って作りました。2枚目は、気泡緩衝材の数量を10から12に直したのに、金額が10個ぶんの19,000のまま残っています(12×1,900=22,800)。答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5と、軽くて速いHaiku 4.5)に、1回ずつ読ませました(2026年10月9日)。条件は4通りで、どれも画像を開く手順を指示しています。そのうえで、「添付した3枚の発注書の画像を、読み取ってください。」とだけ頼む条件と、下の手書き発注書のプロンプトを使う条件を、2モデルで試しました。

架空の発注書1枚目(PO-0318、令和8年10月2日、有限会社東条金物御中、BT-M8-20など略記の品番4行、合計17,200)
検証に使った発注書1枚目(略記の品番・架空・HTMLで作成)
架空の発注書2枚目(PO-0319、令和8年10月5日、株式会社大栗パッケージ御中、数量を取り消し線で200から250、10から12に訂正、合計76,050)
検証に使った発注書2枚目(数量の訂正・架空・HTMLで作成)
架空の発注書3枚目(PO-0320、令和8年10月8日、東和電材株式会社御中、FAX風にぼかした画像、合計155,000)
検証に使った発注書3枚目(FAX風のかすれ・架空・HTMLで作成)

採点は7項目で、3枚すべてが合っていて○です。①発注番号・日付・発注先・納品希望・合計 ②品番12個 ③数量12個(2枚目は訂正後の250と12) ④単価12個 ⑤金額12個と合計3個(2枚目の19,000と76,050は書いてあるとおり) ⑥2枚目の訂正と、数量×単価と金額が合わないことへの言及 ⑦品名・品番の略記の展開や、読めない字の推測など、画像に無いことを表の値に足さない。

条件7項目読み取りの出方(原文の引用)書き足し・備考
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7品番・数量・単価・金額は全部正しい。「4行目は、12×1,900=22,800 ですが、書いてある金額は 19,000 です。」と指摘し、表は19,000のまま。「平W」と略記のままなし。正しく読めた「VVF2.0-3C?」や「株式会社 北波製作所 資材課?」に「?」を付けた
Haiku 4.5・プロンプトあり7 / 7全部正しい。「金額は書いてあるとおり 19,000 のまま表に残し、訂正後の数量とは合わないことを書いておく。」。「平W」は略記のままなし。正しく読めた「ボックス」に「(?)」を付けた
Opus 5.5・ただ頼んだだけ6 / 7品番・数量・単価・金額は全部正しい。「気泡緩衝材は数量が12に訂正されていますが、金額は19,000のままです。」と指摘し、表は19,000のまま⑦が×。1枚目の品名を「平W(平ワッシャー)」と表に展開した(略記のまま書く指示はなし)。依頼に無い助言も足した(「発注先に確認が必要なのは、気泡緩衝材が10個なのか12個なのかです。」)
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ6 / 7全部正しい。「PE-3 は手書きの数量 12 に直すと金額が 22,800 になるが、金額欄と合計は 10 個分の 19,000 のままになっている。」と指摘。「平W」は略記のまま⑦が×。依頼に無い助言を足した(「数量を直したのか金額の書き直しが漏れたのか、発注元に確認が必要。」「原本での確認が望ましい。」)。備考:金額を「金額は 19,000 と印字」と書き、手書きを印字と誤った。FAXの送信記録の「P.1/1」を「P1/1」と書いた
  • 数字の読み違いは、4条件とも出なかった。品番の「BT-M8-20」と「BT-M8-25」、「SW-1610」、数量の「1,000」、単価の「18,600」「1,180」は、取り違えも桁落ちもなく読まれました。FAX風にぼかした3枚目も、4条件とも品番・数量・単価・金額が全部合っていました。
  • 数量の訂正は、4条件とも訂正後の値で読んだ。取り消し線で消した200と10ではなく、250と12を数量にし、直した旨も書きました。この検証の2枚目で、旧値を数量にした条件はありません。
  • 数量だけ直して金額が直っていない行は、4条件とも見つけた。どの条件も、書いてあるとおりの19,000と76,050を残し、12×1,900=22,800と合わないことを別に書きました。値を黙って直した条件はありません。Haiku 4.5のただ頼んだ条件以外の3条件は、直した場合の合計79,850も書きました。
  • 略記を展開したのは1条件だけで、助言を足したのはただ頼んだ2条件。Opus 5.5のただ頼んだ条件が「平W」を「平W(平ワッシャー)」と書きました。また、ただ頼んだ2条件は、依頼に無い助言(発注元への確認、原本での確認)を足しました。プロンプトありの2条件は、助言を足していません。元の「平W」は括弧の前に残っていますが、画像に無い語を表の値に入れたため、正解表の基準では×です。展開の内容が合っているかは、このページでは確かめていません。ほかの3条件は「平W」のままでした。
  • プロンプトありの2条件は、正しく読めた字にも「?」を付けた。Opus 5.5は「VVF2.0-3C?」「株式会社 北波製作所 資材課?」、Haiku 4.5は「ボックス(?)」と書きました。実際には、どれも正しい読みでした。

誤読・書き足しの種類を、条件別に数えた表

保存した回答の原文と正解表を照らして、「何が起きたか」を種類ごとに数えました(各条件1回、表の数字は起きた件数)。

起きたことOpus 5.5・プロンプトありHaiku 4.5・プロンプトありOpus 5.5・ただ頼んだだけHaiku 4.5・ただ頼んだだけ
品番・数量・単価・金額の読み違い(桁落ち、1と7の取り違えなど)0000
取り消し線で消した旧値(200・10)を数量にした0000
合わない金額(19,000)を黙って直した0000
略記「平W」を表の値で展開した0010
依頼に無い助言を足した0011
手書きの金額を「印字」と書いた0001
正しく読めた字に「?」を付けたあり(2か所)あり(1か所)なしなし

略記品番や数量の桁の読み違いは、この検証では1件も起きませんでした。表の0は「この3枚・各条件1回では起きなかった」という意味で、実際の手書きの発注書で起きないことを示すものではありません。

読み取り結果を人が確かめる順番(チェックリスト)

上の実測で起きたこと(「?」の付いた箇所、略記の展開、数量の訂正、数量×単価と金額の不一致)に合わせた確認の順番です。この手順で読み違いが見つかるかどうかは、読み違いが出なかったため確かめていません。

  1. 「?」が付いた箇所を、元の画像と見比べて確定させる。
  2. 品番は、自社の品番表と一字ずつ突き合わせる(略記が展開されていないかも見る)。
  3. 数量は、取り消し線や「訂」印のある行について、訂正後の値が数量になっているかを見る。
  4. 数量×単価と金額、明細の合計と発注書の合計が合うかを見る。合わない行は、値を直さずに書いてあるとおり残し、発注元に確かめる。
  5. 依頼に無い助言や、画像に無い語が入っていないかを見る。

手書きの領収書は手書き領収書をAIで読み取る精度で扱っています。このページは、発注書の品番・数量・単価の読み取りを、手書き風のフォントで作った架空の画像で試したものです。

この検証の範囲:架空の発注書3枚で、各条件1回ずつの結果です。画像は手書き風のフォントで作ったもので、実際の手書きの写真ではないため、字の崩れ・斜めの撮影・影・本物のFAXの欠け(今回は送信記録の行を足し、白黒化・ぼかし・横すじを加えたのみ)・崩し字の数字は含まれません。品番が自社の品番表に載っているかの照合は試していません。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

手書き発注書のプロンプト(コピーして使えます)

「プロンプトあり」の条件で使ったプロンプトと同じものです。

添付した3枚の手書きの発注書の画像から、発注番号・日付・発注先・納品希望日・明細(品番・品名・数量・単価・金額)・合計を読み取って、発注書ごとに表にしてください。

ルール:
- 見えたとおりに書き、推測で補わない。品番や品名の略記は、略記のまま書き、勝手に展開しない。読み取れない字や自信のない字には「?」を付け、どこが不確かか書く
- 数量・単価・金額は、桁ごとに確かめる。1と7、0と6、2と7、5と6のような紛らわしい数字に注意する
- 数字を取り消し線で消して書き直してある箇所は、訂正後の値を採り、訂正があったことと、訂正前の値を書く
- 数量×単価が金額と合うか、明細の金額を足すと合計と合うかを確かめ、合わない箇所は、書いてあるとおりの値のまま表に書き、合わないことを別に書く。値を直して表に書かない
- 画像に書いていないことは足さない

使うときのコツ

  • 略記を展開させない指示を入れる。ただ頼んだ2条件のうち1条件(Opus 5.5)が「平W」を展開しました。プロンプトありの2条件は略記のままでしたが、1回ずつの結果なので、指示の効果とは言い切れません。
  • 数量×単価と金額、明細と合計の整合を確かめさせる。検証では、数量だけ直して金額が直っていない行を、プロンプトの有無にかかわらず4条件とも指摘しました。値は書いてあるとおりに残させ、直すかどうかは人が発注元に確かめて決めます。
  • 「?」が付いた箇所は必ず人が見る。検証では、「?」が付いた箇所はすべて正しい読みでした。「?」が付いていない箇所に誤りが無いことは、読み違いが1件も出ていないため、この検証では確かめていません。
  • 実際の発注書では、小さなサンプルで先に試す。字の癖や撮影の状態で結果が変わるため、自社に届く発注書の数枚で、品番と数量を目で照合してから、まとめて読ませます。

よくある質問

AIは手書きの発注書の品番や数量を正しく読み取れますか?

当社の検証(手書き風のフォントで作った架空の発注書3枚、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、品番12個・数量12個・単価12個・金額12個を正しく読みました。FAX風にぼかした1枚も同じでした。ただし実際の手書きの写真ではないため、字が崩れた発注書で同じ結果になるとは限りません。

発注書の数量を書き直してあるとき、AIは訂正後の数量を読めますか?

当社の検証では、4条件とも、取り消し線で消した旧値でなく訂正後の数量(250・12)を数量として読み、訂正があったことも書きました。また、数量だけ直して金額を直し忘れた行(12×1,900=22,800に対し金額は19,000)は、4条件とも合わないことを指摘しました。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月9日に行いました。検証の進め方は実測の進め方、方針は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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