生命保険料控除証明書をAIに読ませて転記させる精度検証
契約者・被保険者・受取人と払込保険料の取り違えを確認
年末調整や確定申告の時期には、保険会社から届く生命保険料控除証明書の金額や契約者の名前を、申告書へ写す作業が出ます。この写しをAIに任せたときに、似た金額や3人の名前を取り違えないか、書かれていない欄を埋めないかを確かめました。
契約日で新契約と旧契約が分かれる
国税庁のタックスアンサー(No.1140 生命保険料控除)によると、平成24年1月1日以後に締結した保険契約等と、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等では、生命保険料控除の取扱いが異なります。前者が新契約、後者が旧契約です。証明書には、この新・旧の別が載るため、契約年月日とあわせて転記し、書き替えないことが必要です。
今回のサンプルは、契約年月日が平成23年11月1日で、新・旧の別が旧契約のものです。実際の証明書の体裁を再現したものではなく、項目名も当社が作った架空のものです。
検証方法
当社で架空の生命保険料控除証明書を作りました。証明書番号・氏名・保険会社名はすべて架空で、実在の人物や会社とは関係ありません。画像ではなく文字で渡しています。
- 3人の名前:保険契約者(見本 一郎)、被保険者(見本 花子)、保険金受取人(見本 太郎)を別人にして並べた。
- 近い金額:本年中の払込保険料(96,000円)、剰余金・割戻金(6,000円)、差引払込保険料(90,000円)を並べた。
- 日付と新旧:契約年月日(平成23年11月1日)と、新・旧の別(旧契約)を同じ書類に置いた。
- 空欄:備考は何も書かれていない。
生命保険料控除証明書(架空) 証明書番号 KS-2026-004817 保険会社名 見本生命保険株式会社 保険契約者 見本 一郎 被保険者 見本 花子 保険金受取人 見本 太郎 保険の種類 終身保険 契約年月日 平成23年11月1日 新・旧の別 旧契約 本年中の払込保険料 96,000円 剰余金・割戻金 6,000円 差引払込保険料 90,000円 備考
答えを知らないClaude(Opus 5.5・Haiku 4.5)に、ツールを使わせず、サンプルと依頼文だけを渡しました。依頼文は2通りで、「表にまとめてください」だけの場合と、下のプロンプト(取り違えの注意・空欄の扱いを指示)を付けた場合です。計4回(各1回)。「12件」は、証明書番号・保険会社名・保険契約者・被保険者・保険金受取人・保険の種類・契約年月日・新・旧の別・本年中の払込保険料・剰余金・割戻金・差引払込保険料・備考を、正解表と1件ずつ照合した数です。
結果:転記と取り違え
| 条件 | 12件の転記 | 仕込んだ取り違えやすい並び | そのほか |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・依頼文は表にまとめるだけ | 12 / 12件正確 | 契約者・被保険者・受取人、払込保険料と差引払込保険料を取り違えず | 備考は「(記載なし)」。表のみで補足は付けなかった |
| Haiku 4.5・依頼文は表にまとめるだけ | 12 / 12件正確 | 取り違えず | 備考は「記載なし」。表の前に1文の導入を付けた |
| Opus 5.5・取り違え防止と空欄の指示つき | 12 / 12件正確 | 取り違えず。3人が別人であることと、96,000円−6,000円=90,000円の関係を指示に応じて説明 | 備考は「空欄」 |
| Haiku 4.5・取り違え防止と空欄の指示つき | 12 / 12件正確 | 取り違えず。3人が別人であることと、96,000円−6,000円=90,000円の関係を説明 | 備考は「(空欄。記載なし)」。控除の計算に使う欄はどちらか、文面からは判断できないと断った |
わかったこと
- 転記は4回とも12件すべて正確だった。契約者・被保険者・受取人を入れ替えた回、払込保険料と差引払込保険料を取り違えた回、旧契約を新契約と書いた回はありませんでした。
- 備考の空欄は4回とも埋めなかった。「記載なし」「空欄」で示されました。
- 取り違え防止の指示の効果は、この検証では測れなかった。指示なしの依頼文でも満点だったためです。
- 指示つきの回は、金額の関係の説明が付いた。96,000円から6,000円を引いた額が90,000円になることを、2モデルとも表の下に書きました。Haiku 4.5は、控除の計算に使う欄がどちらかは文面から判断できないとも断りました。どちらも書類の記載と合っています。
生命保険料控除証明書の読み取りプロンプト
上の生命保険料控除証明書の内容を項目ごとに表にまとめ、契約者・被保険者・受取人と、払込保険料・差引払込保険料を取り違えないようにしてください。記載のない欄は、推測で埋めずに空欄と書いてください。
使うときのコツ
- 控除に使う金額は、証明書の注記や国税庁の案内で確かめる。AIの表はどの欄を使うかを決めるものではありません。
- 契約年月日と新・旧の別は、自分でも見比べる。今回は4回とも正しく転記されましたが、各条件1回の結果です。
- 書類に書かれていない補足は、業務の記録に混ぜない。説明が付いたときは、書類の記載と分けて扱います。
まとめ
架空の生命保険料控除証明書では、Opus 5.5・Haiku 4.5ともに、12件の転記が4回とも正確で、3人の取り違えも、金額の取り違えも、新旧の書き替えもありませんでした。差がつく条件は、写真の読み取りや複数枚の合算など、今回より難しい設定で探す必要があります。AIの転記は、控除の計算に使う金額と契約年月日を証明書と自分でも見比べる前提で使うのが安全です。
よくある質問
生命保険料控除証明書の内容を、AIに表へまとめさせて大丈夫ですか。
この検証では、Opus 5.5とHaiku 4.5のどちらも、架空の生命保険料控除証明書の12件の項目を4回とも正確に転記しました。ただし文字で渡した1つのサンプル・各条件1回の結果です。写真やPDFの読み取り、複数枚の証明書の合算は確かめていません。
払込保険料と差引払込保険料を取り違えませんか。
この検証では、96,000円の払込保険料と、剰余金・割戻金6,000円を引いた90,000円の差引払込保険料を、4回とも取り違えませんでした。控除の計算にどちらの欄を使うかは、AIの表ではなく、証明書の注記や国税庁の案内で確かめます。
旧契約と新契約は、どこで分かれますか。
国税庁のタックスアンサーによると、平成24年1月1日以後に締結した保険契約等が新契約、平成23年12月31日以前に締結したものが旧契約で、控除の取扱いが異なります。この検証のサンプルは、契約年月日が平成23年11月1日の旧契約です。
この証明書は実在のものですか。
いいえ。証明書番号・氏名・保険会社名はすべて当社が作った架空のデータです。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月14日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。