書き方と実測

業務委託契約書の報酬・支払期日・中途解約をAIに抜き出させる検証

金額・日数の取り違えと契約書に無い内容の書き足しの実測・プロンプト

結論(先に)業務委託契約書(架空・8条)から、報酬・支払期日・成果物・中途解約の条項をAIに抜き出させ、読み落としと書き足しを調べました。Opus 5.5とHaiku 4.5を、ただ頼んだ条件とプロンプトありの条件で試した4条件は、報酬・支払期日・成果物・検収・中途解約の金額や日数を、すべて契約書のとおりに抜き出しました。差が出たのは、契約書に無い指摘を足したHaiku 4.5(ただ頼んだだけ)と、即時解除を省いたHaiku 4.5(プロンプトあり)です。

業務委託契約書の抜き出しで読み落としやすいところ

業務委託契約書では、報酬や中途解約のように、金額や日数が条ごとに離れて書かれます。抜き出すときは、次の点を見ます。

  • 報酬と支払い:報酬の金額(税別か税込か)と、締め日・支払期日・振込手数料の負担者は、別の条に書かれることがあります。
  • 成果物と検収:納品の数と期限に加えて、検収の期間と、通知がないときに合格とみなす条文があります。
  • 中途解約:委託者と受託者で、通知の日数が違うことがあります。
  • 即時解除:中途解約とは別の条に、違反があったときの手順が書かれます。

契約書そのものの要点は、賃貸借契約書の要点(解約予告・原状回復・特約)の抜き出しや利用規約の解約・返金・免責をAIで抜き出す検証でも調べています。この記事は、業務委託契約書の報酬・支払い・成果物・解約の条項を対象にしています。契約の内容が有利か不利かは、調べていません。

AIに業務委託契約書の条項を抜き出させたときの実測

下の契約書(架空)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次の業務委託契約書から、報酬、支払期日、成果物、中途解約に関する条項を抜き出して整理してください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを付ける条件で読ませました。4条件です。

業務委託契約書

株式会社みなと商会(架空。以下「委託者」)と、青山 彩(架空。以下「受託者」)は、次のとおり業務委託契約を結ぶ。

第1条(業務)
委託者は受託者に、委託者の商品紹介ページの文章作成業務(以下「本業務」)を委託する。

第2条(契約期間)
契約期間は2026年11月1日から2027年10月31日までの1年間とする。期間満了の1か月前までにどちらからも申し出がないときは、同じ条件でさらに1年間更新する。

第3条(成果物)
受託者は、毎月、商品紹介ページの文章4本を成果物として納品する。納品期限は、翌月の5営業日以内とする。

第4条(検収)
委託者は、納品を受けた日から10営業日以内に検収を行い、結果を受託者に通知する。この期間内に通知がないときは、検収に合格したものとみなす。

第5条(報酬)
委託者は受託者に、本業務の報酬として月額300,000円(税別)を支払う。

第6条(支払い)
報酬は、毎月末日に締め、翌月末日までに受託者の指定口座へ振り込んで支払う。振込手数料は委託者の負担とする。

第7条(中途解約)
1. 委託者は、30日前までに書面で通知することにより、本契約を解約できる。
2. 受託者は、60日前までに書面で通知することにより、本契約を解約できる。

第8条(即時解除)
当事者の一方が本契約に違反し、相手方が14日以内の期間を定めて是正を求めたにもかかわらず、その期間内に是正されないときは、相手方は直ちに本契約を解除できる。

以上、本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、各自1通を保有する。

2026年10月26日

契約書には、離れた条に書かれる事項を入れました。報酬(第5条)と支払い(第6条)、成果物(第3条)と検収(第4条)、委託者30日・受託者60日の中途解約(第7条)、即時解除(第8条)です。

採点は8項目です。①報酬(月額300,000円・税別) ②支払期日(毎月末日締め・翌月末日まで) ③振込手数料は委託者の負担 ④成果物(毎月4本・翌月5営業日以内) ⑤検収(10営業日以内・通知がなければ合格) ⑥中途解約(委託者30日前・受託者60日前) ⑦即時解除(14日以内の是正の催告) ⑧契約書に無い義務・金額・評価を足していない。結果は次のとおりです。

条件8項目抜き出し書き足し・注
Opus 5.5・ただ頼んだだけ8 / 8報酬、支払期日、振込手数料、成果物、検収、委託者30日・受託者60日の中途解約、即時解除がすべて正解新しい義務や金額は無し。依頼に無い即時解除(第8条)を中途解約の節に関連として、契約期間(第2条)を参考として、契約書のとおりに添えた
Opus 5.5・プロンプトあり8 / 8同じ項目がすべて正解。条の番号と、項・委託者/受託者の分けを付けた新しい義務や金額は無し。即時解除(第8条)と契約期間(第2条)を、契約書のとおりに添えた
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ7 / 8同じ項目がすべて正解「消費税の扱いは契約書に書かれていない」「何月分の納品を指すのかは文面からは読み取りにくい」と書き、「確認しておくと良い点」3つと、「文言を整えてから署名に進むのが安全です」という助言を足した。契約期間を「1年ずつ自動更新する」と言い換えた
Haiku 4.5・プロンプトあり7 / 8報酬、支払期日、振込手数料、成果物、検収、中途解約の6項目は正解新しい義務や金額は無し。即時解除(第8条)は、中途解約の項目には含めないと注に書いて、省いた(依頼は「中途解約」としか書いておらず、⑦が×)
  • 金額や日数の間違いは、4条件とも0件だった。報酬、支払期日、振込手数料、成果物、検収、委託者30日・受託者60日の通知は、どの条件でも契約書のとおりでした。委託者と受託者の日数を取り違えた条件もありませんでした。
  • 書き足しは、Haiku 4.5(ただ頼んだだけ)だけだった。「消費税の扱いは契約書に書かれていない」と指摘し、「通知期間の差(30日と60日)を当事者が合意の上で決めたものか」といった確認点と、「文言を整えてから署名に進むのが安全です」という修正の助言を足しました。契約書に無い判断なので、そのまま使うと、契約書に無い論点が混ざります。
  • 即時解除を省いたのは、Haiku 4.5(プロンプトあり)だけだった。注に「中途解約の項目には含めていない」と書いて、第8条を省きました。依頼の文言は「中途解約」で、即時解除は名指ししていません。読み落としではなく、依頼の範囲の読み方の違いですが、手順(14日以内の是正の催告)を知りたい読み手には足りない結果です。
  • 1条件ずつの結果なので、プロンプトの効果やモデルの違いとは言い切れない。書き足さなかった3条件のうち、プロンプトありは2条件、ただ頼んだだけが1条件でした。
この検証の範囲:8条の架空の契約書1つで、各条件1回ずつの結果です。契約書と正解は当社が作ったものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、条文がもっと多い実際の契約書で同じになるとは限りません。ChatGPT・Gemini・Sonnetは試していません。画像やPDFの契約書も試していません。

業務委託契約書の条項の抜き出しのプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです(検証では、このプロンプトの前に「ツールは一切使わず、次の依頼への回答だけを返してください。前置きや作業の説明は不要です。」の2文を添えています)。

次の業務委託契約書から、報酬、支払期日、成果物、中途解約に関する条項を抜き出して整理してください。ルールは次の5つです。
1. 金額・期間・日付・日数は、契約書のとおりに書く。数字を変えたり丸めたりしない。
2. 項目ごとに、該当する条の番号を付けて書く。
3. 委託者と受託者で内容が違うときは、分けて書く。
4. 契約書に書かれていない事柄(義務、金額、法律上の評価、有利・不利の判断、助言)は、書き足さない。
5. 該当する条文が無い項目は「記載なし」と書く。

[ここに業務委託契約書を貼り付け]

使うときのコツ

  • 抜き出す項目を、読みたい分だけ名指しする。今回、「中途解約」と書いた依頼で、即時解除を省いた条件がありました。即時解除や契約期間も読みたいときは、依頼に書いておきます。
  • 条の番号を付けさせる。条の番号があると、手元の契約書と見比べやすくなります。
  • 「書き足さない」を入れる。今回、契約書に無い論点を足したのは、プロンプトを付けなかったHaiku 4.5だけでした(Opus 5.5は付けなくても足しませんでした。各条件1回の結果です)。
  • 結果は契約書と見比べる。AIの整理は、契約書の代わりにはなりません。契約の内容に不安があるときは、専門家に確かめます。

まとめ

業務委託契約書の条項を抜き出させると、Opus 5.5・Haiku 4.5ともに、報酬・支払期日・成果物・検収・中途解約の金額や日数を間違えませんでした。差が出たのは、契約書に無い論点を足した1条件と、即時解除を省いた1条件です。見る場所は、AIの整理の中の、契約書に無い指摘と、読みたい条項が入っているかどうかです。

よくある質問

業務委託契約書の報酬や中途解約の条項を、AIは正しく抜き出せますか。

この検証では、Opus 5.5とHaiku 4.5のどちらも、4条件すべてで、報酬(月額300,000円・税別)、支払期日(毎月末日締め・翌月末日払い)、振込手数料の負担者(委託者)、成果物(毎月4本・翌月5営業日以内)、検収(10営業日以内・通知がなければ合格)、中途解約(委託者30日前・受託者60日前)を、契約書のとおりに抜き出しました。ただし各条件1回の結果で、8条の架空の契約書です。実際の契約書で同じになるとは限りません。

AIは、契約書に無い義務や金額を書き足しますか。

この検証では、Haiku 4.5(ただ頼んだだけ)だけが書き足しました。契約書に書かれていない「消費税の扱い」を指摘し、「通知期間の差(30日と60日)を当事者が合意の上で決めたものか」といった確認点と、「文言を整えてから署名に進むのが安全です」という助言を足しました。ほかの3条件は、契約書に無い義務や金額を足しませんでした。

抜き出した条項が、自分に有利か不利かもAIで確かめられますか。

この検証では、契約書の条項を抜き出させただけで、有利か不利か、修正すべきかといった判断は調べていません。契約の内容に不安があるときは、契約書そのものと、専門家の助言で確かめます。

この契約書の会社や人物は実在しますか。

いいえ。委託者・受託者・金額・日付はすべて当社が作った架空のものです。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月15日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

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