年始挨拶状の書き方とテンプレート
取引先向けの文例つき。寒中見舞いとの違い、AIで下書きしたときの書き足しと年の書き分けの実測・プロンプト
年始挨拶状は、取引先に年始の挨拶と、年末年始の休業・営業開始日を伝える文書です。このページでは、会社が取引先に元旦付けで出す挨拶状を扱います。構成とテンプレート、寒中見舞いとの違いに加えて、AIに書かせたときにメモに無いことを足さないか、前の年の実績を正しい年で書けるかを確かめた結果を紹介します。
年始挨拶状に書くこと
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 賀詞 | 謹賀新年、謹んで新年のお慶びを申し上げます など |
| 旧年のお礼 | 旧年中の厚情への感謝。実績の数字を書くときは、書いた年を「昨年」「旧年」と書いてあるか確かめる |
| 休業と営業開始 | 年末年始の休業期間と営業開始日。日付には曜日を付ける |
| 今年の取り組み | 決まっていることだけ。検討中なら「検討中」と書き、内容を公表できないなら内容は書かない |
| 訪問・連絡 | 訪問しないなら、その旨。メモに無い訪問や連絡の約束はしない |
| 結び | 今後のお付き合いのお願い |
| 日付・差出人 | 日付(元旦付けなど)、会社名、代表者名 |
年始挨拶状のテンプレート
謹賀新年(または、謹んで新年のお慶びを申し上げます) 旧年中のお礼 ・実績の数字を書くときは、書いた年が「昨年」「旧年」になっているかを確かめる 年末年始の休業と営業開始 ・休業:○年○月○日(曜日)から○年○月○日(曜日)まで ・営業開始:○年○月○日(曜日)から 今年の取り組み ・決まっていることだけを書く。検討中なら「検討中」と書く 年始の訪問・連絡 ・訪問しない場合は、その旨だけを書く。メモに無い連絡の約束はしない 結び(今後のお付き合いのお願い) 日付(元旦付けなど) 会社名 代表者名
年始挨拶状と寒中見舞いの違い
年始挨拶状は、新年を祝う挨拶と、休業・営業開始日の案内を伝える文書です。寒中見舞いは、年始の時期を過ぎてから出す季節の挨拶状です。日本郵便の記事では、寒中見舞いを送る時期は、松の内(一般的には1月7日まで、関西などの一部地域は1月15日まで)が明ける日から立春までとされています。寒中見舞いは、喪中のお知らせをしていなかった方への返信にも使えるとされています(郵便局のプリントサービス「喪中はがきと寒中見舞いの文例と送る時期」、2026年10月13日確認)。
松の内の期間は地域によって異なるため、取引先の所在地に合わせて確かめます。寒中見舞いの文面は、このページの実測の対象外です。
AIで下書きしたときの実測
取引先向けの年始挨拶状のメモ(架空)を、答えを知らない状態のClaudeに、「ただ頼む」「下のプロンプトを使う」の2通りで1回ずつ解かせ、正解表と照らし合わせました(2026年10月13日、当社の作業環境から実行)。ツールを使わせないエージェントを、opus(Opus 5.5)・haiku(Haiku 4.5)の指定で起動しています。メモには、断定や約束に変えやすい次の点を仕込みました。新しい住所は書かないこと、来年の取り組みは検討中で内容を公表できないこと、年始の訪問は行わないこと、投函日は決まっていないことの4点です。
【年始挨拶状のメモ(総務・高橋)】 ・会社名:株式会社みなと商会/代表取締役:森田 健 ・送る相手:既存の取引先約120社(郵送のはがき)。個人宛ては含まない ・年末の休業:2026年12月29日(火)から2027年1月3日(日)まで ・年始の営業開始:2027年1月4日(月)から ・今年の出来事:2026年6月に本社を移転した。新しい住所は別紙で案内済みなので、この挨拶状には書かない ・取引の実績:今年新たに取引を始めた会社は9社 ・来年の取り組み:新しい取り組みを検討しているが、内容はまだ公表できない ・年始の訪問:担当者の年始訪問は、今年は行わない ・投函:元日に届くよう12月に投函したいが、投函日は決まっていない
採点は正解表の8項目(会社名と代表者・送る相手・年末の休業・年始の営業開始・今年の出来事・取引の実績・来年の取り組み・訪問と投函)です。これとは別に、メモに無い事実・約束を書き足した数を数えました。年の書き分けは、正解表の8項目には入れず、4条件の回答を読んだあとに別に数えた観察です。
| 条件 | 8項目の得点 | メモに無い事実・約束の書き足し | 前の年の実績と来年の取り組みの年の書き方 |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・プロンプトあり | 8 | 1か所(「新しい拠点で迎える初めての新年となります」) | 合っている(「昨年は新たに9社」「本年は新たな取り組みを検討」) |
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 8 | 3か所(「皆さまより温かいお心遣いをいただき」、「あらためてご案内申し上げます」、検討中を「準備を進めております」に) | 合っている(「昨年は新たに九社」「本年は 新たな取り組み」) |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 8 | なし | ずれ2か所(「本年は新たに9社」「来年に向けて新しい取り組みを検討」) |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 8 | 1か所(「あらためてご案内申し上げます」)と、挨拶状の外の助言1つ | ずれ2か所(「本年は、新たに9社」「来年は新しい取り組みを検討」) |
- メモにある8項目は、4条件とも正しく書けた。休業の「2026年12月29日(火)から2027年1月3日(日)まで」と営業開始の「1月4日(月)」は曜日まで合い、新しい住所、新サービスの名前、業績の数字、訪問の約束は、どの条件にも出ませんでした。年始の訪問は4条件とも控える旨が書かれました。休業と営業開始の日付と曜日も4条件とも合っていました(Opusのただ頼んだ条件だけ漢数字の表記)。
- 差が出たのは年の書き分けと書き足しだった。9社はメモの「今年新たに取引を始めた会社」で、元旦付けの文面から見ると前の年の数字です。Opusは2条件とも「昨年」と書きましたが、Haikuは2条件とも「本年」と書いています。Haikuの文面には、ただ頼んだ条件に「本年の年始は、担当者によるご挨拶へのお伺いを控えさせていただきます。」、プロンプトあり条件に「本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。」とあり、この「本年」は新しい年を指すため、9社の「本年」とずれて読めます。来年の取り組みを「来年」と書いた点も、元旦付けの文面から見ると2028年を指す形になります。
- Haikuでは、プロンプトを使っても年のずれが残った。Opusは頼み方に関係なく「昨年」と書きました。Haikuのプロンプトあり条件では、ずれが残っています。プロンプトのルール1は「数字・日付・曜日をそのとおりに書く」というもので、年の呼び方を直す指示は入っていません。「実績の年が元旦付けの文面から見て昨年か本年かを確かめる」といった指示を足した場合の結果は試していません。
- メモに無い事実と約束は、ただ頼んだOpusが最も多く足した。メモに無い「温かいお心遣いをいただき」は、取引先が何かをしてくれたことになります。「あらためてご案内申し上げます」は、公表できない内容を後で案内すると約束する形です。プロンプトありのOpusは、足したのが1か所でした。
- この検証は、プロンプトの効果を8項目では測れていない。メモが短く、項目がはっきりしているため、4条件とも8項目は満点でした。年のずれは結果を見てから数えた観察で、1回ずつの結果です。
AIの出力の悪い例と直した例(原文のまま)
年がずれた出力と、メモに無い事実・約束を足した出力を、同じ場面で正しく書いた出力と並べます。
| 場面 | 悪い例 | 直した例(Opus 5.5・プロンプトあり) |
|---|---|---|
| 前の年の実績と来年の取り組み | Haiku・ただ頼んだだけ:「本年は、新たに9社の皆さまとお取引を始めさせていただきました。」「来年は新しい取り組みを検討しております。」 | 「また、昨年は新たに9社の皆様とお取引を始めさせていただきました。」「本年は新たな取り組みを検討しております。」 |
| 公表できない取り組みの扱い | Opus・ただ頼んだだけ:「詳細につきましては あらためてご案内申し上げます」 | 「本年は新たな取り組みを検討しております。」(続く「皆様のご期待に沿えるよう、社員一同さらに努めてまいります。」は定型の決意で、ご案内の約束はしていません) |
| 本社移転 | Opus・ただ頼んだだけ:「昨年六月の本社移転に際しましては 皆さまより温かいお心遣いをいただき 誠にありがとうございました」 | 「弊社は2026年6月に本社を移転いたしました。」 |
悪い例の1行目は、9社という数字は合っていますが、書いた年が元旦付けの文面と合いません。2行目と3行目は、メモに無い約束と、取引先の行いを書き足しています。直した例は、メモにある事実だけで書いています。
年始挨拶状のプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。
次のメモから、取引先に送る年始の挨拶状を書いてください。守るルールは次の4つです。 1. メモにある会社名・人名・数字・日付・曜日は、そのとおりに書く。 2. メモに無い業績の数字、住所、電話番号、新サービスの名前、訪問や連絡の約束は書かない。 3. メモで「決まっていない」「公表できない」「書かない」「行わない」とされていることは、決まったことのように書かず、メモの指示を守る。 4. 賀詞や「本年もよろしくお願いいたします」などの定型の挨拶は使ってよいが、メモに無い出来事は足さない。 [ここにメモを貼り付け]
使うときのコツ
- 前の年の実績の「昨年」「本年」を確かめる。元旦付けの挨拶状では、メモの「今年」の実績は「昨年」「旧年」、メモの「来年」の予定は「本年」になります。
- 「あらためてご案内します」などの約束が増えていないか確かめる。公表できない内容や決まっていない予定に、後日の案内を約束する文が足されることがあります。
- メモに無い取引先の行いが増えていないか確かめる。「温かいお心遣いをいただき」のように、取引先が何かをしてくれたことになる表現を探します。
よくある質問
年始挨拶状には何を書けばよいですか?
賀詞、旧年のお礼、年末年始の休業期間と営業開始日、今年の取り組み、訪問や連絡の予定、結び、日付と差出人を書きます。休業と営業開始の日付には曜日を付け、決まっていない取り組みは「検討中」と書くと、取引先に誤解されにくくなります。
年始挨拶状と寒中見舞いは何が違いますか?
年始挨拶状は新年を祝う挨拶と休業・営業開始日の案内を伝える文書、寒中見舞いは年始の時期を過ぎてから出す季節の挨拶状です。日本郵便の記事では、寒中見舞いを送る時期は、松の内(一般的には1月7日まで、関西などの一部地域は1月15日まで)が明ける日から立春までとされています。
AIに年始挨拶状を書かせると、メモに無いことを書き足しますか?
当社の検証(各条件1回)では、Claude Opus・Haikuとも、新しい住所、新サービスの名前、業績の数字、訪問の約束は書き足しませんでした。一方、ただ頼んだOpusは「温かいお心遣いをいただき」「あらためてご案内申し上げます」など3か所を、メモに無い事実と約束として書き足しました。
前の年の実績を挨拶状に書くとき、年の書き方で気をつけることは?
元旦付けの挨拶状では、前の年の実績は「昨年」「旧年」と書きます。当社の検証では、Haikuの2条件が、前の年の取引開始9社を「本年」と書いていました。メモの「今年」を、そのまま挨拶状の「本年」に写していないかを確かめてください。
年始挨拶状の下書きをAIに頼むとき、何を指示するとよいですか?
メモにある会社名・人名・数字・日付・曜日はそのまま書くこと、メモに無い業績・住所・新サービス・訪問や連絡の約束は書かないこと、決まっていないことは決まったように書かないこと、定型の挨拶は使ってもメモに無い出来事は足さないこと、の4つを指示します。このページのプロンプトに入れてあります。年の呼び方は、このプロンプトを使ったHaikuでも直らなかったため、自分で確かめてください。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月13日に行いました。会社の詳細はトップページをご覧ください。
検証の進め方は実測の進め方をご覧ください。
年始挨拶状の下書きをAIで行う仕組みづくりのご相談
合同会社フューチャープロンプトは、メモから挨拶状を下書きし、書き足しと年のずれを確かめる手順まで含めた仕組みづくりをご一緒します。
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