書き方と実測

手書き領収書をAIで読み取る精度

金額・日付・但し書きを正しく読めるかの実測・プロンプト

結論(先に)手書きの領収書の金額・日付・但し書きをAIに読み取らせた当社の検証(各条件1回)では、Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、3枚の領収書の金額・日付・宛名・但し書き・内訳・発行者をすべて正しく読みました。「1」と「7」の取り違えや桁の誤りは出ていません。ただし画像は手書き風のフォントで作った架空のもので、実際の手書きの写真ではありません。この結果は、読み取りやすい字の場合の下限の確認にとどまります。

手書きの領収書は、経費精算や帳簿への入力のために、AIに読み取らせたい書類の代表です。一方で、金額の「¥」を「7」と読んだり、桁を落としたりする誤りが出ないかが、確かめたい点です。このページでは、架空の手書き風の領収書3枚を、答えを知らないAIに読み取らせて、どこまで正しく読めたかを確かめた結果を紹介します。

AIで手書きの領収書を読み取らせたときの実測

金額に「¥」と桁区切りのカンマが付くもの、和暦(令和)の日付、「書籍代(7冊分)として」のように数字を含む但し書き、税抜金額と消費税額の内訳を入れた領収書3枚(すべて架空)を、HTMLで手書き風のフォントを使って作りました。答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5と、軽くて速いHaiku 4.5)に、1回ずつ読ませました(2026年10月2日)。条件は4通りで、どれも画像を開く手順を指示しています。そのうえで、「添付した3枚の領収書の画像を、読み取ってください。」とだけ頼む条件と、下の手書き領収書のプロンプトを使う条件を、2モデルで試しました。

架空の領収書1枚目(No. 0143、令和8年9月27日、上様、¥7,150-、飲食代として、居酒屋みなと)
検証に使った領収書1枚目(架空・HTMLで作成)
架空の領収書2枚目(No. 2087、令和8年10月1日、株式会社ミズノワ商事様、¥1,100,000-、内装工事代金として、有限会社川端内装)
検証に使った領収書2枚目(架空・HTMLで作成)
架空の領収書3枚目(No. 0719、令和8年8月13日、田中一郎様、¥17,380-、書籍代(7冊分)として、書店青葉堂)
検証に使った領収書3枚目(架空・HTMLで作成)

採点は7項目で、3枚すべてが合っていて○です。①金額3つ ②日付3つ ③但し書き3つ ④宛名3つ(2枚目の「ミズノワ」は「ノ」の字がスラッシュに近い形をしているため、読み間違えやすい) ⑤発行者3つ ⑥内訳の税抜金額と消費税額の6つの数 ⑦書かれていない値を足さず、読み取れない部分は読み取れないと伝える。

条件7項目読み取りの出方(原文の引用)書き足し・備考
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7金額「¥7,150-」「¥1,100,000-」「¥17,380-」、宛名「株式会社ミズノ?ワ?商事」、「書籍代(7?冊分)として」。3枚とも、税抜金額+消費税額=金額を確かめたなし。正しく読めた「ノ」「ワ」「一」「7」に「?」を付けた(自信がない旨の注記)
Haiku 4.5・プロンプトあり7 / 7金額・内訳の6つの数は正しい。宛名は「上?」と、正しく読めた「上」に「?」を付けたなし(備考:日付3つを「(印字)」、金額3つを「(手書き・印字)」と書き、手書きと印字の区別を誤った)
Opus 5.5・ただ頼んだだけ7 / 7全項目が正しい。「ノ」と「ワ」の字は「/7」にも見え、判別しにくい書き方と注記なし(備考:依頼に無い収入印紙の助言を足した。「税抜きの記載額が5万円以上だと印紙が必要になるのが一般的」。当社では一次資料で確かめていない)
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ7 / 7全項目が正しい。注記や指摘は付けず、読み取った値だけを並べたなし
  • 4条件とも7項目をすべて満たした。金額の「¥7,150」「¥1,100,000」「¥17,380」は、「¥」を数字と取り違えず、桁も落とさずに読まれました。「17,380」の「1」と「7」も、取り違えは出ませんでした。
  • プロンプトありの2条件は、正しく読めた字にも「?」を付けた。Opus 5.5は「株式会社ミズノ?ワ?商事」「田中 一?郎」「書籍代(7?冊分)として」、Haiku 4.5は「上?」と書きました。実際には、どれも正しい読みでした。プロンプトの「読み取れない文字や自信のない文字は「?」を付けて、どこが不確かか書く」というルールを守った結果ですが、正しい読みに「?」が付くと、確認の手間が増えます。
  • ただ頼んだだけでも、必要な値は読めた。Opus 5.5は、2枚目の宛名について「『ノ』と『ワ』の字は『/7』にも見え、判別しにくい書き方です」と注記しつつ、「ミズノワ商事」と読みました。Haiku 4.5は注記を付けず、値だけを並べました。
  • 備考。Opus 5.5のただ頼んだ条件は、依頼に無い収入印紙の助言(「営業上の受け取りでは、税抜きの記載額が5万円以上だと印紙が必要になるのが一般的」)を足しました。収入印紙のルールは当社では一次資料で確かめていないため、このページでは正誤を判断していません。Haiku 4.5のプロンプトありは、手書きの日付と金額を「(印字)」「(手書き・印字)」と書き、手書きと印字の区別を誤りました(採点の7項目には入れていません)。

印字されたレシートの読み取りはレシートをAIで読み取る精度検証にまとめています。こちらは、手書きの字を、手書き風のフォントで作った架空の画像で試したものです。

AIの回答の例と、人が確定させた値(保存した回答の原文から)

4条件とも読み違いは出ませんでしたが、そのまま使うと手間が増えた箇所が3つありました。AIの回答と、正解表に照らして人が確定させた値を並べます(いずれも各条件1回の回答)。

場面AIの回答(原文)人が確定させた値
Opus 5.5・プロンプトあり/2枚目の宛名株式会社ミズノ?ワ?商事株式会社ミズノワ商事(「?」は不要)
Opus 5.5・プロンプトあり/3枚目の但し書き書籍代(7?冊分)として書籍代(7冊分)として(「?」は不要)
Haiku 4.5・プロンプトあり/1枚目の宛名上?上(正しい読み。「?」は不要)

「?」が付いた箇所は、画像と見比べて「?」を外すだけで済みました。「?」が付いていない箇所を人が確かめなくてよい、とまでは、この検証では言えません。

この検証の範囲:架空の領収書3枚で、各条件1回ずつの結果です。画像は手書き風のフォントで作ったもので、実際の手書きの写真ではないため、字の崩れ・かすれ・斜めの撮影・影・手の込んだ崩し字は含まれません。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

手書き領収書のプロンプト(コピーして使えます)

「プロンプトあり」の条件で使ったプロンプトと同じものです。

添付した手書きの領収書の画像から、日付・宛名・金額・但し書き・内訳・発行者を読み取って、領収書ごとに表にしてください。

ルール:
- 見えたとおりに書き、推測で補わない。読み取れない文字や自信のない文字は「?」を付けて、どこが不確かか書く
- 金額は、桁区切りのカンマごとに数字を確かめる。「1」と「7」、「3」と「8」のような紛らわしい数字は特に注意し、「¥」を数字の一部と取り違えない
- 日付は和暦のまま書く
- 内訳(税抜金額と消費税額)が書かれていれば、金額との整合(税抜+消費税=金額)を確かめて、合わなければ指摘する
- 印字されている欄と、手書きの欄を区別する

使うときのコツ

  • 金額と内訳の合計を確かめさせる。税抜金額+消費税額=金額の確認は、桁や数字の読み違いを見つける手がかりになります。ただし、検証では読み違い自体が出なかったため、この確認が読み違いを実際に見つけたかは確かめていません。
  • 「?」が付いた箇所だけ人が見る。検証では、「?」が付いた箇所はすべて正しい読みでしたが、実際の手書きでは違う結果になることがあります。
  • 実際の領収書では、小さなサンプルで先に試す。字の癖や撮影の状態で結果が変わるため、自社の領収書の数枚で、金額と日付を目で照合してから、まとめて読ませます。

よくある質問

AIは手書きの領収書の金額を正しく読み取れますか?

当社の検証(手書き風のフォントで作った架空の領収書3枚、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5の4条件とも、金額・日付・但し書き・内訳をすべて正しく読みました。ただし実際の手書きの写真ではないため、字が崩れた領収書で同じ結果になるとは限りません。

手書きの領収書をAIに読ませるときのプロンプトのコツは?

見えたとおりに書き、読めない字には「?」を付け、金額は桁ごとに確かめ、税抜金額と消費税額の合計が金額と合うかを確かめさせます。検証では、正しく読めた字にも「?」が付くことがあったため、「?」の付いた箇所を人が見る使い方が向きます。

AIが付ける「?」は信用してよいですか?

この検証では、プロンプトありの2モデルが、正しく読めた字にも「?」を付けました(「ミズノ?ワ?商事」「書籍代(7?冊分)として」「上?」)。「?」は読み違いの印ではなく、AIの自信のなさの印です。「?」の付いた箇所を画像と見比べて確定させる使い方が向きます。ただし、実際の手書きで「?」の付かない読み違いが出るかは、この検証では確かめていません。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月2日に行いました。検証の進め方は実測の進め方、方針は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

この記事で使ったプロンプトは、ほかの業務書類のものと並べて、業務書類のAIプロンプト集から貼り付けて使えます。

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