月報の書き方と例文(月次のメモからのAI下書き)
数字の取り違えと実績の書き足しをAIで確かめた実測・プロンプト
月報は日報・週報と何が違うか
日報は1日、週報は1週間の出来事を書きます。月報は1か月分を、数字(実績と目標)・課題・来月の予定にまとめ直す書類で、数字の足し引きと「決まった件」と「まだ決まっていない件」の線引きが増えます。AIが取り違えやすいのは、次のような書き方です。この検証では、これを正解表に入れました。
| メモにある書き方 | 月報での正しい扱い |
|---|---|
| 年額360,000円(年額の一括払い) | 月額と書かず、年額のまま書く |
| 見積もりを出して返事待ち・日程は未定 | 受注や決定のように書かず、受注とは分けて書く |
| 目標は受注5件・600,000円で、どちらも届かなかった | 「達成」「ほぼ達成」と書かない |
| 課題はメモにある2つだけ | 原因の断定や改善の約束を足さない |
AIで月報の下書きを作ったときの実測
下の架空のメモ(営業1課・9月)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「月報を作ってください」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ作らせました(2026年10月11日)。メモには、月額と年額が混ざった4件の受注、返事待ちなどで決まっていない3件、目標に届かなかった数字を入れています。
【9月のメモ(営業1課・鈴木)】 ■数字 ・9月の受注 4件(先月は3件)。契約額の合計 560,000円(下の4件の金額をそのまま足した額。先月は 480,000円) ・9月の目標は受注5件・600,000円。どちらも届かなかった ・新規開拓の電話 118件、アポ取得 11件(先月は電話 95件、アポ 8件) ・訪問 17件(新規 9件、既存 8件) ■受注した4件 ・あおば商事 月額80,000円(9/8 契約) ・ライトハウス 月額72,000円(9/16 契約) ・ヤマト文具 年額360,000円(9/24 契約。年額の一括払い) ・タカラ食品 契約更新 月額48,000円(9/29 更新) ■進行中で、まだ決まっていない件 ・ミナト設備:見積もりを9/18に提出。返事待ち(10/9までに回答をもらう約束) ・サンライズ工業:値下げの相談で月額72,000円に直して再提出。返事はまだ ・グリーン薬局:9/11の訪問が先方の都合で延期のまま。日程は未定 ■困ったこと・課題 ・値引きの上限が決まっておらず、見積もりのたびに課長へ確認していて、返事まで平均2日かかった ・アポは増えたが、受注に進んだのは11件中2件だけ(あおば商事とライトハウス) ■10月の予定 ・ミナト設備の回答を10/9までにもらい、決まれば契約書案を送る ・グリーン薬局の訪問日程を決める ・サンライズ工業へ10/5に電話して返事を聞く ・課長に値引きの上限を決めてもらう(10/2の週に相談する) ・10月の目標:受注5件・600,000円(9月と同じ)
採点は7項目です。①数字(受注件数・契約額・目標・電話・アポ・訪問・先月との比較)がメモどおり ②受注4件の金額が取り違えられていない(ヤマト文具を月額と書かない) ③決まっていない3件を受注・決定・訪問済みのように書かない ④課題2つが入っている ⑤10月の予定5つが入っている ⑥目標未達を「達成」「ほぼ達成」と書かない ⑦メモに無い事実・数字・約束・原因分析を足さない。メモの数字から計算で出せる達成率や差額(目標まで1件・40,000円など)、表の見出しは書き足しに数えていません。
| 条件 | 7項目 | 月報の下書き | メモに無い書き足し |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・プロンプトあり | 7 / 7 | 数字・受注4件の金額・課題2つ・10月の予定5つが原文どおり。返事待ちの3件は「受注には含めていません」と分けて書いた | なし |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 7 / 7 | 数字・受注4件の金額・課題2つ・10月の予定5つが原文どおり。返事待ちの3件は別の節に分けた | なし(「届かなかりました」という誤字が1か所あったが、書き足しではない) |
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 6 / 7(⑦×) | 数字・金額・課題・予定が原文どおり。ヤマト文具は年額のまま、返事待ちの3件も受注と分けた | あり。受注4件のうち3件に、メモに無い「新規」の区分を付けた。グリーン薬局の訪問日程を決める時期に「10月中」を足した |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 6 / 7(⑦×) | 数字・金額・課題・予定が原文どおり。ヤマト文具は年額のまま、返事待ちの3件も受注と分けた | あり。「新規契約3件(うち年額1件)と更新1件」とメモに無い区分を書いた。末尾に「提出前に確認したい点」として、予定日が過ぎていることや契約額の基準の確認を3つ付けた(「今日は10/11」というメモに無い日付も書いた) |
- 数字の取り違えは、4条件とも無かった。受注件数・契約額・目標・電話・アポ・訪問はメモどおりで、ヤマト文具の年額360,000円を月額と書いた条件はありませんでした。月額と年額が混ざっている点を、注として断った条件もありました。
- 返事待ちの案件を受注のように書いた条件は無かった。ミナト設備・サンライズ工業・グリーン薬局は、4条件とも受注とは別の節に分けました。目標未達を「達成」と書いた条件もありませんでした。
- ただ頼んだだけの2条件は、メモに無い区分や助言を足した。どちらも、受注の「新規」という区分を足しました。メモに「契約更新」とあるのはタカラ食品だけで、他の3件が新規かどうかは書かれていません。Haiku 4.5は確認をすすめる助言も付けました。
- プロンプトを渡した2条件は、書き足しが無かった。各1回の結果なので、プロンプトの効果とまでは言えません。
AIが書き足した区分・時期の悪い例と、直した例(回答の原文から)
月報では、数字そのものより、メモに無い区分や時期が足されました。保存した回答の原文を並べます。
| 項目 | 悪い例(回答の原文) | 直した例 |
|---|---|---|
| 受注の区分 | Opus 5.5(ただ頼んだだけ)の受注の表で、あおば商事・ライトハウス・ヤマト文具の区分が「新規」。Haiku 4.5(ただ頼んだだけ)は「内訳は、新規契約3件(うち年額1件)と更新1件。」(メモに「契約更新」とあるのはタカラ食品だけ) | Opus 5.5(プロンプトあり)の表は、「あおば商事|月額80,000円|9/8 契約」のように、金額と日付だけで区分を足さない |
| 予定の時期 | Opus 5.5(ただ頼んだだけ)の予定の表で「10月中|グリーン薬局の訪問日程を決める」(メモは「訪問日程を決める」だけ) | Opus 5.5(プロンプトあり)の「グリーン薬局の訪問日程を決めます。」のように、メモにある時期だけを書く |
直し方は、メモにある言葉だけで書き、区分や時期を足したくなる箇所は「メモに無い」と断ることです。足されたかどうかは、金額・日付の列以外の言葉を、メモと見比べると見つかります。
月次のメモから月報を作るプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。
次の9月のメモから、月報を作ってください。 ルール: - メモに書いてあることだけを、数字・日付・名前は原文のとおりに書く - 受注した件と、返事待ち・未定の件は分けて書き、まだ決まっていない件を受注のように書かない - 目標との差は、届いたか届かなかったかをメモのとおりに書く - メモに無い原因・反省・改善の約束・見込みは足さない [ここに月次のメモを貼り付け]
使うときのコツ
- メモに「月額」「年額」を書いておく。金額の単位をメモに書いておくと、取り違えを見つけやすくなります。
- 決まっていない件は、別の見出しで書いておく。メモの段階で「受注した件」と「返事待ちの件」を分けておくと、月報でも混ざりません。
- 提出前に件数と金額を原本で確かめる。受注の件数と契約額は、契約書や社内の集計と、1件ずつ見比べてから出します。
よくある質問
月次のメモからAIで月報を作ると、数字を取り違えたり、実績を書き足したりしますか?
当社の検証(架空のメモ、各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、受注件数・契約額・目標・電話・アポ・訪問の数字は原文どおりで、年額の契約を月額と取り違えることも、返事待ちの案件を受注と書くこともありませんでした。書き足しがあったのは、ただ頼んだだけの2条件で、どちらもメモに無い「新規」の区分を付け、Haiku 4.5は確認をすすめる助言も付けました。
AIの月報の下書きは、そのまま出せますか?
そのまま出さず、受注の件数と金額、返事待ちの案件の扱いを、メモや契約書と見比べて確かめてください。月報の項目や提出の決まりは会社ごとに違うので、社内の規程にも合わせます。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月11日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。
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