議事録の決定事項・担当者・期限をAIで抜き出す方法
担当変更・担当未定・期限なしを扱うOpus 5.5・Haiku 4.5の4条件比較とプロンプト
議事録から「誰が・いつまでに・何をするか」を抜き出す作業は、担当が途中で入れ替わったり、「誰かやっといて」で終わったりすると、取り違えが起きやすい場面です。担当が決まっていないものに人名を入れる、期限の発言が無いものに日付を入れる、といった誤りは、あとで仕事の抜けになります。このページでは、そうした場面を入れた架空の定例会議の文字起こしをAIに読ませて、結果を正解表で採点しました。議事録自体の書き方は、「議事録の書き方とAIでの作り方」で紹介しています。
検証の方法
営業企画チームの定例会議を想定した、架空の文字起こしを作りました(2026年10月9日に検証)。5人の会議で、次の場面を入れています。
- 見積もりの比較は、最初は佐藤さんに頼まれたが、会議の中で鈴木さんに代わった
- パンフレットは、高橋さんが作った版を山口さんが直し、鈴木さんが確認する(高橋さんの名前が出るが、担当ではない)
- 「来週の金曜」「21日の昼まで」のような、相対的な期限
- アンケートの集計は「誰かやっといてください」で、誰も手を挙げなかった
- 予算の増額は、部長に聞いてからでないと決められない(決定ではない)
- 期限の発言が無いToDoが3件ある
【会議の文字起こし(架空)】 会議名:営業企画チームの定例会議 日時:2026年10月14日 14時から14時40分 出席者:中村(司会)、佐藤、高橋、鈴木、山口 中村:始めます。まず展示会の件です。11月の展示会には出展します。これは確定です。 佐藤:ブースの見積もりが業者から2社分届いています。 中村:その見積もりの比較は佐藤さん、お願いします。来週の金曜までに。 佐藤:分かりました。 中村:次に出展パンフレット。高橋さんが作った版を、山口さんが直す流れでしたよね。 山口:はい、私が直します。10月20日までに仕上げます。直したものは鈴木さんに見てもらいたいです。 鈴木:見ます。山口さんから受け取って、21日の昼までに確認します。 佐藤:すみません、さっきの見積もりの比較ですが、パンフレットの確認と重なって忙しくて。鈴木さん、代わってもらえませんか。 鈴木:いいですよ、見積もりの比較は私がやります。期限は同じで。 中村:では見積もりの比較は鈴木さんに変えます。 中村:値引き案Aは、部長が反対だったので、やらないことにします。 高橋:予算の増額はどうしますか。 中村:それは部長に聞いてみないと決められません。高橋さん、部長に聞いておいてもらえますか。 高橋:分かりました。結果が出たら次回に報告します。あと、会場の電源の件も、主催者に問い合わせておきます。 中村:最後にアンケートの集計。これは誰かやっといてください。 中村:……誰も手が挙がらないので、次回までに誰がやるか決めましょう。 中村:次回は10月28日の14時からです。以上です。
2026年10月14日は水曜なので、「来週の金曜」は10月23日です。頼み方は2通りです。「次の会議の文字起こしから、決定事項と、ToDo(担当者・期限)を表にして抜き出してください。」とだけ頼む条件と、下のプロンプトを使う条件で、モデルとの組み合わせは4通りです。答えは渡していません。
採点は7項目です。①ToDo6件がすべてあり、ほかのToDoを作らない ②見積もりの比較の担当が鈴木 ③パンフレットの修正は山口、確認は鈴木、予算の確認と電源の問い合わせは高橋で、取り違えがない ④アンケートの集計の担当に人名を入れない ⑤期限が発言どおりで、発言に無い期限を作らない ⑥決定事項(展示会に出展する・値引き案Aはやらない・次回は10月28日の14時から)があり、予算の増額などを決定に入れない ⑦文字起こしに無い事実・数字を足さない。
結果:4条件の採点
| 条件 | 7項目 | 担当の変更・未定 | 期限 |
|---|---|---|---|
| Opus 5.5・ただ頼んだだけ | 6 / 7(⑤×) | 見積もりの比較は鈴木。アンケートの集計は「未定」 | 「来週の金曜(10月23日と解釈)」。電源とアンケートは「発言なし」。予算の確認は「次回の会議(10月28日)」と日付つきで書き、⑤× |
| Haiku 4.5・ただ頼んだだけ | 6 / 7(⑥×) | 見積もりの比較は鈴木(備考に「元の担当は佐藤」)。アンケートの集計は「未定」 | 「10月23日(金)」と換算。電源の問い合わせは「期限の記載なし」。次回の会議は決定ではなく「予定」の行に書き、⑥× |
| Opus 5.5・プロンプトあり | 5 / 7(①⑥×) | 見積もりの比較は鈴木。アンケートの集計は「未定」 | 「来週の金曜まで」と原文のまま。発言の無い件は「期限の発言なし」 |
| Haiku 4.5・プロンプトあり | 6 / 7(⑥×) | 見積もりの比較は鈴木(「佐藤から鈴木へ担当変更」)。アンケートの集計は「未定」 | 「来週の金曜まで」と原文のまま。発言の無い件は「期限の発言なし」 |
- 担当の取り違えは、4条件とも無かった。途中で代わった見積もりの比較は鈴木に、誰も手を挙げなかったアンケートの集計は「未定」になりました。パンフレットの修正に高橋さんの名前を入れた条件もありませんでした。
- 期限の発言が無い件に、文字起こしに無い日付を作った条件は無かった。電源やアンケートは「発言なし」「期限の記載なし」などと書かれました。ただし、ただ頼んだOpus 5.5は予算の確認の期限を「次回の会議(10月28日)」と書きました。10月28日は文字起こしにある次回の日付ですが、期限の発言ではないため、⑤は×としました。
- 点数を下げたのは、次回の会議日程の扱いと期限の書き方だった。ルールで決定事項を「確定」「やらない」と言い切られたものに絞ったプロンプトの2条件は、決定事項に次回の会議(10月28日の14時から)が入りませんでした(⑥×)。ただ頼んだHaiku 4.5も、次回の会議を「決定」ではなく「予定」の行に書いたため⑥×です(ただ頼んだOpus 5.5は決定事項に入れました)。
足された例と、取り違えなかった例(回答の原文から)
次の引用は、保存した回答の原文のとおりです。
| 回答の該当箇所(原文のまま) | 文字起こしとの照合 | |
|---|---|---|
| 足された例 | 「アンケートの集計を誰がやるか決める」(担当「未定」、期限「次回まで」。Opus 5.5・プロンプトあり。7件目のToDo) | 文字起こしの「次回までに誰がやるか決めましょう」から作られた行です。同じ回答の6件目に「アンケートの集計」が別にあるため、1つの作業が2行になりました(①×)。 |
| 取り違えなかった例 | 「ブース見積もり2社分を比較する」(担当「鈴木」、期限「10月23日(金)」、備考「「来週の金曜」を換算。元の担当は佐藤」。Haiku 4.5・ただ頼んだだけ) | 担当は変更後の鈴木で、換算した日付も暦と合っています。 |
| 未定を残した例 | 「アンケートの集計(次回までに担当者を決める)」(担当「未定」、期限「期限の発言なし」。Haiku 4.5・プロンプトあり) | 人名を入れず、次回までに決めることも残っています。 |
送る前に見る点は3つです。①途中で代わった担当が、変わった後の人になっているか ②「未定」のものに人名が入っていないか ③ルールで絞った項目(この検証では決定事項)から、必要なものが消えていないか。
決定事項・担当者・期限を抜き出すプロンプト(コピーして使えます)
上の検証で「プロンプトあり」の条件に使ったプロンプトと同じ文面です。
次の会議の文字起こしから、決定事項と、ToDo(担当者・期限)を表にして抜き出してください。 ルール: - 担当者は、最後に引き受けた人にする。途中で担当が変わった場合は、変わった後の人を書く - 誰が引き受けたか決まっていないものは、担当を「未定」と書き、人名を入れない - 期限は発言どおりに書く。発言に無い期限は作らず、「期限の発言なし」と書く - 「確定」「やらない」と言い切られたものだけを決定事項にする。「聞いてから決める」ものは決定事項に入れない - 文字起こしに無い事実・数字・約束は足さない [ここに文字起こしを貼り付け]
使うときのコツ
- 担当が途中で変わる会議では、「最後に引き受けた人」とルールに書く。検証では、ただ頼んだ条件でも取り違えはありませんでしたが、担当の入れ替わりは確かめる価値があります。
- 決定事項を絞るなら、次回の日程など必要なものを書き足す。検証では、絞ったルールで次回の会議日程が消えました。
- 結果は、元の発言と見比べる。特に「未定」の行と、期限の列を見ます。
よくある質問
議事録の担当者と期限は、AIにそのまま抜き出させてよいですか?
当社の検証(架空の定例会議・各条件1回)では、Claude Opus 5.5・Haiku 4.5とも、途中で変わった担当(佐藤から鈴木へ)と、誰も手を挙げなかった担当(未定)を取り違えませんでした。ただし1つの文字起こしでの結果です。送る前に、担当の変更と未定の項目を元の発言と見比べてください。
AIは、発言に無い期限を書き足しますか?
この検証では、期限の発言が無い件に、文字起こしに無い日付を作った条件はありませんでした。「来週の金曜」を10月23日に換算した条件は2つあり、どちらも暦と合っていました。ただし、ただ頼んだOpus 5.5は予算の確認の期限に次回の会議の日付(10月28日)を書いたため、採点では×としました。会議の日付を渡していない場合は試していません。
プロンプトにルールを書くと、結果は良くなりますか?
この検証では、点数は大きく変わりませんでした(ただ頼んだ2条件は6 / 7・6 / 7、プロンプトありは5 / 7・6 / 7)。ルールで決定事項を「確定」「やらない」と言い切られたものに絞った条件では、次回の会議日程が決定事項から消えました。Opus 5.5のプロンプトありでは、担当を決めるという作業が7件目のToDoとして足されました。ルールを書いたら、書いた範囲の外が落ちていないかも読み直します。
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月9日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。
この記事で使ったプロンプトは、ほかの業務書類のものと並べて、業務書類のAIプロンプト集から貼り付けて使えます。
会社法にもとづく決議を記録する議事録は、ふつうの会議の議事録とは書くべき事項が変わります。取締役会議事録の書き方と株主総会議事録の書き方は、要点メモをAIに書かせた実測とあわせて別の記事にまとめています。
会議の議事録からのToDo抜き出しと確認をAIで行う仕組みづくりのご相談
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