書き方と実測

事業計画書の書き方とテンプレート

革小物のネット販売の例文つき。AIで下書きしたときの市場規模・売上・資金調達額の書き足しの実測・プロンプト

結論(先に)事業計画書は、メモにある数字だけを使い、市場規模や売上のように根拠が無い欄は「未定」と書くほうが、読み手に誤解されません。創業予定者のメモをAIに事業計画書にさせると、市場規模は4条件とも作られませんでした。ただ頼んだOpusだけが、メモに無い月10個・20個の販売数を仮定して売上額を表にし、開業までの予定の表も書き足しました。

事業計画書は、これから始める事業の内容・資金・見通しを、第三者に説明するための文書です。創業前は売上の実績が無く、市場規模や売上予測を書きたくなりますが、メモに無い数字を足すと、読み手は根拠のある数字として読みます。このページでは、事業計画書の構成とテンプレートに加えて、AIに書かせたときに市場規模・売上・資金調達額を書き足さないかを確かめた結果を紹介します。社内向けの企画書との違いは、資金の根拠まで書く点です。

事業計画書に書くこと

項目書くこと
事業の概要何を、誰に、どのように提供するか
創業者の経歴事業に関係する経験と年数
商品・サービスと価格価格と、その価格が決まったものか検討中のものか
作る体制・提供の体制場所、人数、1か月に対応できる量。上限と見込みを分ける
販売先と集客決まっている販売先と、未定のもの
競合調べた事実と、調べていない感触を分けて書く
必要な資金と調達金額の内訳と根拠(見積もり何社分か、概算か)、調達方法が決まっているか
売上の見通し根拠のある数字。読めていなければ「読めていない」と書く
決まっていないこと・調べていないこと空欄にせず、何が分かれば書けるかを添える

事業計画書のテンプレート

事業計画書(事業名:〇〇)

1. 事業の概要
・何を、誰に、どのように提供するか

2. 創業者の経歴
・

3. 商品・サービスと価格
・価格が検討中なら「検討中」と明記

4. 作る体制・提供の体制
・場所、人数、1か月に対応できる量

5. 販売先と集客
・決まっていない販売先は「未定」

6. 競合
・調べた事実と、調べていない感触を分けて書く

7. 必要な資金と調達
・金額の根拠(見積もり何社分か、概算か)を明記
・調達方法が検討中なら「検討中」と明記

8. 売上の見通し
・根拠のある数字だけを書く。読めていなければ「読めていない」

9. 決まっていないこと・調べていないこと
・

AIで下書きしたときの実測

革の名刺入れ・キーケースをネットで販売する創業予定者の事業メモ(架空)を、答えを知らない状態のClaudeに、「ただ頼む」「下のプロンプトを使う」の2通りで1回ずつ解かせ、正解表と照らし合わせました(2026年10月13日、当社の作業環境から実行)。ツールを使わせないエージェントを、opus(Opus 5.5)・haiku(Haiku 4.5)の指定で起動しています。メモには、数字を書き足したくなる次の点を仕込みました。市場規模と売上予測の数字はメモに無いこと、月30個は作れる上限であること、見積もりは1社分だけで材料費は概算であること、融資は検討中でまだ相談していないこと、競合は調べていないことの5点です。

【事業メモ(創業予定・山本)】
・事業名(仮):オーダーメイドの革の名刺入れ・キーケースをネットで販売する
・始める人:山本。革製品の工房で6年勤務。独立は2027年6月ごろを予定
・商品:名刺入れは販売価格12,000円、キーケースは9,000円で考えている。名入れは無料
・作り方:自宅の一室を作業場にする。1人で作るので、月に作れるのは多くて30個ほど(工房での勤務中の実績から)
・販売先:自分のネットショップ。ハンドメイドのマーケットサイトにも出す予定だが、どのサイトかは決めていない
・集客:SNSで制作の様子を投稿する。広告費はかけない方針
・必要な資金:工具と機械の購入に約80万円(見積もりは1社分のみ)、材料の初回仕入れに約20万円(概算)
・手元の資金:自己資金は約60万円。足りない分は日本政策金融公庫の創業融資に申し込むことを検討中だが、まだ相談していない
・競合:同じ価格帯の個人作家は多い。名入れを無料にしている所は少ないと感じているが、調べたわけではない
・売上の見通し:開業から半年は、注文がどれくらい来るか読めていない

採点は正解表の8項目(事業内容と価格・作る体制・開業時期・必要な資金・資金の調達・販売先と集客・売上の見通し・競合)です。これとは別に、メモに無い数字や事実を書き足した種類を数えました。

条件8項目の得点×の項目
Opus 5.5・プロンプトあり8なし
Opus 5.5・ただ頼んだだけ7売上の見通し(メモに無い月10個・20個の販売数で売上額を並べた)
Haiku 4.5・プロンプトあり8なし
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ8なし

書き足しの種類別

種類Opus・プロンプトありOpus・ただ頼んだHaiku・プロンプトありHaiku・ただ頼んだ
市場規模書かず「メモに記載なし(未定)」書かず書かず「メモに記載なし(未定)」書かず
売上予測書かず「メモに記載なし(未定)」作った。月10個・20個・30個の販売数ごとに売上額を表にした(30個は上限と明記)書かず「メモに記載なし(未定)」作らず。月30個がすべて売れた場合の上限の目安だけを「実際の売上ではない」と明記
資金調達額融資額は「メモに記載なし(未定)」。差額は約40万円と計算し「確定ではありません」と添えた調達の表に「借入(日本政策金融公庫の創業融資)」「約40万円(不足分)」を入れ、合計約100万円とした。「検討中、まだ相談していない」は残した融資額は未定。差額は約40万円と計算した不足分は約40万円と計算し、融資は検討中・まだ相談していないと書いた
原価率・利益率書かず「メモに記載なし(未定)」書かず。原価は「未確認」とした書かず「メモに記載なし(未定)」書かず。「1個あたりの原価を計算する」を今後の確認に回した
日程・その他の事実なし「開業までの予定」の表(2026年10月〜2027年6月ごろの4区切り)を作ったなし「自分のネットショップを主力にする」と書いた(メモに「主力」とは無い)
  • 市場規模は、4条件とも作らなかった。プロンプトありの2条件は、市場規模の欄に「メモに記載なし(未定)」と書き、Haikuは書けるようになるために必要なものとして公的統計や業界資料を挙げました。
  • メモに無い販売数を仮定して売上額を作ったのは、Opusのただ頼んだ条件だけだった。メモには月30個が作れる上限とあるだけで、月10個・20個売れるとは書かれていません。この条件は、見出しに「予測ではなく計算上の数字」と添えていますが、事業計画書に載ると読み手は見通しの数字として読みます。同じ条件の冒頭には「※ メモにない数値や事実は書いていません。」とありましたが、開業までの予定の表は書き足されていました。
  • 資金の差額は、計算してよいが、調達額にしないほうがよい。必要な資金(約100万円)と自己資金(約60万円)の差は、4条件とも約40万円と計算していて、計算は合っています。ただOpusのただ頼んだ条件は、この差を「借入」の金額として調達の表に入れました。融資は検討中で相談前というメモの状態より、決まった調達に近い形になります。
  • Haikuは、ただ頼んでも売上や調達額の数字を作らなかった。見積もりが1社分だけであること、材料費が概算であること、競合を調べていないことという但し書きの趣旨は、4条件とも残りました。Haikuのプロンプトありだけは、メモで言い切っている「同じ価格帯の個人作家は多い」を「多いと感じている。ただし、調べたわけではない。」と弱めて書きました。

AIの出力の悪い例と直した例(Opus 5.5・原文のまま)

メモに無い売上や日程を書き足した出力と、プロンプトで書き足しを禁じた出力を、同じ場面で並べます。

場面悪い例(ただ頼んだだけ)直した例(プロンプトあり)
売上の見通し「開業から半年の注文数はまだ読めていないため、ここでは「何個売れたら月の売上がいくらになるか」を計算しただけです。」のあとに、月10個・20個・30個の売上額の表「月ごとの売上の見通し:メモに記載なし(未定)。月にどれくらい注文が来るかの見込みが分かれば書けます。」
開業までの日程「開業までの予定」の表に「2027年4月〜5月」「融資を申し込み、工具・機械と材料を買い、作業場を整える」「独立の時期」の欄に「2027年6月ごろの予定」
資金の調達調達の表に「借入(日本政策金融公庫の創業融資)」「約40万円(不足分)」「検討中、まだ相談していない」「日本政策金融公庫の創業融資」「メモに記載なし(未定)」「申し込むかどうかを検討中。まだ相談していない」

悪い例は、計算や状況の但し書きは正しくても、読み手が見通しや予定として読みやすい形になっています。直した例は、メモにある数字だけを使い、書けない欄には何が分かれば書けるかを添えています。

この検証の範囲:1つのサンプルで、各条件1回ずつの結果です。サンプルと正解は当社が作った架空のものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Geminiでは試していません。

事業計画書のプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。

次のメモから、事業計画書を書いてください。守るルールは次の4つです。
1. メモにある数字・日付・金額・条件は、そのとおりに書く。「約」「ごろ」「概算」「1社分のみ」などの但し書きも落とさない。
2. メモに無い市場規模、売上予測、利益率、資金調達額、競合の数や店名は書かない。
3. メモで「検討中」「決めていない」「調べたわけではない」「読めていない」とされていることは、そのとおりに書き、決まったことや調べた事実のように書かない。
4. 数字が無くて書けない項目は、空欄にせず「メモに記載なし(未定)」と書き、何が分かれば書けるかを添える。

[ここにメモを貼り付け]

使うときのコツ

  • 表の数字が、メモにある数字から来ているか確かめる。合計や差額の計算は合っていても、「何個売れたら」のように仮定の数字が混ざっていないかを見ます。
  • 「約」「概算」「検討中」の言葉が消えていないか確かめる。資金の欄は、調達が決まったように読めていないかを見ます。

よくある質問

事業計画書には何を書けばよいですか?

事業の概要、創業者の経歴、商品・サービスと価格、作る体制、販売先と集客、競合、必要な資金と調達、売上の見通し、決まっていないことを書きます。金額には根拠(見積もり何社分か、概算か)を添え、決まっていないことは空欄にせず「未定」と明記します。

AIに事業計画書を書かせると、市場規模や売上の数字を作りますか?

当社の検証(各条件1回)では、市場規模は4条件とも作りませんでした。メモに無い販売数を仮定して売上額を作ったのはOpusのただ頼んだ条件だけで、月10個・20個の販売数で売上額を表にしました。プロンプトでメモに無い市場規模・売上予測・利益率・資金調達額などを書かないよう指示した2条件では、こうした数字は出ませんでした。

AIが書いた資金の差額や合計は、そのまま使ってよいですか?

計算が合っているかは確かめてよいですが、調達額として使うかは別に判断してください。当社の検証では、必要な資金と自己資金の差(約40万円)の計算は4条件とも合っていました。ただOpusのただ頼んだ条件は、この差を融資の金額として調達の表に入れており、融資が検討中という状態より決まった調達に近い形でした。

メモに無い項目は、AIにどう書かせればよいですか?

空欄にせず「メモに記載なし(未定)」と書かせ、何が分かれば書けるかを添えさせます。このページのプロンプトに入れてあり、これを使った2条件では、市場規模や売上の欄が数字ではなく、書けるようになるための条件で埋まりました。

事業計画書の下書きをAIに頼むとき、何を指示するとよいですか?

メモにある数字と但し書き(約・概算・1社分のみ)はそのまま書くこと、メモに無い市場規模・売上予測・利益率・資金調達額・競合の数は書かないこと、検討中・調べていないことは決まったことのように書かないこと、書けない項目は何が分かれば書けるかを添えること、の4つを指示します。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年10月13日に行いました。会社の詳細はトップページをご覧ください。
検証の進め方は実測の進め方をご覧ください。

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