書き方と実測

稟議書の書き方とテンプレート

複合機リース更新の稟議書をAIで下書きしたときの実測・プロンプト

結論(先に)稟議書は、金額と効果を数字で書き、決まっていないこと(選定中の案、承認待ちの決裁)を「未定」と明記すると承認する側が判断しやすくなります。複合機リース更新のメモをAIに稟議書にさせると、Opus・Haikuとも未決定事項を断定に変えることはありませんでした。ただ頼んだ2条件は、年間の出張費や両社の差額など、メモに無い数字を作って書きました。

稟議書は、上長や役員が「いくら・何のために・いつまでに承認するか」を判断するための文書です。案がまだ複数あったり、決裁の一部だけが終わっていたりすることも多く、その「決まっていない部分」をそのまま書けるかどうかが、承認をスムーズに進める分かれ目になります。このページでは、稟議書の構成とテンプレートに加えて、AIに書かせたときに未決定事項をどう扱うかを確かめた結果を紹介します。

稟議書に書くこと

項目書くこと
件名何を承認してほしいかを一言で
背景現状の問題、なぜ今対応が必要か
提案内容・比較複数の選択肢がある場合は、条件をそろえた比較表で
金額(稟議額)合計額と内訳。税別・税込みの別を明記
効果見込まれる効果。確定していない数字は「見込み」「想定」と書く
今後の予定・決裁の状況希望納期、これまでの決裁状況、まだ承認されていない部分

稟議書のテンプレート

件名:〇〇の実施について

1. 背景(現状の問題)
・

2. 提案内容
・

3. 比較(選択肢が複数ある場合)
| 項目 | 案A | 案B |
|  |  |  |

4. 金額(稟議額・税別/税込みを明記)
・

5. 効果(見込み・想定は明記)
・

6. 今後の予定
・希望納期:
・決まっていないこと:未定

7. 決裁の状況
・これまでの承認:
・今回お願いする決裁:

AIで下書きしたときの実測

複合機のリース更新の稟議メモ(架空)を、答えを知らない状態のClaude(作業環境の opus・haiku の指定で実行。モデルの版は実行記録に残っていないため、同じ作業環境の既定である Opus 5.5・Haiku 4.5 と記載)に、「ただ頼む」「下のプロンプトを使う」の2通りで1回ずつ解かせ、正解表と照らし合わせました(2026年9月26日、当社の作業環境から実行)。メモにはA社かB社かは未決定、出張費は減る見込みで無くなるとは決まっていない、役員決裁はこれから、という断定に変えやすい要素を仕込みました。

【稟議メモ(総務・田中)】
・件名:複合機(コピー機)のリース更新
・背景:現行機のリース契約は2027年1月末で満了。導入から5年が経ち、月2〜3回の紙詰まりが起きている
・見積もり:A社は月額28,000円(現行と同じ機能)。B社は月額32,000円(スキャンの読み取りが速い機能つき)。契約期間はどちらも5年
・経理部からの要望:スキャンを使う機会が増えており、B社の速い機能が欲しいという声がある
・初期設定費用:A社は無し。B社は別途50,000円(税別)
・紙詰まりのトラブル対応:現行機は年4回ほど修理を呼んでおり、1回あたり出張費8,000円がかかっていた。新しい機種にすればこの出張費は減る見込み(無くなると決まったわけではない)
・稟議額:A社なら月額28,000円×60か月=1,680,000円(税別)
・決裁の状況:部長には内容を説明し了承をもらっている。役員の決裁はこの稟議書を出してから
・希望納期:現行契約が切れる前の2027年1月中旬に入れ替えたい
・A社かB社かは、経理部の要望をふまえてまだ最終決定していない(総務としてはコストを抑えたいのでA社寄り)
条件未決定・決裁状況の扱いB社の総額(正解表では計算してよい)メモに無い数字・事実の書き足し
Opus 5.5・プロンプトあり正確(A社かB社かは「未定」、役員決裁は「未決裁」)計算せず「B社の場合:未定(メモに記載がないため)」としたなし
Opus 5.5・ただ頼んだだけ正確(「まだ決めていません」「この稟議書でお願いします」)1,970,000円(初期設定費用を含め正しい)あり。出張費「年間でおよそ32,000円」、リース料の合計1,920,000円、差額290,000円・240,000円を作った。添付資料に「現行機のリース契約書(写し)」を書き足した
Haiku 4.5・プロンプトあり正確(「現在検討中です」「本稟議書提出後、役員の決裁を取得いたします」)1,970,000円(初期設定費用を含め正しい)なし
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ正確(「2案を検討しています」「案A・案Bいずれかに決定いたします」)1,970,000円(初期設定費用を含め正しい)あり。出張費を「年32,000円程度」とした。「稟議日付:2026年9月26日」を書き足した
  • 断定に変わりやすい3か所は、4条件とも断定されなかった。A社かB社かは「未定」「検討中」「まだ決めていません」などと書かれ、出張費は「減る見込み」「削減が見込まれます」のまま、役員決裁は「未決裁」「この稟議書でお願いします」など、済んでいない形で書かれました。
  • メモに無い数字を作ったのは、ただ頼んだ2条件だった。年間の出張費(8,000円×年4回=およそ32,000円)や、両社の差額(290,000円)は、メモの数字から計算できますが、メモには書かれていない試算です。稟議書に載ると、承認する側は確かめた数字として読みます。プロンプトで「メモに無い数字・結論・決定事項は足さない」と指示した2条件では、こうした数字は出ませんでした。B社の総額(1,970,000円)は、正解表では計算してよいものとしていて、計算した3条件はいずれも初期設定費用を正しく含めていました。
  • 計算の誤りは無かった。1,680,000円・1,920,000円・1,970,000円・290,000円・240,000円・32,000円のいずれも、メモの数字から計算した結果と一致しています。
この検証の範囲:1つのサンプルで、各条件1回ずつの結果です。サンプルと正解は当社が作った架空のものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Geminiでは試していません。

稟議書のプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。

次のメモをもとに、上長に提出する稟議書を作ってください。

構成:件名/背景(現状の問題)/提案内容/比較(複数の選択肢がある場合)/金額(稟議額)/効果/今後の予定・決裁の状況

ルール:
- メモに無い数字・結論・決定事項は足さない
- 決まっていないこと(選定中の選択肢、承認待ちの決裁など)は「未定」「検討中」と書く
- 見込み・想定の数字は「見込み」「想定」と明記する
- 税別・税込みなど、メモの表記をそのまま使う

[ここにメモを貼り付け]

使うときのコツ

  • 合計額の計算結果は必ず見返す。選択肢のうち一方しか金額が書かれていないメモでは、AIがもう一方の合計を計算して書き足すことがあります。計算式自体は正しくても、稟議書に載せるかどうかは書き手が判断します。
  • 「未定」「見込み」の言葉が消えていないか確かめる。下書きを整えるうちに、これらの言葉が削れて断定文になっていないかを見ます。

よくある質問

稟議書には何を書けばよいですか?

件名、背景(現状の問題)、提案内容(複数の選択肢がある場合は比較)、金額(稟議額)、効果、今後の予定・決裁の状況を書きます。決まっていないことは「未定」「検討中」と明記すると、承認する側が何を判断すればよいか分かりやすくなります。

AIに稟議書を書かせると、決まっていないことを断定しますか?

当社の検証(各条件1回)では、Claude Opus・Haikuとも、A社かB社かの未決定、役員決裁が済んでいないこと、出張費は減る見込みであることを、断定に変えませんでした。一方、ただ頼んだ2条件は、年間の出張費(およそ32,000円)や両社の差額(290,000円)など、メモに無い数字を作って書きました。プロンプトで「メモに無い数字・結論・決定事項は足さない」と指示した2条件では、こうした数字は出ませんでした。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年9月26日に行いました。会社の詳細はトップページをご覧ください。

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