書き方と実測

顛末書・始末書の書き方とテンプレート

違いと、誤送信の顛末書をAIで下書きしたときの原因・対策の書き足しの実測・プロンプト

結論(先に)顛末書は、一般に起きたことの経緯・原因・対応を事実として報告する文書で、確かめられていないことは「未確認」「検討中」と分けて書くのが要です。誤送信のメモをAIに顛末書にさせた当社の検証(各条件1回)では、Opus 5.5は2条件とも、推測の原因や未決定の対策を確定に変えませんでした。Haiku 4.5はただ頼んだ1回で、原因を事実として書き、検討中の対策に「今後速やかに実装する予定」を足しました。

取引先への誤送信や納期の遅れなど、仕事のトラブルが起きたときに求められるのが顛末書と始末書です。トラブル直後のメモには「たぶんこれが原因」「対策はまだ検討中」「先方は口頭で削除したと言っている」といった、確かめられていないことが多く混ざります。このページでは、顛末書と始末書の違い、書くこととテンプレートに加えて、AIに顛末書を書かせたときに、そうした「確かめられていないこと」をどう扱うかを確かめた結果を紹介します。

顛末書と始末書の違い

顛末書始末書
目的一般に、起きたことの経緯・原因・対応を報告する一般に、自分の過失を認め、謝罪と反省を示す
中心になる内容事実(日時・経緯・対応状況)と、原因・再発防止策事実の概要と、お詫び・反省・今後の誓い
書き方の注意確かめていないことを確定として書かない言い訳を書かず、事実と反省を分ける

法令で定められた書類ではなく、呼び方や使い分けは会社や場面によって違います。会社によっては、就業規則で書式や扱い(懲戒の手続きとの関係など)が決まっているため、提出先と社内の規程を確かめてから書きます。

顛末書に書くこと

項目書くこと
件名何についての報告かを一言で
発生日時と概要いつ・何が起きたか
経緯(時系列)発生・発覚・対応を、日時の順に
原因確かめた原因と、推測の原因を分ける。推測は「未確認」と書く
対応状況相手ごとに、したことと、まだしていないこと
再発防止策決まった対策と、検討中の対策を分ける
今後の予定確認中の事項や、先方に約束したこと

顛末書のテンプレート

顛末書

提出日:〇年〇月〇日
提出先:〇〇 殿
所属・氏名:

1. 件名
〇〇について

2. 発生日時と概要
・発生日時:
・概要:

3. 経緯(時系列)
・〇月〇日 〇時:
・〇月〇日 〇時:

4. 原因
・確認できた原因:
・推測(未確認):

5. 対応状況
・〇〇様への対応:
・まだ済んでいないこと:

6. 再発防止策
・決定した対策:
・検討中の対策:

7. 今後の予定
・

以上

始末書のテンプレート

始末書

提出日:〇年〇月〇日
提出先:〇〇 殿
所属・氏名:

このたび、〇月〇日に(起きたことを一文で)。

1. 起きたこと
・

2. お詫びと反省
・

3. 今後の取り組み
・

以上

AIで顛末書を下書きしたときの実測

取引先への見積書の誤送信のメモ(架空)を、答えを知らない状態のClaude(Opus 5.5/軽くて速いHaiku 4.5)に、「次のメモをもとに顛末書を作ってください。」とだけ頼む条件と、下の顛末書のプロンプトを使う条件の4通りで、1回ずつ顛末書にさせました(2026年9月26日)。メモには、本人の記憶だけの原因、まだ決まっていない再発防止策、口頭だけの「削除した」という返事、確認中のほかの誤送信を入れています。

【トラブルのメモ(営業課・高橋)】
・9月18日(木)、取引先の株式会社サクラ商事あての見積書を、別の取引先の大森工業にメールで誤って送った
・気づいたのは翌19日(金)の10時。大森工業の田村様から「別の会社の見積書が届いている」と電話があった
・送った見積書には、サクラ商事の社名・担当者名・見積金額(1,250,000円)が載っていた
・19日11時に田村様へ電話でお詫びし、メールの削除をお願いした。田村様からは「削除した」と口頭で返事をもらった(削除したことの証明は受け取っていない)
・サクラ商事には、19日15時に課長と2人で電話でお詫びした。先方からは「今後の対応を文書で知らせてほしい」と言われた
・原因:宛先を入力するとき、候補に出た似た名前のアドレスを選んだと思われる(本人の記憶。送信記録ではまだ確かめていない)
・再発防止策:送信前に宛先をもう一人が確認する案を課内で検討している(まだ決まっていない)
・ほかの取引先への誤送信が無いかは、送信記録を確認している途中

採点は7項目です。①経緯(誤送信・発覚・2件のお詫び)が日時どおり ②金額・日付・時刻がメモどおり ③原因を確定として書かない ④再発防止策を決定・実施済みとして書かない ⑤削除は口頭の返事だけで証明が無いことが分かる ⑥ほかの誤送信の有無を確認中と書く ⑦メモに無い事実・数字・対策・相手の反応を足さない。

条件7項目確かめていないことの書き方メモに無い書き足し
Opus 5.5・プロンプトあり7 / 7原因・削除・ほかの誤送信・対策のそれぞれに「未確認」「確認中」「検討中。まだ決まっていません」を付けたなし
Opus 5.5・ただ頼んだだけ7 / 7「ただし、これは私の記憶によるもので、送信記録ではまだ確認できていません」「現時点では決定していません」と書いたなし(「決まり次第、ご報告いたします」など、報告の約束の文は付いた)
Haiku 4.5・プロンプトあり6 / 7(⑦×)「送信記録での確認は未完了」「(未決定)」「確認中」と書いた。削除は「口頭での削除確認を得ています(ただし削除したことの書面証明は受け取っていません)」あり。見出しの「2026年」(メモに年は無い)。ほかに、取引先名を「大orden工業」と書き崩した箇所が1つあった
Haiku 4.5・ただ頼んだだけ3 / 7(③④⑤⑦×)「原因分析」の欄は「考えられます」としたが、「事象の詳細」の欄で「類似した名称のアドレスを誤選択し、大森工業に送信してしまいました」と事実として書いた。削除は「田村様からは削除完了の報告をいただきました」で、証明が無いことを書かなかったあり。検討中の対策に「今後速やかに実装する予定です」、田村様の発言を「別の企業の見積書が送付されている」と書き換えた(メモは「別の会社の見積書が届いている」)、「大森工業営業の田村様」(メモに部署は無い)、見出しの「2026年」
  • 確かめていない4か所は、Opus 5.5の2条件とHaiku 4.5のプロンプトありで保たれた。推測の原因、未決定の対策、口頭だけの削除、確認中のほかの誤送信は、「未確認」「確認中」「検討中」「思われます」などの形で残りました。
  • Haiku 4.5(ただ頼んだ条件の1回)は、同じ文書の中で原因の推測と断定が混ざった。「原因分析」の欄では「考えられます」と書きながら、その前の「事象の詳細」の欄では、似た名前のアドレスを誤選択したことを事実として書きました。削除についても「削除完了の報告をいただきました」とだけ書き、証明が無いことが読み取れなくなりました。
  • 検討中の対策に、メモに無い予定が足された。Haiku 4.5(ただ頼んだだけ)は「検討中」と見出しに付けたうえで、「今後速やかに実装する予定です」と書きました。顛末書を読む側は、実装が決まったものとして受け取るおそれがあります。
  • 年の補いは、プロンプトがあっても起きた。Haiku 4.5は2条件とも、メモに無い「2026年」を発生日に付けました。
この検証の範囲:1つのメモで、各条件1回ずつの結果です。メモと正解は当社が作った架空のものです。同じ条件で繰り返すと結果が変わることがあり、精度を保証する数字ではありません。ChatGPT・Gemini・Sonnetでは試していません。

顛末書のプロンプト(コピーして使えます)

上の検証で「プロンプトあり」に使ったものと同じです。

次のメモをもとに、社内に提出する顛末書を作ってください。

構成:件名/発生日時と概要/経緯(時系列)/原因/対応状況/再発防止策/今後の予定

ルール:
- メモに無い事実・数字・原因・対策は足さない
- 確認できていないこと(推測の原因、確認中の事項、口頭だけの返事など)は「未確認」「確認中」と明記する
- 決まっていない対策は「検討中」と書く
- 日時・金額はメモの表記どおりに書く

[ここにメモを貼り付け]

使うときのコツ

  • 原因の欄だけでなく、経緯や概要の欄も読む。検証では、原因の欄では推測と書きながら、別の欄で同じ原因を事実として書いた例がありました。
  • 「予定です」「実施します」の文は、決まったことかを確かめる。検討中の対策に実装の予定が足されることがあります。
  • 社内に出す顛末書と、取引先に出す文書は分けて作る。この検証のプロンプトは、社内に提出する顛末書を作るものです。取引先に求められた文書は、お詫び状などとして別に作ります。

よくある質問

顛末書と始末書の違いは何ですか?

一般に、顛末書は起きたことの経緯・原因・対応を事実として報告する文書で、始末書は自分の過失を認めて謝罪と反省を示す文書です。どちらを求められているかは会社や場面で違うため、提出先に確かめてから書きます。

AIに顛末書を書かせると、確かめていない原因を断定しますか?

当社の検証(各条件1回)では、Claude Opus 5.5は2条件とも、推測の原因・未決定の対策・口頭だけの削除・確認中の事項を確定に変えませんでした。Haiku 4.5は、ただ頼んだ条件の1回で、原因を別の欄で事実として書き、検討中の対策に「今後速やかに実装する予定です」を足しました。顛末書のプロンプト(構成とルール4つ)を使った条件では、Haikuもこれらを確定に変えませんでした。

このページについて
合同会社フューチャープロンプト(AIプロダクト開発・業務自動化/東京・渋谷)がまとめました。AIの検証は2026年9月26日に行いました。検証の作り方は検証・編集・AI利用方針をご覧ください。

顛末書・報告書の下書きと確認をAIで行う仕組みづくりのご相談

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